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新工業団地計画

平成29年6月上田市議会定例会初日の上田市議会全員協議会において、新たに工業団地を造成する計画が発表されました。上田市はこれまで企業誘致を積極的に行ってきましたが、昨今の景気回復傾向の影響もあり、工場用地取得の要望が急激に増えている状況にあります。上田市はこの要望に対し空き工場や市所有の土地などを紹介してきましたが、企業の求める用地規模がより大規模なもので、企業の要望に応えられない状況にあります。そこで、企業誘致の第一段階として、丸子地域において新たな工業団地を造成することを計画いたしました。計画の概要について資料を掲載いたします。企業誘致が進むと上田市での雇用の増、税収入の増、雇用が増えることによりUIJターンなど移住者の増大が見込まれ、今後、更に取り組みを強めていかなければなりません。

pdf箱畳第二期工業団地造成計画の概要

 

市道櫓下泉平線開通式

3月27日午前、市道櫓下泉平線(ハローワーク前の通りの上田城跡公園櫓下駐車場前とサントミューゼ西側の間)の開通式が行われ環境建設委員長として出席いたしました。構想から10年近く経て、地元の皆さんのご協力もあり本日開通式に至りました。

pdf市道櫓下泉平線概要

 

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平成29年3月定例会一般質問

NHK大河ドラマ「真田丸」放送終了後の観光行政について

o 議長(土屋 陽一君)次に、質問第1号、NHK大河ドラマ「真田丸」放送終了後の観光行政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)平成29年3月定例会一般質問、個別質問トップバッターを務めさせていただきます。トップバッター5回目でございます。よろしくお願いいたします。

今回私からは、通告いたしましたとおり、NHK大河ドラマ「真田丸」放送終了後の観光行政について順次質問してまいります。

昨年12月18日をもってNHK大河ドラマ「真田丸」は放送を終了いたしましたが、視聴率についてはビデオリサーチ社の発表によりますと、関東地区で全50話の期間平均視聴率が関東地区で16.6%、関西地区で15.9%となり、過去5年では関東地区において最高となり、2時間早く放送されていたBSプレミアムでも期間平均視聴率は4.7%となり、BSプレミアムの視聴率としては驚異的な視聴率となりました。

この放送に伴い当上田市は活気に沸き、上田市を訪れるお客様もこれまでに経験のないくらいの多くの方が上田市を訪れ、上田市の大河ドラマ館については、ご存じのとおり、史上最高の入館者数103万5,208人を記録いたしました。放送終了後には真田氏ファンの中では真田丸ロスと悲痛の声が聞かれ、真田丸熱をどこに持っていけばいいのかという状況も生まれるほどでありました。

上田市にとりましては千載一遇の年となったわけでありますが、この契機をしっかりと捉え、今後にも生かしていかなければなりません。そこで、質問に移ってまいります。

まず、NHK大河ドラマ「真田丸」放送による経済効果について質問してまいります。去る2月20日に上田市は長野経済研究所が行った調査結果を発表し、上田市内では経済効果は67億9,000万円、県内全体では200億9,000万円に上るとのことでありました。この長野経済研究所が行った調査については、大河ドラマ館来館者809人のアンケート調査から推計を行い、市内での交通費を除く消費額が67億9,000万円、長野県内での交通費を除く観光消費額は143億3,000万円で、上田市内での消費がほぼ半分との推計で、県内効果として、交通費42億円を含め200億9,000万円となったとのことでありました。

そこで、今回試算された経済効果の数字はこれまでの大河ドラマの舞台となった地域において発表された経済波及効果の数字と比較することは可能なのか、また今回の経済効果の調査は大河ドラマ「真田丸」上田市推進協議会で実施したものではありますが、この調査結果を市としてはどのように捉えているのか。さらに、今回の数字は大河ドラマ館の来館者を対象に調査されたものとのことでありますし、何かと大河ドラマ館だけの集客数がクローズアップされがちでありますが、大河ドラマ館以外の上田市の各観光施設の放送中の昨年度の入り込み状況は放送前と比較してどうであったか。まずこの3点についてお尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。

〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕

o 政策企画部長(西入 直喜君)大河ドラマ「真田丸」放送終了後の観光行政ということで、まず私のほうからは今回の経済効果の数字についての考え方についてご説明をいたします。

先ほど来議員からもご案内ありましたとおり、過去最大の視聴率ということでございました。また、経済効果についても200億円ということでございます。この検証結果につきまして、他地区の大河ドラマ館の地区でも数字が出されておりますが、その多くは放送前あるいは放送中に実施した事前推計というものでございます。上田市におきましても昨年6月に日本銀行松本支店が発表いたしました長野県における大河ドラマ「真田丸」の放映に伴う経済効果、これにつきましてもこの事前推計という形に該当いたします。この事前推計でございますが、過去の事例や統計資料を参考に算出しているものが多いわけでございまして、観光客へのアンケート調査をもとに行いました今回の調査とは調査に当たっての前提条件、観光客数の捉え方、さらには観光消費額の積算方法など根本的な部分で相違がありますことから、単純に数値だけを見て比較することはできないと考えております。

今回の調査結果は、観光客の皆様にアンケートをお願いし、実際にどれだけの観光客が訪れ、どれだけ消費したのかを調べ、その結果をもとに積算したものでありますことから、過去に行われました類似の調査に比べてより実態に即したものであると考えているところでもございます。

議員ご案内のとおり、この経済効果の調査につきましては、大河ドラマ「真田丸」上田市推進協議会が長野経済研究所に調査を依頼したものでございます。この調査の目的といたしましては、同推進協議会が取り組みましたドラマ館の整備・運営事業、ドラマ出演者を招いての開催したイベントなどの誘客宣伝事業、信州上田ロゴマーク、また真田丸のロゴを活用した商品開発事業などがどの程度誘客に結びついたのか、また推進協議会に加盟しております民間事業者の皆様の営業努力が観光客の消費喚起にどうつながったのか、これらを検証することが目的でございました。

調査結果につきましては議員ご案内のとおりでございまして、上田市だけでも観光消費額は67億9,000万円ということでございまして、県内の経済波及効果200億9,000万円ということでございます。この数字につきましては、過去の大河ドラマ館の舞台となった地域と比較しても遜色ないものであったと考えております。

今回の調査におきましては自由意見欄を設け、上田市を観光されてよかった点、また改善したほうがよい点についても記載していただきました。これらについても今後分析する中で、ポスト真田丸における誘客の促進、観光消費の喚起に生かしていかれればと考えております。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)倉島商工観光部長。

〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕

o 商工観光部長(倉島 義彦君)続きまして、各観光施設の入り込み状況についてのご質問をいただきました。真田氏関連施設での状況といたしまして、本年度2月末現在と大河ドラマ放送決定前の平成25年度の入館者数について各施設ごとに申し上げます。

まず、大河ドラマ館のあった上田城跡公園内の上田市立博物館でございますが、本年2月末現在の入館者数は28万388人で、平成25年度の5万1,124人に比べ大幅に増加をしております。上田城櫓門は31万4,960人、25年度は6万9,763人でございます。池波正太郎真田太平記館ですが、5万2,582人で、25年度は2万9,708人ということでございます。真田氏歴史館でございますが、12万9,536人で、25年度は2万5,353人でございます。施政方針で市長が申し上げたとおり、大きく伸びて、特に上田市立博物館で約5.5倍、真田氏歴史館で約5.1倍となるなど大幅な増加となっておりまして、大河ドラマ放送の影響はかなり大きなインパクトを与えたものと認識をしているところでございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきましたけれども、今回の調査、上田市の調査については実態に即したものということで、他地域と比べられないということでしたが、実態に近いということですので、また今後の具体的な施策の展開につなげていただければ、活用いただきたいと思うところでございます。

次に、上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略の中に具体的な施策展開として示されているNHK大河ドラマ「真田丸」放送を生かし、真田氏ゆかりの自治体との広域的な観光地連携を進めるとともに、北陸新幹線沿線の地域間連携による新たな広域周遊観光ルート形成を促進するとしておりますが、放送期間中どのような取り組みと成果があったのか、また放送終了後の継続的な取り組みの考えについてはどうか、お尋ねをいたします。

o 議長(土屋 陽一君)倉島商工観光部長。

〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕

o 商工観光部長(倉島 義彦君)真田氏ゆかりの自治体等との広域連携についての取り組みや成果等についてのご質問でございます。

上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略では、施策展開の「訪れたい・住みたいうえだ戦略」として、地域資源を生かした知名度アップと交流促進の具体的施策の中で、広域的な観光連携の推進を重要な施策として位置づけております。事例を幾つか紹介させていただきます。大河ドラマ放送期間中における真田氏に関連する自治体との広域的な連携の枠組みとしまして、上田市と長野市の県内2市と、嬬恋村から沼田市を経て片品村までの真田領に含まれる群馬県1市5町5村の13自治体で構成する真田街道推進機構がございます。

具体的な取り組みといたしましては、真田街道推進機構を構成する自治体に加え、姉妹都市である九度山町、出城の真田丸があった大阪市天王寺区、東北地方の白石市、蔵王町、由利本荘市にまで連携の範囲を拡大し、真田氏ゆかりの地をめぐる真田街道観光ガイドブックを作成、それぞれの自治体の観光ポイントに配布するとともに、あわせてスタンプラリーを実施いたしました。このスタンプラリーを行ってプレゼントが当たる抽せんへ応募された方の総数は2,361人でございました。応募者のお住まいは、北は北海道から南は鹿児島に至るまで全国に広がっており、スタンプラリーに参加した各自治体も一定の周遊ルートができたものと評価をしておりますので、来年度も引き続き実施する方向で検討をしております。

続きまして、北陸新幹線沿線都市との連携についてでございますが、群馬県高崎市から石川県金沢市までの5県にまたがる沿線11都市で構成する北陸新幹線停車駅都市観光推進会議を設置し、さまざまな誘客活動を行っております。平成27年度に作成した観光ガイドブックでは、沿線都市の大きな観光資源の一つである上田城などの城についても紹介し、各都市の駅観光案内所を初め、首都圏のJR駅にも配置したところです。本年度は各都市をポイントとしたスタンプラリー企画「北陸新幹線めぐり旅」を昨年11月から今年度末までの期間で実施し、この企画については一旦一区切りとする予定でございます。また、鉄道の玄関口となります上田駅の観光案内所は、新幹線上田駅を観光の起点とした周辺9自治体で共同運営しておりますが、「真田丸」放送に合わせて真田レッドをイメージしたリニューアルを実施しております。

真田街道推進機構で連携しております長野市とは、長野県や両市の商工会議所等も含めて長野県真田丸広域連携プロジェクトを構成し、真田氏をキーワードとして、共同で制作した観光PR映像や観光ガイドブックの作成、上田と松代の周遊を図るためのスタンプラリー企画などを実施いたしました。

また、長野市側の自主事業となりますが、「絆ライナー」と名づけた上田松代間のシャトルバスも走らせたところです。スタンプラリーやシャトルバスは「真田丸」の放送終了により一区切りとしますが、引き続きインバウンドなど観光分野で連携をしてまいります。

松本市とは、長野県の空の玄関口となる松本空港も上田市の観光振興に活用すべきとの認識から、二次交通の拡充として、昨年2月から松本上田間の直行バスの運行を始めました。来年度につきましても継続運行したいと考えております。

あわせて長野市、松本市の2市とは上田市との三市トライアングル連携として、松本空港からの周遊ルートの確立に向け、FDA機内誌への3市合同のPR記事の掲載や、大阪便や福岡便の利用者をターゲットとした合同の観光キャンペーンを実施をいたしました。長野市、松本市との連携につきましては、今後もさまざまな可能性を探りながら積極的に進めてまいりたいと考えております。

特に長野市長が3月1日に同市本会議で、広域連携のほかインバウンドを含めて松本市、上田市と誘客事業に取り組んでいきたいと答弁をされており、上田市としてもしっかり連携して取り組んでまいりたいと考えております。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)次に、NHK大河ドラマ「真田丸」放送終了後の観光客の入り込みの目標について質問をしてまいります。

「真田丸」放送前の一昨年9月定例会において私は、大河ドラマ館の入館者数について目標設定の必要性と目標数について質問をいたしました。ご答弁では、目標入館者数を過去の他地域の実績などを参考にいたしまして50万人と設定をするとのお答えでございましたけれども、「真田丸」大河ドラマ館の入館者数は、先ほども申し上げましたとおり、103万5,208人と史上最高の入館者数となり、目標入館者数の倍以上の入館者数となりました。うれしい誤算である一方、目標の立て方の難しさも露呈したところであります。目標数字は高みを目指し設定することも重要な役割であることは忘れてはならないことでありますし、目標数字の設定の重要性については、この大河ドラマ館が設置されたことを契機に上田市において顕著になったのではないでしょうか。「真田丸」放送というビッグイベントは終わったわけでありますが、今後観光行政においては目標を持って当たることが重要であり、この経験を上田市として生かすべきであります。

そこで、まず1点目として、先ほど各施設での入り込み状況も大幅にふえたとのご答弁をいただきましたけれども、各観光施設における今後の観光客入り込み目標設定の考えはどうか。また、考えがあるとするのであれば、各施設の目標入り込み数をどれくらいに設定するのか。

2点目として、12月補正予算において大河ドラマ館後利用施設整備事業として8,000万円予算化され、さらには平成29年当初予算の中にも大河ドラマ館後利用事業負担金として3,586万円余が今定例会に上程されておりますが、この大河ドラマ館後利用施設の目標入館者数をどのくらいと設定するのか。また、あわせてこの施設をどのような施設とし、どのような運営をするのかについてお尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)倉島商工観光部長。

〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕

o 商工観光部長(倉島 義彦君)「真田丸」放送終了後の観光客の入り込み目標等についてのご質問でございます。

本年度から始まっています第二次上田市総合計画では、平成32年度の観光地延べ利用者数の目標を平成26年の基準値475万人から125万人増の600万人としております。直近の平成28年の上田市全体の観光客数は、速報値で721万人余と計画目標を上回っておりますが、これは大河ドラマ放送の影響による一時的なものと捉えております。真田氏関連の各観光施設ごとの目標値は設定しておりませんが、市立博物館、池波正太郎真田太平記館、真田氏歴史館の有料施設においては、いずれも平成28年は下回るものの、「真田丸」の放送の影響が出始めている平成26年度から27年度を参考とした入館者数の見込みを立てているところでございます。

次に、大河ドラマ館後利用施設の目標入館者数等についてでございますが、昨年の大河ドラマ「真田丸」放送に伴い、真田氏ゆかりの郷としての上田市の知名度は全国的にも飛躍的にアップしたものと考えております。この波を来年度以降にもつなげ、さらなる誘客を図るため、大河ドラマ館跡の旧市民会館において、最新のVRシステムで400年前の上田城を迫力ある映像により再現し、改めて真田氏や上田城の歴史を紹介するコーナーや、その周囲に上田合戦等のパネル展示を行い、さらには真田氏ゆかりの品などを展示する特別企画展「400年の時を経て甦る上田城」を開催をいたします。開催期間は、春の上田城千本桜まつりのスタートに合わせ、4月1日から11月30日までとして、訪れたお客様に真田氏の活躍を肌で感じ、感動を与えられるよう、さまざまな工夫を凝らした内容にしたいと考えております。

この特別企画展の来館者数につきましては、開催期間や近年の市立博物館等の入館者を参考といたしまして、目標は10万人としております。

また、特別企画展の運営につきましては、信州上田まつり実行委員会が行います。誘客については、旅行代理店のアドバイスをいただきながら、さらにシルバー人材センターのガイド班も活用して運営をしてまいりたいと考えております。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれ入り込み目標についてお聞きをいたしました。規模や施設に違いはございますが、ディズニーランド、ディズニーシーを運営するオリエンタルランド、ここはやはり入場者目標をかなり綿密に立てていらっしゃいまして、これを見習っている観光施設非常に多いとお聞きしております。前年度から減少した際には細かく分析を行い、対策を講じておりますし、民間施設でもこれをもう既に採用されているところも多いとお聞きをしております。上田市の観光行政についてもこのような姿勢を見習うべきだと思いますし、市民の皆さんもこの目標数字達成に向けての期待というところがあります。ぜひ今後目標数字に対する見識を深めていただくことを期待申し上げます。

次の質問に移ります。NHK大河ドラマ「真田丸」放送による過去に例がないほどの観光客が上田市を訪れました。放送終了後にはこれまでの大河ドラマの舞台となった地域を見ても顕著に観光客が減ってきております。これはどのような手段をもっても防ぎ切れるものではないかもしれません。ただ、代表質問に対する市長のご答弁にもございましたように、「真田丸」放送による知名度を生かしていきたいという趣旨の発言がたびたび出てまいりましたけれども、この真田氏の人気が放送により全国の多くの人が知るところとなり、今後の上田市の観光行政の追い風となったことは間違いございません。

NHK大河ドラマ「八重の桜」の舞台となった会津若松市では、ドラマのタイトルに桜が入っていたことから、この辺に着目し観光客誘致を行った結果、大河ドラマ放送の翌年の桜のシーズンには放送年と変わらない観光客の方が会津若松市を訪れたそうです。現在NHK大河ドラマ「真田丸」は台湾において放送されております。台湾は上田市がタイとともに外国人観光客誘致、いわゆるインバウンドのターゲット国としており、上田市としてはこの辺に着目し、まだまだ取り組みが進んでいないインバウンドの取り組み強化がポスト真田丸になるのではないかと考えますし、午前中の新生会尾島代表の質問に対し市長から、台湾インバウンドの推進のご答弁もあり、期待されるところでございます。

そこで、1点目として、ポスト真田丸としてのインバウンドの取り組み強化の見解はどうか。

2点目として、ポスト真田丸のインバウンド取り組み強化の考えがあるとすれば、具体的な取り組み強化の手段をどう考えているか。

3点目として、先ほども申し上げましたとおり、「真田丸」が台湾で放送されていることから、特にことし台湾からの観光客を受け入れる取り組みが重要であると考えますが、台湾からの観光客誘客目標設定の必要性の見解、また目標設定の必要性を重視するのであれば、台湾からの観光客宿泊者数などをどのくらいの目標とするのか。

以上3点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)倉島商工観光部長。

〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕

o 商工観光部長(倉島 義彦君)インバウンドの取り組みについてのご質問でございます。

2016年の訪日外国人旅行者数は2,403万9,000人と、1964年に統計をとり始めて以降最多の訪日者数となっております。国、地域別では最も多い中国が637万人、次いで韓国が509万人、台湾が416万人で、この3カ国が突出して多く、4番目は香港の183万人となっております。

ポスト真田丸としてのインバウンドの取り組み強化についてでございますが、近年の訪日外国人旅行者数の伸びや、国が掲げております2020年の目標4,000万人であることを鑑みますと、上田市としてもインバウンドの取り組みは強化していく必要があるものと考えているところでございます。

また、台湾では先月から今月にかけて大河ドラマ「真田丸」がテレビ放送されております。1カ月という短期間での集中放送という条件の中で、物語の舞台である上田に関心が高まることを期待してもいますが、いずれにいたしましても今回の放送を取り組み強化の契機にしたいと考えております。

次に、インバウンド取り組みの具体的な手段についてでございますが、既にホームページの多言語化やパンフレットの多言語化は実施済みでありますことから、今後は国内外で開催されるインバウンド商談会への参加など、直接的な活動が必要であると考えております。特に国外での商談会につきましては、費用もかかることから参加はこれまで数回にとどまっておりますが、長野市や松本市はインバウンドの先進地として一定のノウハウも持っておりますので、トライアングル連携の一環としてアドバイスをいただきながら参加をを検討してまいりたいと考えております。

また、より効果的にプロモーションを行うために、市長によるトップセールスも考えられますので、海外での具体的な宣伝活動の検討を早期に進めてまいりたいと考えております。

次に、台湾からの観光客誘客の目標設定についてのご質問でございます。台湾のテレビ事情についての詳細把握は難しいところですが、「真田丸」の放送は全国的に発達したケーブルテレビを通じて100チャンネルほどもある中で日本のテレビドラマ専門チャンネルにおいて集中放送されるということでございます。日本とは全く異なるテレビ事情の中で高視聴率を得て一気に台湾からの観光客がふえるということは考えにくい状況ですが、インバウンドは息の長い取り組みが必要であり、上田市全体の外国人宿泊客が1万人に満たない中で、台湾に限った具体的な目標数値の設定はまだ早いものと考えております。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれインバウンドの取り組み強化についてご答弁をいただきました。

次に、インバウンドの状況について質問してまいります。平成27年に日本を訪れた外国人旅行客数は推計約1,973万人余となり、3年連続して過去最高を記録し、平成26年からの伸び率についても47.1%と、伸び率も過去最高となりました。長野県が公表しています長野県内の外国人宿泊者数についても、平成26年45万6,000人と2年連続で過去最高を記録いたしました。そのような中、上田市においては平成25年の外国人宿泊者数は6,804人で、平成22年以降ほぼ横ばいの状況でありました。

そこで、1点目として、長野県が実施した外国人宿泊者数の調査について、上田市の数字は一般には公開されておりませんが、平成26年の上田市における外国人宿泊者数はどうであったか。過去5年程度の実績も含めご答弁をいただきたいと思います。

2点目として、長野県内の他市町村の外国人宿泊者数との比較はどうであったか。また、比較結果に対する見解はどうか。

3点目として、一昨年9月私が一般質問においてインバウンドに関し質問した際、ご答弁では、外国人宿泊者数上田市目標を平成32年に1万人に設定するとのご答弁ございました。平成26年の実績を踏まえ、目標に対する見解はどうか。

以上3点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)倉島商工観光部長。

〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕

o 商工観光部長(倉島 義彦君)上田市における外国人延べ宿泊者数の状況についてご質問をいただきました。

インバウンドに関する統計の一つとなります外国人延べ宿泊客の統計は、県が毎年宿泊施設にご協力をいただく中で統計数値としてまとめています。先日観光庁が平成28年の速報値を発表しましたが、これは県の調査とは別でございまして、都道府県単位のみの公表でございます。県の調査によります上田市における外国人延べ宿泊者数を平成22年から申し上げます。平成22年が6,363人、23年が6,468人、24年が6,838人、25年が6,804人、26年が8,978人、27年が8,048人となっており、27年はやや減少していますが、これが一時的なものかどうかというのは不明でございます。

次に、県内の他市町村との比較等についてでございますが、県の公表は平成26年までの数値でございます。また、上位の数市町村を除いては非公表で、広域ごとの集計となっておりますことから、公表されている範囲での比較として申し上げます。平成26年の長野県内全体の外国人延べ宿泊者数は46万5,240人で、前年比28.9%の増加となっております。国、地域別の内訳は、台湾からの観光客が最も多く15万816人で、次いでオーストラリアの7万4,302人、中国の3万4,271人の順となっております。また、県内の市町村別の状況といたしましては、外国人宿泊者数が最も多い自治体は白馬村で7万7,724人、次いで松本市が7万4,915人、長野市が5万1,713人の順となっていまして、オリンピック開催地や国宝松本城などがある等、国際的に知名度のある市町村が上位になっております。この結果、地域別では白馬村や松本市が含まれる日本アルプス地域が20万9,468人で、長野県を6つに分けた地域区分の中で最も多い地域となっております。

上田市が含まれます東信州地域は6万5,299人で、上位から3番目となっておりますが、そのうち5万6,118人が軽井沢町を含む佐久地域の外国人宿泊者数となっております。平成26年の上田市単独の外国人宿泊者数は、先ほど申し上げましたように8,978人で、県内上位の市町村とは大きな差がありますが、今後の取り組みにより、一定の時間はかかりますが、知名度を上げることができれば大きく伸びる可能性があると認識をしているところでございます。

次に、外国人宿泊者数の平成26年実績を踏まえた見解というご質問でございます。第二次上田市総合計画の中で平成32年の外国人宿泊者数を1万人として目標を設定しておりますが、平成22年以降順調にふえてきた宿泊者数が平成27年は前年数値を約900人下回っておりますことから、容易に達成できるものではないという認識を持っておるところでございます。しかしながら、東京オリンピック・パラリンピックが近づく中で、日本に関心を持つ外国人はますますふえるものと期待されますことから、目標の達成に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれインバウンドの状況を含め目標に対する見解もお聞きいたしました。

次に、上田市においてインバウンドを推進する上で非常に重要な役割を果たすインバウンドミーティングについて質問いたします。平成28年度の重点目標の中にもインバウンド推進組織活動実施の検討がインバウンドミーティングにて検討されることとなっております。一昨年の私のインバウンドに関する一般質問のご答弁の中でも、インバウンドミーティングを今後とも継続し、より具体的な展開を進めていきたいとのことでありました。

そこで、1点目として、インバウンドミーティングのこれまでの活動状況はどうであったか。

2点目として、インバウンドミーティングにおいてこれまでどのような誘客戦略について検討されたのか。

3点目として、2019年ラグビーワールドカップ、2020年オリンピック・パラリンピックに向けたキャンプ誘致を控えた菅平や、信州せいしゅん村が外国人修学旅行生を受け入れる武石地域など、上田市の地域性や特徴を捉えた誘客戦略はされているのか。

4点目として、インバウンドミーティングの検討内容を具体的に今後どう生かしていくのか。

5点目として、今後インバウンドミーティングにおいてどのようなことを検討し、誘致につなげていくのか。

以上5点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)倉島商工観光部長。

〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕

o 商工観光部長(倉島 義彦君)インバウンドミーティングについてのご質問を何点かいただきました。

平成25年度から上田観光コンベンション協会会員の有志によって、外国人観光客の誘客に向けた、より具体的な取り組みの検討を行うインバウンドミーティングをこれまでに16回開催をしております。その検討の中で、インバウンド事業を進めていく上で最も重要であるターゲットとすべき国として、日本へのインバウンドの成熟市場としては台湾、また新興市場としてタイを選定をしております。プロモーションを行う最初の取り組みとして、基本となる英語のほか、ターゲットの国の言語である中国語の簡体字と繁体字、さらにタイ語、加えて韓国語によるホームページの多言語化とパンフレットを作成をいたしました。そのほか、台湾とタイのエージェント向けにモデルコースを検討し、観光コンベンション協会が参加するエージェント商談会、海外における旅行博への出展を行っております。

次に、菅平地域や武石地域など、上田市の特徴を捉えた誘客戦略はしているのかというようなご質問でございます。上田観光コンベンション協会では、インバウンドミーティングへの参加メンバーから出される提案等をもとに活動を進めておりますが、2019年ラグビーワールドカップや2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた菅平地域や農村体験を実施しております武石地域など、現時点では個別のテーマにまで踏み込んだ検討にまでは至っていない状況にございます。これから本格的にインバウンドに取り組んでいこうとする中で、菅平地域や武石地域では既に民間事業者で先行的に取り組んでいる方もおり、連携を深めていくことも必要であると考えております。

次に、インバウンドミーティングの検討内容を具体的に誘客にどう生かしていくのかとのご質問でございます。これまでインバウンドミーティングは観光コンベンション協会内で検討を続けてまいりました。市町村観光協会の存在意義は、従来は観光事業者を会員としてその利益向上を図るものでしたが、今後は多様な事業者の連携、協働についても重要になってくるものと考えております。

したがいまして、検討内容の結果、課題となるものはインバウンドミーティングの参加者だけでなく、行政や会員、さらに各会員が有する人材、得意分野、知見などを活用して解決を図り、誘客につなげていく必要があると考えております。

次に、今後のインバウンドミーティングにおいてどのようなことを検討するのかというご質問でございます。今後のインバウンドミーティングでは、これまでの海外におけるプロモーションで実施したアンケート結果や他市町村での誘客活動等を参考にして、さらなる効果的な取り組みについて引き続き検討してまいりたいと考えております。より有意義なミーティング活動へつなげていくためにも、今後も引き続き会員に広く参加を募って、市内観光と関係者が一体となったインバウンド誘客につなげてまいりたいと考えております。特にインバウンドの経済効果を高めるためには、宿泊施設事業者の積極的な参画のほか、日本らしさを体験できる観光資源、あるいは地域の特色を生かした観光資源の掘り起こしも重要な課題であると考えております。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)最後の質問に移ります。

今年度の重点目標について1点質問いたします。台湾、タイを重点国とし、本年度重点目標としていた外国エージェント、海外での観光PR実施検討とされておりましたが、検討の結果はどうであったかお聞きし、私の最後の質問といたします。

o 議長(土屋 陽一君)倉島商工観光部長。

〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕

o 商工観光部長(倉島 義彦君)本年度の海外からの誘客活動に関するご質問でございます。

海外のエージェントに対しましては、これまでに国内で開催される商談会等に参加してプロモーション活動を実施してきております。最近の例では、昨年6月に東京において長野県の主催により開催されたインバウンド商談会と、ことし2月に日本政府観光局が主催し横浜で開催されましたビジットジャパン・トラベルマートへ参加をいたしております。そのほか、海外で開催されている旅フェアなどに上田市の観光パンフレットを送付し、20会場で約4,000部を配布しております。海外での観光PRにつきましては、松本市が空路で結ぶ超広域観光で連携する札幌市、鹿児島市とことし1月に台湾で開催した合同観光物産展に上田市も松本市との連携の一環として参加をいたしました。物産展当日は観光パンフレットの配布や信州上田おもてなし武将隊による演舞等を実施いたしましたが、軽井沢町の知名度は高い一方で、上田市の知名度は実感的にまだ低いという状況でございました。

イベント直前に「真田丸」の台湾での放送決定が報道されたこともあったと思いますが、真田幸村の知名度は一定程度見受けられましたので、真田氏ゆかりの郷信州上田として今後知名度がアップすることも十分に期待したいところです。

インバウンド事業については、即効性がある特別な手法等はなく、どこの自治体や観光協会においても手探りの状態であるとお聞きをしております。台湾での「真田丸」放送を大きなチャンスとして捉え、今後積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員の質問が終了しました。

平成28年12月定例会一般質問

上田市消防団を中核とした地域防災力の充実強化について

o 議長(土屋 陽一君)次に、質問第4号、上田市消防団を中核とした地域防災力の充実強化について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それでは、通告いたしましたとおり、上田市消防団を中核とした地域防災力の充実強化について質問をいたします。所属する環境建設委員会の所管事項ではございますが、議員の皆さん、そして市民の皆さんにより知っていただきたい思いもあり、あえて一般質問で議場において質問をさせていただきます。

平成25年12月、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が定められました。この法律は、我が国において近年東日本大震災という未曽有の大災害を初め、地震、局地的な豪雨等による災害が各地で頻発し、住民の生命、身体及び財産の災害からの保護における地域防災力の重要性が増大している一方、少子高齢化の進展、被用者の増加、地方公共団体の区域を超えて通勤等を行う住民の増加等の社会経済情勢の変化により、地域における防災活動の担い手を十分に確保することが困難となっていることに鑑み、地域防災力の充実強化に関し基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、地域防災力の充実強化に関する計画の策定、その他地域防災力の充実強化に関する施策の基本となる事項を定めることにより、住民の積極的な参加のもとに消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図り、もって住民の安全の確保に資することを目的としております。

この法律に基づきこれまでさまざまな取り組みが国及び地方自治体において進められてまいりました。今後もこの法律に基づき目的達成に向けた取り組みがさらに期待されるところであります。そこで、この法律に基づき現在の上田市において今後取り組むべき点について提言並びに質問を進めてまいります。

まず初めに、この法律の第1章第4条1項において、国及び地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり地域防災力の充実強化を図る責務を有するとし、同3項では、国及び地方公共団体は、地域防災力の充実強化に関する施策を効果的に実施するため、必要な調査研究、情報の提供、その他の措置を講ずるものとするとしております。具体的に、調査研究、情報提供、そのほかの措置について、上田市として具体的なこれまでの取り組みと今後の充実強化の方針の見解はどうか、まず初めにお尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)長谷川消防部長。

〔消防部長 長谷川 好明君登壇〕

o 消防部長(長谷川 好明君)消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関するご質問をいただきました。近年大規模な自然災害が各地で発生し、地域防災力の重要性が増大している一方で、急速な少子化、高齢化の進展等社会情勢の変化により、地域における防災活動の担い手である消防団員の確保が困難になっていることから、平成25年12月に消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行され、地域の防災力の強化は消防団の強化を図ること等によって地域の防災体制の強化も図るというようなことを旨とし、同法第3章においては消防団の強化が規定されております。国及び地方公共団体において消防団員の確保、処遇の改善、装備や教育訓練等の充実について必要な措置を講ずるよう努めることとされたところでございます。

上田市におきましては、本年度から始まりました第二次総合計画において地域防災力の向上を図るため、消防団を中核とした地域防災力の充実強化のあり方に関する国の中間答申等を受けまして、消防団員の定数確保に向けた普及の啓発、そして消防団装備等の充実を基本施策としてその強化に取り組んでいるところでございます。

消防団員の条例定数は2,270人のところ、昨年度末では2,201人、約97%の充足率でございまして、年々若干の減少傾向が見られます。今後少子化、高齢化等の進展に伴いさらに新入団員の確保が困難な状況になることが懸念されているところでございます。

消防団員の確保、加入促進の取り組みといたしましては、「広報うえだ」、行政チャンネル、ケーブルテレビ等を活用して新入団員の募集啓発のほか、各地域で開催されました成人式において団員募集パンフレットの配布や、市役所新入職員研修において消防団活動を紹介するとともに、加入促進をしてまいりました。また、本年4月からは団員の任命資格に大学等に通学する学生を加え、また学生消防団活動認証制度実施要綱を新たに定め、地域社会へ多大な貢献をした大学生等の実績を認証することにより、就職活動を支援することで学生団員の加入促進を図っております。

また、消防団員の処遇改善につきましても、法律施行後の平成26年度には消防団運営交付金及び退職報奨金の増額改定を行い、消防団活動への支援に努めてまいりました。団員の教育訓練につきましても、消防の基本となるポンプ操法訓練を初め、規律訓練、救命講習会、幹部団員研修会、バイク隊の運転技術講習会等に消防職員を講師として派遣し、技術及び能力の向上を図るため積極的に支援を行っております。また、殿城地籍に整備いたしました総合訓練場におきましても、分団の消防訓練、チェーンソー取り扱い訓練、バイク隊の訓練等を開催するなどし、施設を活用した研修にも努めてまいりました。

施設や装備等につきましては、合併協議事項に基づき分団詰所の整備を進め、各地域の防災力の均衡を図るため、丸子、真田、武石の各分団拠点施設の建設12カ所、老朽化した上田地域の詰所の建てかえ2カ所、計14カ所の整備を本年度の本原分団拠点施設の新築工事をもちまして計画した全ての分団詰所の整備が完了いたします。

消防団員の安全確保のための装備につきましても順次充実を図っておりまして、消防団の装備の基準に基づき、平成27年度から救助用の半長靴と耐切創性手袋を5カ年計画で全団員に配布しており、既に約半数の団員に行き渡っております。

今後とも地域防災力の充実強化のため、団員の確保、加入促進の取り組みを継続するとともに、処遇の改善、装備や教育訓練の充実について、消防委員会の附帯意見等にも沿って消防団と協議の上取り組んでまいりたいと考えております。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)次に、第6条において、関係相互の連携及び協力について、住民、自主防災組織、市町村の区域内の公共的団体、その他の防災に関する組織、消防団、水防団、地方公共団体、国等は地域防災力の充実強化に関する施策が円滑に実施されるよう、相互に連携を図りながら協力をしなければならないとされております。そこで、連携強化に関し質問いたします。

まず1点目として、消防団と危機管理防災課の連携については接点がない状況にあります。ことしの8月と9月に発令されました避難準備情報についても、消防団はどう動けばよいのか、一部戸惑っている場面も見られたようでございます。消防団と危機管理防災課の連携については、日ごろからの情報交換、関係構築などが非常に重要であり、想定外の災害があった場合において大変重要と考えますが、連携強化の推進についての見解はどうか。

2点目として、上田市のデジタル防災無線と上田地域広域連合のデジタル無線は互換性がなく、連携しておりません。実際の災害時において連携がないことから、デジタル無線利用による連携が難しい状況にあります。これは、デジタル化による弊害であると私は捉えておりますが、これを嘆いてみたところでハードは既に整備されている状況であります。火災時などには消防団が消防指令室に詰めるなどの措置を講じているようではありますけれども、デジタル無線導入後の連携については不十分であり、連携強化のための動き、取り組みを強化する必要が高いと考えます。署、団、上田市の統制強化と災害時の連携強化について、今後強化の考えはあるのか、あるとするのであれば、今後の方針をどのように考えるか、お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)宮川総務部長。

〔総務部長 宮川 直君登壇〕

o 総務部長(宮川 直君)消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律に関連して、消防団と危機管理防災課の連携のご指摘をいただきました。平成25年12月に制定をされた本法律の基本理念は、地域防災のための総力結集を目指して、住民、自主防災組織、消防団、市、国等が相互に連携協力して取り組むことが重要であるとの基本的認識のもとに、消防団の強化を掲げ、あわせて住民の防災活動への積極的参加、自主防災組織の活動を活性化する、そして消防団が中核となりまして住民の皆さんの自発的活動への参加を促進する、そのために国や地方公共団体も大きな責務を負うこととしております。このためには中核をなす消防団と自治会の皆さんなどとの連携協力、さらには市と消防団との連携協力は大変重要であると考えてございますし、住民の皆さんの防災活動への積極的参加呼びかけや消防団の役割説明、消防団の機能強化など、市として進めていかなければならないものと認識し、対応しているところでございます。

その中で、市と消防団では防災会議でも協議をする場を持ち、また防災訓練の企画段階からの協議、また消防組織法で消防団を指揮下に置く消防部との協議、役割分担など、日ごろから消防団活動がスムーズに行えるよう連携を図っているところでございます。

ご指摘をいただきました、ことし上田市に大きな被害をもたらしました8月、9月の大雨の際には、上田市に対して土砂災害警戒情報が発表され、土砂災害の危険性が高まったことから、市民の安全確保を図るために、該当する自治会に対しまして避難準備情報を発令をしたところでございます。まずは対象地域の自治会の皆様に個別に連絡を図るとともに、ほとんどの消防団員の皆さんに登録をいただいているメール配信等でもこの避難準備情報の発令、また避難準備を呼びかけたところでございます。

消防団としてどう地域との連携や災害に対しましての待機など、状況判断をしていただいて行動をいただかなければならないところではございますけれども、上田市としては初めての発令でもございました。今議員からご指摘があった団員の皆さんが戸惑っていたというお話があるといたしましたならば、この教訓を生かすための避難準備情報等の避難情報が発令された場合の対応、市からの情報提供の方法等々、今後消防部、また消防団と意見交換を行いながら検討、確認してまいりたいと考えてございます。

地域防災力の充実強化を図るためには、その中核となっていただく消防団と市との連携は必要不可欠でございますので、日ごろから情報交換を通じてさらなる関係性を深めて、引き続き連携強化に努めてまいりたいと考えてございます。その方法として、もし消防団の皆さんが参加可能となりますれば、負荷もかかるわけですが、自主防災組織リーダー研修会などにおいてもご参加をいただいて、地域と消防団の皆さんとの連携についても確認し合える場を提供できればと考えるところでございます。

次に、デジタル化した無線について、特に消防団活動に必要な無線についてのご質問でございます。先ほど議員からはデジタル化の弊害というご指摘をいただきましたけれども、最初にこの無線のデジタル化の取り組み経過を申し上げます。デジタル化の前には消防無線においては4つの波、4チャンネルを持って、1波は上田消防、2波は県内広域波、3波は依田窪波、4波を消防団に割り振って運用をされていたものでございます。しかしながら、上田地域広域連合消防本部において整備をされた消防緊急デジタル無線は、消防法の審査基準の改正等によりまして、それまで使っていたアナログ方式の使用期限が平成28年5月31日までとされ、デジタル波のみの割り当てとなったこと、また効率的、効果的かつ整備費用の低廉化も目指して、県内の東北信地域7消防本部が共通する無線及び電源装置を共同で整備をし、平成27年3月から運用を開始したところでございます。よって、消防団の無線をそこに組み入れられることは、電波法及び設備面でできませんでした。

こうしたこともありまして、平成22年10月から運用開始をいたしました上田市デジタル防災行政無線の導入検討におきまして、改正電波法ではデジタル波の割り当てに当たっては、使用電波は1市町村1波のみとされたこと、また合併前の旧4市町村で整備していたアナログ方式の移動系防災行政無線が老朽化をし、法律の期限平成28年5月31日までのデジタル化への統合が求められましたこと、これらからそれまで消防団が使用されていた消防団波が使えなくなっていることもございまして、消防団の無線を確保するために、行政用に消防団用も加えて現在のデジタル方式の移動系防災行政無線を整備をしたものでございます。市と消防団の交信はこの無線で可能としてございます。

先ほどからデジタル化の弊害というお話もございますが、こうすることでまずは消防団の無線を確保したということでございます。こうした経過から消防団が使用している上田市防災行政無線と消防本部が使用している消防救急無線とは、無線方式、そして周波数も異なりますことから、当然互換性はございません。そのため、消防団では消防本部との災害時の連携を図るために、火災や水害等発生した場合には、団本部員が消防本部に詰め、双方の無線を活用して情報の収集と共有を図りながら、迅速かつ的確な災害対応に努めていただいているところでございます。つまりは、電波法という制限のある中で運用せざるを得ないということでございます。このデジタルの特性をよくよく理解していただきながら、訓練と実践の繰り返しの中で支障のないように双方努めているところでございます。

大規模災害が発生もしくは発生が予想される状況に至った場合については、市地域防災計画に基づきまして災害対策本部を設置することとしておりまして、その場合には消防職員の派遣を求めるなど、消防本部、市の職員を相互に派遣して情報の集約を図りながら災害対応に当たることとしてございます。その際は消防部から消防団に出動要請や活動の状況把握をお願いしているところでございます。今後も市と消防部間で連携を密にし、消防団の出動及び活動がスムーズに進みますよう対応してまいりたいと考えております。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁いただきましたけれども、デジタル化への問題ですけれども、電波法のルールについては理解するところであります。ただ、やはり消防団員が活動しにくくなっているということは事実だと思います。これはやはり連携強化をさらに強化する必要があるということであるかと思います。さらに連携強化の取り組みに期待をさせていただきたいと思います。

次に、第3章、基本施策、第1節、消防団の強化と第8条、消防団の強化において、国及び地方公共団体は、全ての市町村に置かれるようになった消防団が将来にわたり地域防災力の中核として欠くことのできない代替性のない存在であることを鑑み、消防団の抜本的な強化を図るため必要な措置を講じるものとするとされております。消防団の抜本的な強化については、消防団員が活動する環境の整備を推進する必要が高いと考えます。これに関しまず3点問題提起をさせていただきます。

1点目として、現在上田市消防団が保有する車両のうち、指令車については川西署に保管されております。中央署耐震工事前は中央署に保管されていたものが工事後川西署に変更となったものです。指令車については、災害出動時などにおいては現地指揮本部としての機能を果たし、無線の電波状況が不安定な地区においては中継車としての機能を果たすなど、有事の際に大変重要な役割を果たす車両でございます。耐震工事前については中央署に保管されていたため迅速に出動できたものの、現在川西署に保管となったことにより、消防団本部員が車両を取りに行く必要があり、迅速な出動、行動に支障を来しております。イベントなどの際にも団員が車両をわざわざ取りに行く必要があり、団員の負担ともなっております。

2点目として、現在上田市消防団では10台のバイクを保有しておりますが、4台については方面隊での保管、3台については城跡公園防災倉庫にて保管、3台については南部署、東北署、真田署で保管しております。災害、捜索出動の際などには、バイク隊員は本部ロッカールームに保管されているスーツに着がえた上、バイク保管場所に出向くという非常に非効率な態勢となっております。

3点目として、上田市消防団が保有する車両のうち、上田中央署において上田指揮車とペナテス号の2台、川西署において指令車1台、東北署において搬送車1台が屋外保管となっております。現在建設中の上田中央署前の車庫については今年度中に完成の予定でありますが、現在屋外保管の車両全てを保管できる規模ではありません。車両が分散しており、消防団の迅速な行動の妨げとなるだけではなく、車両の屋外保管による車両の劣化についても非常に問題であると考えます。

これら3点の問題について、解決策としては中央署付近あるいは消防団が希望する場所に消防団専用の車庫を設置するなどの措置が急務であると考えます。

そこで、1点目として、消防団車両の屋外保管について、使用期間の延命、車両劣化の観点から問題であると考えますが、見解はどうか。

2点目として、消防団を中核とした地域防災力充実強化に関する法律を遵守し、消防団の抜本的な強化の観点、また消防団員の負担軽減の観点から、市として消防団専用の車庫を整備するべきではないか。

以上2点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)長谷川消防部長。

〔消防部長 長谷川 好明君登壇〕

o 消防部長(長谷川 好明君)消防団車両の屋外保管について、また消防団車両専用の車庫の整備についてご質問をいただきました。現在の上田市消防団の車両は、消防団本部及び各分団に合計117台ございます。そのうち各分団に配備しているポンプ自動車、普通積載車、軽積載車及び照明車については、各分団詰所または分団の班の車庫に保管されております。現在屋外で保管されている消防団車両は、消防本部に指揮車1台と女性消防団員用のペナテス号1台、東北消防署に資機材搬送車1台、川西消防署に指令車1台の合計4台でございます。消防本部の耐震化工事以前は指揮車、ペナテス号は消防本部の車庫内に保管されておりましたが、工事がおおむね終了した現在でも敷地が手狭になったこと、また分散しての屋外駐車を余儀なくされているところでございます。

消防車両の屋外での保管につきましては、緊急車両でありますことから、冬季の霜、積雪等にも対応しなければならなく、即時出動できる態勢や盗難、車体の劣化等を考えた場合、議員ご指摘のとおり、屋内での保管が非常に望ましいと考えられますが、現在の消防本部の敷地及び周辺の土地の状況等を考えますと、消防本部所管の消防車両も一部屋外で保管している状況でございますので、団本部付近での車庫の建設ということは非常に難しいと考えているのが現状でございます。また、現在上田地域広域連合消防本部では、今年度事業といたしまして車庫棟の建設を進めております。上田市消防団の車両の保管につきましては、広域連合と協議の上検討してまいりたいというように考えております。

また、議員ご指摘のバイク隊の場合についてでございますが、保管場所近くの隊員が自宅で着がえて現在出動しているという状況でありまして、これまでの出動において大きく支障を来す状況は見られないという状況でございます。なお、城跡公園の防災倉庫に保管されています3台につきましては、現在保管場所の移転も考慮し、引き続き消防団と協議していきます。

消防団の車両につきましては、その更新に当たり配備車両の適正化等の見直しも含め、保管場所についてもあわせて検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)屋外保管については問題を十分把握されているようでございます。どうか今後、費用的な面、スペース的な面の問題もあるかと思いますが、前向きにご検討いただきたいと思います。

次に、消防団の抜本的な強化に関しもう一点質問いたします。現在上田市において運用されている火災情報などを配信する災害メールは、個人情報保護の観点から目標物から方位と距離で場所が配信されております。しかし、個人情報保護の観点からこの形態になってから消防団員が現地へ到着するまでに支障を来すケースがあります。他自治体などについては、個人情報を保護しつつ、災害メールに地図を添付し配信している自治体もあります。上田市でも災害時迅速な行動ができるよう地図を添付すべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)長谷川消防部長。

〔消防部長 長谷川 好明君登壇〕

o 消防部長(長谷川 好明君)災害メールに災害場所の地図を添付すべきとのご意見でございます。火災をお知らせする災害メールにつきましては、現在発生した建物の番地を除いた所在地及び自治会館付近等の公の目標物を表示して配信しております。なお、通信指令システムでは、通報の情報から緯度、経度を把握することはできますが、通報の情報だけでは不特定な要素も多いということから、災害メールでは番地を表示しないで配信しておる現状でございます。

ご質問にもありました災害メールの地図の添付でございますが、現在のシステムに改修を加えることにより通信指令システムの緯度、経度を利用した地図情報の送信は技術的には可能でございますが、先ほども述べましたが、通報内容によっては不確実な情報となる場合もございます。また、個人情報保護の観点からも地図を添付することによりその個人にとって不利益が生じるおそれもございます。県内では松本広域消防局や千曲坂城消防本部におきまして、地図を添付して消防職員及び行政の一部関係者のみに配信している事例がございますが、消防団や一般市民への配信は行っていないとのことでございます。また、添付される地図につきましても、住宅地図のように個人が特定されない程度の地図でございまして、個人情報には注意を配っている状況でございます。

災害メールの地図の添付につきましては、導入時にも慎重な検討が行われたことから、個人情報の保護を重視して現在のままとしてまいりたいと考えております。今後は目標物等の数をふやし、受信者にもわかりやすい情報の提供に努めてまいりたいと考えております。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)地図情報については添付は難しいというご答弁でございましたけれども、同じ上田広域の中でも近隣の市町村においては、団員の幹部に向けては一部地図を添付している実績がございます。この辺もよく調査研究していただいて、ちょっと難しいというお答えでしたが、今後研究もしていただきたいところでございます。

次に、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律から少し離れ質問をいたします。まず1点目として、平成25年11月25日に東京ドームで開催された消防団120周年、自治体消防65周年記念大会において消防未来宣言として、日本消防100年以上にわたる先人の尽力によって発展し、日本広く信頼を得るに至っている。私たち消防人はみずからの地域はみずから守るという先人の熱い思いを受け継ぎ、国民の皆さんのご理解、ご協力のもと全国一致団結し、新しい技術等も積極的に導入しながら、少年、女性を含む地域住民の皆さんとともにより強固な未来の日本消防づくりに邁進する。そして、社会経済の進展に伴い変化を見せるあらゆる災害事故に対処し、国民の安全を守るため全力を尽くすことをかたく誓い、ここに宣言すると宣言されました。このように消防人は先人の功績を高く評価し、熱い思いを持って日々活動しております。

そのような中、上田市においては上田中央署耐震工事前は中央消防署内に消防会館として消防団本部が設置されておりましたが、工事後は広域施設として位置づけられたことにより、消防会館時代に玄関入り口にガラスケース内に展示されていた消防団の先人の皆さんが受賞した品が撤去され、現在は消防団の利用する施設に分散保管されております。また、上田市消防団の過去の記録など歴史的な資料などについてもさまざまな場所に保管されている状況であります。これは消防未来宣言にも反した事態であり、これまで上田市消防団で活躍された先人の皆さんに対し申しわけの立たない状況であり、私も長年消防団に携わらせていただいた消防団OBとして非常に悲しむべき状況であります。上田市として消防団の先人の功績を重んじるのは義務であります。日本一の上田市消防団の功績、歴史について市としてきちんと展示、保管する場所を整備するべきではないでしょうか。見解をお聞きいたします。

2点目として、上田市消防団の最高会議である最高幹部会議は、上田中央署で平日の夜、月に1回程度開催されております。分団長29名、本部員20名、合計49名で開催される会議で、それぞれ仕事の後それぞれの地区から参加するため、ほとんどの方がマイカーを利用する状況であります。現在駐車場については清明小学校の駐車場をお借りしている状況でありますが、清明小学校で別の行事などがある場合は駐車に苦慮している状況であります。そのほか、本部会、各隊の会議、出初め式などの行事の際かなりの頻度で駐車場が必要となります。NHK大河ドラマ「真田丸」放送に伴う観光客増の対策として整備された上田城跡北観光駐車場が整備される以前は旧勤労青少年ホーム横の駐車場が利用できたものの、現在廃止され、使用もできなくなっている状況にあります。

そこで、消防団員の会議の際などにおいて上田城跡北観光駐車場を会議参加者などに限り無料使用できるようにすることを提案いたしますが、見解はどうか。上田城跡北観光駐車場については、消防団が夜間会議で利用しても観光客の利用時間帯とは重なりません。

以上2点お尋ねをいたします。

o 議長(土屋 陽一君)長谷川消防部長。

〔消防部長 長谷川 好明君登壇〕

o 消防部長(長谷川 好明君)消防団の功績についての展示、それら2点ほどご質問いただきました。現在の消防本部は平成25年度から三大事業として、消防救急デジタル無線整備事業、高機能消防指令装置更新整備事業及び庁舎耐震化及び増改築事業に取り組み、おおむね平成27年度に終了しております。この工事の実施に当たり、それまでの上田市所有の消防会館は上田地域広域連合に消防本部庁舎として無償譲渡された経緯がございます。このため、工事に当たりましてそれまで展示していた消防団の功績や歴史を示すまといや賞状、写真などは消防団本部と協議の上、消防団本部室または各分団に分散して保管し、工事が終了した時点では、現在日本消防協会から表彰された日消まといのみを消防本部玄関に展示しております。

現在の消防本部は、議員もご存じのとおり中央消防署との併設でありまして、玄関を共有するつくりとなっております。玄関を入りそれぞれの事務室へと人の動線を確保する必要から、展示等のスペースに余裕がない状況でございます。消防本部が上田地域広域連合の施設であることや、展示スペースをなかなか確保できないことから、展示等に関しましては今後消防団と協議し、検討してまいりたいと思っております。

続きまして、上田城跡北観光駐車場を無料使用するご提案でございます。消防団員が消防本部庁舎を使用して行う会議や音楽隊の練習等は、昨年1年間で約190回、延べで5,270人ほどの使用があったと報告を聞いております。一方、駐車できるスペースは、ご協力をいただいております上田市立清明小学校等の駐車場に最大35台が確保できる状況で、それ以上となった場合には、上田市役所の駐車場の利用をお願いしているところでございます。

議員ご提案の上田城跡北観光駐車場は、NHK大河ドラマ「真田丸」を契機に観光客の増加に対応するため整備された駐車場でございます。この駐車場は最初の1時間以降、1時間ごとに100円の使用料が発生し、上田市共通駐車券の契約駐車場となっておりますことから、共通駐車券を使えば料金の負担がなくなるということができます。しかし、この駐車場は、議員もおっしゃられたとおり、上田城跡公園を訪れる観光客や市民を対象とした契約駐車場でもあるということでございます。そんなようなことも含めまして、消防団員のみを優遇して使用させることはちょっと厳しいのではないかと現在考えております。そのようなことも考えながら、引き続き周辺の駐車スペースの確保を続ける中でさらに検討してまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)展示につきましてはご検討いただけるということ、駐車場については消防団員のみを優遇は難しいということですが、ぜひ今後検討をいただきたいと思います。

国は平成7年6月から広域連合を制度化しまして、広域行政を推進しております。平成10年4月1日に上田地域広域連合が設立され以降、施設の耐震整備などが進む中で、広域消防と上田市消防団のかかわりというものがなかなかうまくいかなかったりですとか、組織的なねじれというものが出てきております。そのような中で、消防団については市の所管であることは忘れてはならないことであります。前段でお尋ねした車両の保管や先ほどお尋ねした消防団の功績の展示などは、当然のことながら広域連合所管ではございません。これらについては市が支援することは当然であります。消防団に関する事項で広域行政化によりこれまでと状況を変えざるを得ないのであれば、消防団の意向を第一とし、市が消防団の意向を尊重し、支援すべきことであります。これは消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律を遵守する上でも当たり前であります。上田市として対応は難しいというスタイルではなくて、どうにかやらなくてはいけないというスタイルに発想を切りかえていただきたいと思うところでございます。

また、消防団の処遇改善につきましては、応援ショップの充実などが話題としてよくクローズアップされますが、こうした駐車場の問題等を解決することによりまして、団員の活動のしやすさというものがやはり向上することもこの処遇改善の一端ではないかなと私は考えるところであります。ぜひ前向きにご検討いただきたいと思います。

次に、消防車庫及び消防器具置き場と警鐘楼の自治会移譲についてと消防詰所について質問をいたします。現在丸子、真田、武石地域の消防器具庫、警鐘楼は市の管理となっており、必要なものを選定した上で自治会へ移譲する方向となっております。しかしながら、警鐘楼については自治会管理とした場合、または現在自治会管理となっているものについても、万が一倒壊などのあった際には補償する保険もかけておらず、予算的な問題から定期的な整備、建てかえなどが難しい状況にあります。警鐘楼などについては頻繁に建てかえが必要なものではありませんが、これを自治会で負担することは人口減少の中、予算的に厳しく、危険性を感じながらも保守、建てかえなどができない状況に陥ってまいります。また、消防車庫及び消防器具置き場については、自治会移譲する場合、民地に建設された場合が多く、自治会が地縁団体となる必要があるなど、自治会の負担を強いております。自治会に移譲した場合においても、その後の改築、修繕について上田市の補助要綱は10の5以内……

o 議長(土屋 陽一君)質問は簡潔にお願いします。

o 2番(佐藤 論征君)となります。将来老朽化した施設を放置せざるを得ない状況に陥ります。

では、質問に移ります。1点目として、消防車庫及び消防器具置き場と警鐘楼については、自治会管理ではなく、市の管理に統一すべきと考えますが、見解はどうか。

2点目として、自治会移譲した場合、自治会の負担増と自治会が管理し切れず、将来危険性が発生した場合の見解をお尋ねし、最後の質問といたします。

o 議長(土屋 陽一君)長谷川消防部長。簡潔にお願いします。

〔消防部長 長谷川 好明君登壇〕

o 消防部長(長谷川 好明君)簡潔にということでございますが、現在の消防車庫、器具庫につきましては合併当時からの協議事項でございまして、消防団の分団詰所を旧丸子、旧真田、旧武石において整備していくという中で、今まであった消防庫や警鐘楼については自治会のほうへ譲渡していきたいと、移譲していきたいという考え方で現在動いているところでございます。

また、危険性、あと予算等の関係につきましては、今回自治会に移譲するに当たりまして、車庫や警鐘楼整備をして自治会のほうに移管していくという方針でございますので、それ以降しばらくの間というのは問題はないかと思っております。また、その後につきましては、先ほど申し上げました補助要綱がございますので、そちらのほうで対応していくということでよろしくお願いしたいと思います。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員の質問が終了しました。

平成28年9月定例会 一般質問

o 議長(土屋 陽一君)次に、質問第3号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)議長より質問の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問してまいります。今回私は自動体外式除細動器、いわゆるAEDについてとフードバンクの推進について質問をいたします。

まず初めに、自動体外式除細動器AEDについて質問をいたします。平成27年度版総務省消防庁統計資料によりますと、平成26年中に一般市民が心臓自身の原因で心停止になる心原性心肺機能停止の時点を目撃した傷病者は2万5,255人であり、一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者は1万3,679人、54.2%であります。そのうち1カ月後生存者は2,106人、1カ月後生存率は15.4%であり、心肺蘇生を実施しなかった場合の1カ月後生存率8.4%と比較して約1.8倍高くなっております。また、一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者のうち、1カ月後社会復帰者は1,476人、1カ月後社会復帰率は10.8%であり、心肺蘇生が実施されなかった場合の1カ月後社会復帰率4.3%と比較して約2.5倍高くなっております。さらに、一般市民がAEDを使用し除細動を実施した傷病者は1,030人であり、そのうち1カ月後生存者は519人、1カ月後生存率は50.4%でありました。心肺蘇生を実施しなかった場合の1カ月後生存率8.4%と比較して約6倍高くなっております。また、一般市民がAEDを使用して除細動を実施した傷病者のうち、1カ月後社会復帰者は446人、1カ月後社会復帰率は43.3%であり、心肺蘇生を実施しなかった場合の1カ月後社会復帰率4.3%と比較して約10.1倍高くなっております。AEDと助ける人がいれば多くの命が救える上、多くの人がこれまでどおりの生活に復帰することができ、上田市においてもさらに普及が望まれるところであります。

そのような中、本年度当初予算において市内の公共施設に市が設置するAED204台について、耐用年数の期限が到来するものから順次更新を行うため、本年度更新分として164台、加えて新規設置分として10台、合計で174台を更新する予算として736万7,000円が計上されております。また、これまで市が設置するAEDについては、機器を市が購入し、各施設が管理するものとしておりましたが、今回はAED管理事業として物件納入業者を入札で決定した後、その決定金額を基準に別途入札により決定されたリース業者と売買契約を締結する契約方法をとり、保守については販売業者が行うものとしております。

これまで市が機器を購入し、保守については各設置施設に委ねていたことから、実際に使用された場合の消耗品の交換などについて市は把握しておらず、当然のことながら実際に使用された実績も把握しておらず、市保有のAEDでこれまでどれだけのとうとい命が助けられたのかということも把握していない状況であります。AEDについては言うまでもなく実績を評価するものではありませんが、市民の皆さんから見るとこういったことからいささか管理に不安を感じるところであります。今回の更新にあわせて保守を納入業者に委託することにより管理の徹底が図れることが期待されるところであります。

そこで、まず1点目として、今回の更新にあわせAED管理事業とした理由は何か。2点目として、AED管理事業としたことにより、以前の設置方法と比較し費用についてはどのくらい増減するのか。3点目として、AED管理事業とすることによりどのような効果を見込んでいるのか。以上3点についてお尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代健康こども未来部長。

〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕

o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)AED管理事業について何点かお尋ねいただきました。最初に、今年度の更新でAED管理事業とした理由についてでございます。現在市の公共施設に設置されているAEDの多くは平成20年に国の経済対策を活用して導入したものでありまして、これらが耐用年数の7年となることから、今年度更新をするものであります。更新に当たりましては、各担当課が個別に事務を行うより一括して更新を行うことで事務処理の効率化や市の全体予算の縮減を図れることから、AED管理事業として健康こども未来部で担当することといたしました。

次に、以前の設置方法との費用の比較でございます。これまでに導入したAEDは買い取りであったため、維持管理等はそれぞれの施設で行ってまいりましたが、今回の更新では消耗品の交換や保守点検業務を含めたリース契約といたしました。概算による比較ではありますが、リース料率も加算されることから、本体や消耗品等を購入し、これに保守点検料を加えた場合に比べるとやや割高になる見込みと試算をしております。

次に、AED管理事業とすることでの効果でございますが、保守業務を含むリース契約により市の公共施設のAEDを一括して集中管理を行うことで、使用期限のあるバッテリーや電極パッドといった消耗品の交換、保守点検業務を専門業者が確実に実施することといたしました。突然の事態が生じた際には機器が正常に作動することが大変重要でありますので、より適切な維持管理ができるものと考えております。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)AED管理事業についてそれぞれご答弁をいただきましたけれども、ご答弁によりますと、コストについてはやや割高ということではありますけれども、やはり集中管理によりまして適切な管理ができるということで非常に管理が向上するということが期待されまして、評価できるものであるかと思います。

次に、設置基準について質問を進めてまいります。先ほども申し上げたとおり、上田市が現在公共施設に設置するAEDは204台であります。設置基準、設置義務施設などを条例化している市町村もありますが、上田市においては条例など制定されておりません。

そこで、1点目として、上田市におけるAED設置についてどのような観点からこれまで設置がされているのか。2点目として、今回の更新にあわせ新規設置される10台についてはどのような経緯の中で設置が決定され、新規設置施設についてはこれまで同様公共施設であるのか。3点目として、今後のAED新設の方針をどのように考えるか。以上3点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代健康こども未来部長。

〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕

o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)最初に、これまで市としてどのような観点でAEDを設置してきたのかというご質問でございます。市では効果的、効率的なAEDの運用を図るため、日本救急医療財団によるAEDの適正配置に関するガイドライン及び日本循環器学会AED検討委員会、日本心臓財団によるAEDの具体的設置・配置基準に関する提言等を踏まえまして、上田市としてAED設置基準を定めております。

設置基準におきましては、1つとして、設置に当たり考慮すべき事項について、2つとして、設置場所、これは公共施設の類型ごとに優先順位を設けて規定してございます。3つとして、万が一の場合に効果を上げるための施設内での設置場所について、4つとして、市民が参加する行事等への貸し付けについて等を定めております。

今回の方針にあわせて新たに設置する10台につきましては、市の公共施設を管理する担当課等に対して全庁的に意向調査を行い、要望があった施設のうち、市で定めた設置基準に照らし導入することが望ましいと判断した公共施設から順次設置をするものであります。また、今後の新設につきましても、上田市AED設置基準に沿って基本的には同様の方針で進めてまいりたいと考えております。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)AED管理事業と設置基準について質問を進めてまいりましたが、これらを踏まえまして次の質問に移らせていただきます。

AEDは寒冷な環境下においてバッテリーの出力低下や電極パッドの凍結等によりAEDが正常に作動しない可能性が指摘されております。一例を申し上げますと、2011年2月、関西のある町の消防に自宅で男性が苦しがっているという通報が入り、救急隊員が現場に駆けつけました。突然心臓発作を起こして倒れた男性に対し、隊員はAEDを使って蘇生を試みましたが、何度試してもAEDは作動しませんでした。この日の最低気温は氷点下4度で、AEDの電子部品が寒さでふぐあいを起こしたと見られております。倒れた男性は病院に運ばれ、懸命の措置が施されましたが、残念ながらお亡くなりになられました。

こうしたことを受け、平成26年12月18日に厚生労働省より各都道府県に対し、寒冷な環境下における自動体外式除細動器AEDの適切な管理等について通知され、AEDの管理については製品の保管条件の遵守及び適切な管理の周知徹底をするよう通達がなされております。

自衛隊の冬季氷点下の過酷な環境下での訓練の場においては、隊員の体温で保温し使用しており、スキー場パトロール、山小屋などにおいても保温装置などを使用するなどしてAEDを冷やさない工夫がなされております。また、AEDメーカーにおいても寒冷な環境下に対応した機器の開発が進み、氷点下でも正常に作動する機種が販売されております。

そのような中、上田市においては今回のAED更新に当たり、先月既に機器については入札が行われたところでありますけれども、上田市AED設置業務仕様書の中の機器等仕様については参考機種を2メーカー2機種を参考機種としておりますが、それぞれの機種について設置時の温度基準が、一機種は10度から43度、もう一機種についてはマイナス5度から50度となっており、この2機種の設置時温度基準の最低温度は15度もの開きがあります。今回入札により採用になった機種は10度から43度の設置温度基準のAEDであります。また、現在上田市が設置しているAEDについても同機種のAEDがほとんどであります。

他市町村のAED入札状況を見てみますと、設置温度基準が低い機種ほど金額が高く、今回採用となったAEDについては当然の結果ではないかなと感じるところであります。今回採用となった機種のメーカーにおいても、0度から50度対応の機種があるにもかかわらず、設置基準にこれだけの開きのあるものを参考機種とすることに疑問が残りますし、設置時の温度基準はできる限り低いものを採用するべきと考えるところであります。

そこで、1点目として、上田市AED設置業務仕様書において設置時の対応温度を寒冷対応にしない理由は何か。2点目として、現在の10度から43度の設置温度基準のAEDについて、実際に10度以下あるいは氷点下の環境下になる場合が予測されるが、対策の考えはあるか。3点目として、明らかに低温が予測される設置施設については、上田市AED設置業務仕様書の参考機種を寒冷対応機種に変更すべきと考えますが、設置施設に応じた参考機種の見直しを提案するが、見解はどうか。以上3点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代健康こども未来部長。

〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕

o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)最初に、仕様書における設置時の対応温度についてでございます。AEDはいわゆる自動車の寒冷地仕様のような寒冷地専用の機種は販売されておらず、現状では施設管理者等がAEDを設置した場所のさまざまな状況等を認識の上、厚生労働省及び総務省からの通知等を遵守する中で適切な維持管理を行うことが重要であると考えております。今回の入札で参考機種とした2つの機種は、稼働していないときの環境要件の温度差は議員ご指摘のとおりでございますけれども、動作時での環境要件の温度差は5度と大きな相違はありません。また、今回入札で導入することとなった機種は、現在も多くの施設に設置されておりますが、これまで低温によるふぐあいがあったという報告はないことや、それぞれのメーカーから対応温度を初めその他の機能や特徴についてさまざまな情報を提供していただいた中で総合的に判断して決定をしたものでございます。

次に、現在の仕様書の設置温度基準を下回る場合の対策についてでございます。AEDの待機時の温度基準は外気温ではなく、機器内部の温度が基準となっております。AED本体は専用のキャリングケースに入っておりますので、本体内部の温度は外気温ほど低くはならないと考えております。また、AEDには正常に作動するかを毎日チェックするセルフテスト機能がついておりまして、低温で正常に作動しない場合は警報音が鳴り、周囲に知らせる機能がありますことから、保管条件を遵守し、日ごろから適切な管理を行うことで正常に使用できるものと考えております。加えまして、今回は保守業務も納入業者が行います。これまでも納入業者にはAEDの設置場所に応じて、例えば冬季などに低温になることが懸念される場所に設置している施設管理者に対しては、発泡スチロールの容器に入れて保温するなどの助言をいただいております。今回の設置に当たっても配慮すべき点があればアドバイスや対応をいただき、適切な環境で管理ができるよう努めてまいります。

これまでも申し上げてまいりましたとおり、AEDは適切な管理を行えば低温が予測される施設でも正常に使用できるものと考えております。仕様書の見直しにつきましては現在のところ考えておりませんけれども、今後更新に当たりましては、幅広く寒冷地における事例などの情報収集も行いながらその必要性について検討してまいります。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきましたけれども、1点再質問いたします。

先ほどのご答弁ですと、ふぐあいの報告がないからよい、メーカーに確認をとっているからよいというようなご答弁ございましたけれども、そもそもAED設置業務仕様書を無視した状態、厚生労働省の通達にも反したような状態に聞こえるわけですけれども、AED設置業務仕様書とそぐわない状況、厚生労働省の通達にも反している状況非常に問題だと思うのですが、この辺についてもう一度見解をいただきたいと思います。

o 議長(土屋 陽一君)神代健康こども未来部長。

〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕

o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)再質問いただきました。通達等に反しているという認識では業務のほうは行っておりませんで、さまざまな条件等を踏まえまして適切にきちんと管理をしていく中できちんとした対応ができるものというふうに認識をした上で今回入札をさせていただきましたので、ご指摘いただきました部分につきましては、今後の更新の中でまた検討させていただいて、十分留意してまいりたいと思います。よろしくお願いします。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)ご答弁をいただきましたけれども、非常に、本当にまれにしか使わない機械でございますけれども、万が一の命を救える大切な機器でございます。どうか設置仕様書のほうについても今後検討をいただきたいと思います。

次に、民間との協力について質問いたします。先ほども申し上げたとおり、AEDは温度環境により正常に作動しない可能性があり、先ほどは寒冷な環境下における動作不良でありましたが、一方直射日光の影響や温度自身が高いことにより温暖な環境下において作動しない可能性も考えられます。沖縄県などについては寒冷な環境の心配はありませんが、温暖な環境下での動作不良が考えられます。沖縄県の一部の市町村については、この対策としてコンビニエンスストアに協力を求め、365日24時間営業し、温度が安定しているコンビニエンスストア内に設置をしています。このことによりAEDの普及が図られるとともに、空調設備の備わった安定した設置温度基準内の温度下にAEDを設置することが可能となりました。

そこで、1点目として、上田市では民間と協力して民間施設にAEDを設置している実績がありませんが、コンビニエンスストアなどの民間のAEDにとって環境のよい施設に対しAEDの設置協力を推進することを提案しますが、見解はどうか。

2点目として、上田市はAEDについての民間との連携について、AED設置者の電子登録を行っておりますが、設置登録者に対しAED表示板、誘導板の提供を提案いたしますが、見解はどうか。AED設置者の電子登録については、地域の住民の方や救急医療にかかわる機関等があらかじめ地域のAEDの設置場所を知っておくことが大切であるということから実施されているものであります。非常に評価できる取り組みでありますけれども、加えて表示板、誘導板の設置により、地域住民が現場の表示を常に目にすることで認識を深め、設置場所の近くで必要となった際にも非常に有効であると思われます。

以上2点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代健康こども未来部長。

〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕

o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)最初に、民間の施設に対しての設置協力の推進に対する考えでございます。市ではAEDの設置、普及等に関してこれまで、まずはAEDの公共施設への設置数をふやしていくこと、また設置場所を知っていただくこと、またいざというときに使用できるための講習を実施することなどを中心に取り組んでまいりました。民間連携といたしましては、ご紹介いただきましたAED設置者の電子登録がございます。この電子登録はインターネットによりAEDの設置場所を登録していただくものでございまして、緊急時においては広域消防通信指令装置の地図検索装置で瞬時に設置場所を確認することが可能となります。今後AEDを効果的かつ効率的に配備していくためには、ご指摘の民間事業者との連携は重要な視点であると考えております。

しかしながら、AED設置は義務づけられているものではないことから、これまでも民間事業者の自主的な判断で設置が進められてきた経過がありまして、設置に係る民間連携は運用面も含めて今後の課題であると受けとめております。市といたしましては、今後も引き続き機会を捉え電子登録への参加を呼びかけるとともに、市民や民間事業者等からの講習の要望があれば積極的に取り組んでまいります。議員ご提案のコンビニエンスストアなどの民間施設への設置協力につきましては、先進事例も参考にしながら、消防部とも連携して研究してまいります。

次に、設置登録者に対しAEDの表示板や誘導板等の提供をする考えについてでございます。電子登録につきましては、事業者等の自主的な協力により登録をいただいているものでありまして、全ての施設が登録されているわけではございません。AEDの表示板、誘導板についても自主的な設置をお願いしており、設置登録者に対しAEDの表示板、誘導板を提供することにつきましては現時点では考えておりませんが、今後の検討課題とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁いただきました。上田市が設置するAEDは設置などについては、先ほどからご答弁いただいている部長の管轄である健康こども未来部健康推進課の担当、AEDの緊急な利用、設置場所の管理などについては消防部消防警防課の担当と、担当が2つにまたがっております。今回質問させていただく際にいろいろ事前に調査する中で、やはりこれ2つの課にまたがっているということで、なかなか管理などに明確でない部分がございました。今回の更新を契機に管理が向上されるよう期待いたします。何より命が救える環境が整備されることを期待いたします。

次に、フードバンクの推進について質問してまいります。フードバンクとは、個人が消費し切れなかった食品や十分に安全に食べられるのにパッケージ不良や形状が規格外であるなどの理由で販売できず企業が破棄してしまう食品を寄附してもらい、必要としている人や施設、団体に無償で提供する活動です。アメリカにおいては50年ほど前から行われている活動ですが、近年日本においても広がりを見せているところであります。

長野県においても特定非営利活動法人フードバンク信州が中心となり、長野県内にも広がりを見せ始めております。こうした食品を寄附する活動をフードドライブと呼びますが、上田市においてもことし6月から特定非営利活動法人フードバンク信州と社会福祉法人上田明照会が共同でフードドライブを県内で3カ所目として開始され、毎月1回実施されております。平成25年度推計では、日本の1年間の食品ロスは632万トン、そのうち302万トンが家庭から排出されていると推計されております。フードバンクの取り組みはこれらを削減するための取り組みとなり、30・10運動を推進する上田市においても30・10運動とともに推進していくべきと考えるところであります。

本年6月定例会において半田議員から廃棄物削減の観点からフードバンクについて一部触れられ、廃棄物の削減効果については期待できるとのご答弁がございましたが、もう一つのフードバンクの目的であるこの食品を必要とされている方に届ける活動についても非常に重要な取り組みと考えるところであります。自立支援のきっかけにもなり得る活動でもあり、生活困窮者自立支援の観点からも市として推進し、かかわるべき活動であると考えます。

そこで、1点目として、生活困窮者自立支援としての有効性についてどのように捉えているか。2点目として、生活困窮者自立支援としての推進の見解はどうか。以上2点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)櫻田福祉部長。

〔福祉部長 櫻田 幸士君登壇〕

o 福祉部長(櫻田 幸士君)生活困窮者自立支援としてのフードバンクの有効性についてのご質問でございます。生活困窮者に対しましては、生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るため、平成27年4月に生活困窮者自立支援法が施行され、上田市では生活困窮者への施策をこの法に基づいて展開しております。就労、その他自立に関する相談支援などを行う自立相談支援事業につきましては、この運営を上田市社会福祉協議会に委託し、上田市生活就労支援センター「まいさぽ上田」の名称で実施しております。この「まいさぽ上田」では、相談支援等を行っている方のうち食料支援を必要とする相談者に、議員ご紹介ありましたNPO法人フードバンク信州等が行っているフードドライブで提供され、社会福祉法人上田明照会がこの事業に基づきまして保存している米や缶詰などの中から10日分程度を1回分として援助を行っております。

食料が必要な方への支援は、これまでも市は福祉課において生活相談の中の支援策の一つといたしまして主に米を支給してまいりました。民間におきましては、反貧困陽だまりネット等で行われておりますが、最近になりまして食品ロスの観点からこのフードバンクが注目され、フードバンクの活動により集められた食料が生活困窮者に届けられるという流れができ始めてきたところでございます。「まいさぽ上田」における相談者のうち食料支援を行った方は実人数で、平成26年度は14人、平成27年度は28人、平成28年度につきましては、これは全てフードバンクによる食料支援となっておりますが、8月末で既に28人が支援を受けております。こうした支援を必要とする方が増加している状況からも、フードバンクにつきましては、民間による生活困窮者への支援策として有効な活動と考えております。

次に、生活困窮者自立支援としての位置づけでございます。「まいさぽ上田」を通じて行っている食料支援はフードバンクを活用しておりますが、このフードバンク自体は生活困窮者自立支援法に基づく支援ではなく、また緊急時の短期的な支援策でもございまして、生活困窮者の生活を根本から改善するものではないと捉えております。市といたしましては、法に基づく施策の中心は就労支援や住居確保等であるため、このフードバンクにつきましては、現段階におきましては民間による生活困窮者に対する大切な支援策の一つと捉え、見守ってまいりたいと考えております。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)次に、フードドライブの取り組みとして、市としてのかかわりについて質問をいたします。

上田市より先行して実施されている長野市、松本市については、フードドライブの会場として市の施設を開放し、長野市においては市職員を対象としたフードドライブを実施、松本市においてはフードドライブをNPO法人と共催するなど、フードドライブへの取り組みが急速に進んでおります。

そこで、まず1点目として、市の施設の開放、NPO法人との共催についての市の見解はどうか。2点目として、食品の確保については企業からの安定した寄附を確保することが重要であり、上田市としてこの部分を重要視することが重要であり、企業への働きかけとして商工団体との連携を早急に推進する必要が高いと考えますが、見解はどうか。3点目として、災害用備蓄食品の更新時にフードバンクの食品として利用できないか。以上3点をお尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)櫻田福祉部長。

〔福祉部長 櫻田 幸士君登壇〕

o 福祉部長(櫻田 幸士君)市のかかわりとして市の施設の開放やNPO法人との共催について市の見解はとのご質問でございます。ご紹介にもございました、フードドライブは家庭や企業で余っている一定の消費期限前の食品を指定された場所に持ち寄り、それらをまとめて福祉団体や施設、一時的に生活が困窮している方を把握しているフードバンク等に寄附する活動でございますが、本来的には生活困窮者等への食料支援を目的とした民間が主体となった支援活動であり、その実施主体により収集する範囲や提供する対象はさまざまなケースが考えられるところでございます。これらの活動は現在のところ上田市におきましては、ご指摘のとおり、この6月からNPO法人と社会福祉法人の連携による民間活動として定期的に行われておりますが、ご質問の市の施設の開放やこれらNPO法人と市との共催につきましては、これまで事業を運営しております法人側からの要望等はございませんが、今後の活動の状況を見守る中で、必要とされる行政の関与、支援につきましては、これらNPO法人等の意向をお伺いする中で検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

次に、商工団体との連携でございますが、食品メーカーや卸小売店での食品ロスには、新商品販売や規格変更に合わせて店頭から撤去された食品、食品流通業界独自の商慣習による販売期限切れ食品等の返品、欠品を防止するために、保有するうち期限切れなどで販売できなくなった在庫、製造過程での印刷ミス、流通過程での汚損、破損などの規格外品があるようでございます。このように発生する食品ロスは廃棄されるほか、飼料、肥料、エネルギー等に再利用され、また食品の品質には問題ないものの、通常販売が困難になった一部をNPO等が取り組むフードバンクに無償提供する活動も進められております。

こうした中、県内で活動されているNPO法人フードバンク信州によりますと、現在フードバンクの趣旨に賛同した企業のご協力により食品の寄贈に関する協定を結んでいる食品メーカーは8社あるとのことですが、今後の安定的な食品の確保が課題であるともお聞きしております。企業側にとりましては、フードバンクに食品を提供した後に発生する食品等のリスクやブランドイメージの保持などの点から慎重な姿勢もあるようでございますが、今後市といたしましても食品ロスの削減と生活困窮者支援の観点から、NPO等によるフードバンクの活動にご理解とご協力をいただくよう、商工団体等を通じた周知等の広報に努めてまいりたいと考えております。

次に、災害用備蓄食品につきまして、市ではアルファ米の御飯とおかゆ、クラッカー及びペットボトル入りの飲料水を市内16カ所に設置している備蓄倉庫等で備蓄しております。この備蓄食品は保存期間が5年となっているため毎年5分の1くらいずつ更新しておりますが、これは廃棄をせずに、保存期限が切れる前に上田市の防災訓練や自主防災組織で取り組んでいただいている防災訓練の参加者、防災に係る出前講座等の参加者の皆様に提供するなど、防災意識の啓発のために全て活用しておりまして、現在のところ提供できるものはございません。

以上3点につきまして私から一括して答弁申し上げました。よろしくお願いいたします。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)フードバンク、フードドライブのかかわりについては、市がそのかかわり非常に難しい問題だと思います。市が全てかかわればよいというものでもございませんし、現在民間で取り組まれている団体の皆さんの力を大いにかりるべきだと私も考えるところであります。ただ、今後さらなるかかわり方について見識をぜひ深めていただきたいと思います。

次に、フードバンクについてはまだまだ知名度が低く、これを上田市民の皆さんに周知していくことは市として行うべき取り組みであると考えます。そこで、市としてフードバンクの取り組みやフードドライブの実施状況をさまざまな形で広報していくべきと考えますが、1点目として、上田市での知名度向上についての見解はどうか。2点目として、広報の取り組みについての見解はどうかお尋ねし、私の最後の質問といたします。

o 議長(土屋 陽一君)櫻田福祉部長。

〔福祉部長 櫻田 幸士君登壇〕

o 福祉部長(櫻田 幸士君)フードバンク等の知名度向上についてでございます。ことしの6月から社会福祉法人等が行っておられます、毎月行っておられますフードドライブでは毎回5人から6人ほどの市民から提供がある状況にとどまっているとお聞きしております。現状では広く知られていない状況であると考えております。フードバンクにつきましては、食品ロスの削減を推進する中で、議員ご指摘のとおり、現状として家庭で発生している食品の廃棄を食品として生かしていこうというものが主でありまして、これは生活困窮者等の支援を前提とした活動でもございまして、食品ロス削減につながるものと認識しております。今後食品ロス削減に向けまして、消費期限や賞味期限等の消費者への正しい理解とともに、フードバンク等の活動の意義、取り組みにつきましても知名度向上のため広く周知してまいりたいと考えております。

次に、広報の取り組みについてでございます。これを広く周知するためには、広報紙、インターネット、現在市として行っている媒体を使って繰り返しお知らせすることが必要と考えておりますが、環境行政、消費者行政、福祉行政等に関係する団体の皆様への周知や協力を働きかけていくことも大変効果的であると考えております。

この10月に上田創造館で開催いたしますうえだ環境フェア消費生活展において、行政側の食品ロス削減の周知に加えまして、NPO法人を実施主体とするフードドライブが行われる予定でございます。このように各種イベントの際に市民や団体への周知と同時に、実際に食料を提供してもらう活動が行われることで知名度の向上にもつながるものと考えております。今後このような取り組みを行う中で、フードバンク、フードドライブへの活動の理解、参加が進むよう、知名度向上にも努めてまいりたいと考えております。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員の質問が終了しました。

上田城跡公園児童遊園地リニューアル

小さなお子さんのいらっしゃるお母さん方から、議員就任以来、こどもたちが楽しく、安全に遊べる公園が市内に欲しいとの要望を多くお聞きしておりました。まずは、老朽化した上田城跡公園を再生できないか検討してきた結果、本年度での上田城跡公園のリニューアルが決定しました。所属環境建設委員会で審議し、平成28年9月定例会においてリニューアルのための予算を補正予算として可決しました。

事業費   7,200万円(内国補助が3,600万円)

改築・更新する施設

コンビネーション遊具(新設)%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%93%e3%83%8d%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e9%81%8a%e5%85%b7%e5%ae%8c%e6%88%90%e4%ba%88%e6%83%b3%e5%9b%b3

築山(現在の場所で改築)

パーゴラ(藤棚)(藤の木は残し新設)

動物舎(死角をなくすなど安全に配慮し集約新設)

昨年度に更新済の遊具 

複合ブランコ(1基)シーソー(1基)3間低鉄棒(1基)

工事期間 平成29年1月~3月(予定)  

完成 平成29年3月末(予定)

児童遊園地配置図

 

 

上田市議会平成28年9月定例会初日

上田市議会平成28年9月定例会が9月5日開会(10月4日まで会期30日)。市長提案説明が行われ、条例改正、決算認定、補正予算、合わせて17議案が提出されました。市長提案説明については以下の通りです。

はじめに

本日ここに、平成28年9月市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

天皇皇后両陛下の行幸啓

はじめに、天皇皇后両陛下の長野県への行幸(ぎょうこう)啓(けい)について申し上げます。
天皇皇后両陛下におかれましては、先月20日、御静養のため長野県に入られ、上田市に御訪問いただきました。当日は、上田駅で1,000人を超す市民の皆様とともに両陛下をお出迎えでき、誠に喜ばしく感じたところであります。
また、本年6月に開催された全国植樹祭の際にも、土屋議長ともども両陛下と御歓談させていただき、再び、このような機会に恵まれ、大変感慨深いものでありました。
20日、23日と2日間にわたって、両陛下に蚕都上田の栄華を今に伝える、重要な文化財である「信州大学繊維学部資料館」と「旧常田館製糸場施設」を御視察いただきましたことは、この上なく光栄なことであり、全国に誇る近代遺産を有する上田市を多くの皆様に知っていただけたものと捉えております。

豪雨災害の状況と防災対策

さて、8月に入ってから大気の状態が非常に不安定となる中、上田市におきましては、先月18日に東北信を中心に襲った大雨により災害が発生いたしました。更に、先週、台風第10号に伴う東北地方を中心とした記録的な豪雨によって、岩手県や北海道の各地で河川の氾濫や堤防が決壊し、死者・行方不明者が多数発生するなど、甚大な被害となりました。犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、それぞれの災害により被害を受けられた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
また、市内自治会や消防団、防災支援協会など、災害対応に御協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます。
18日の大雨では、丸子地域において降り始めからの総雨量が157.5ミリを記録したことをはじめ、市内6か所の観測点で100ミリを超えました。こうした状況の中、上田市に土砂災害警戒情報が発表され、災害の発生する危険度が高まったことから、上田、丸子、真田地域の32自治会、1万3,800世帯余りに対し、市としては初めてとなる避難準備情報を発表し、市民の安全確保や生活への影響を最小限にとどめることを最優先とした対応に努めてまいりました。
幸いにして人的被害こそありませんでしたが、住家等への浸水や土砂の流入が発生したほか、公共土木施設や農業用施設等への被害は、丸子地域や上田地域の東塩田地区を中心に250か所を超え、通行規制は国道254号小屋坂トンネル付近をはじめ、8路線において行われました。
現在、この大雨による被害に迅速に対応するため、災害復旧に係る経費を取りまとめており、今定例会に新たな補正予算の追加提案を検討しております。
今後につきましても、関係機関や地元関係者と連携を図りながら、被災箇所の一刻も早い復旧に向け、鋭意取り組んでまいります。

一方、市では、国が新たに公表した、想定し得る最大規模の降雨に対する千曲川の浸水想定区域等をまとめた「千曲川洪水ハザードマップ」を作成し、9月1日号の広報うえだとともに、市民の皆様に配布いたしました。身近な危険箇所を把握し、迅速な避難行動の判断材料として活用をお願いするものであり、防災・減災対策に当たっては、地域の特性を踏まえた、幅広く多様な取組が必要となります。
防災意識の高揚と地域防災力の向上、災害時に即応できる防災・減災体制の構築などを目的とし、一昨日、「上田市防災訓練」を実施いたしました。
昨年は、当日の大雨警報により中止となったことから、本年は熊本地震を踏まえ、改めて「市民が自ら考え、行動する訓練」を基本に据え、防災関係機関と市が連携した「公助」の訓練を組み合わせた総合型の訓練を行いました。
市内4地域を重点地区として、「自助・共助」を意識した自主防災組織による非常参集・伝達訓練、避難場所運営訓練のほか、土砂災害を考慮した訓練を実施するなど、地域防災の課題を見据えた訓練に取り組むとともに、丸子北中学校を会場とした実動訓練では、ドローンを使った被害状況調査・把握訓練をはじめ、防災行政無線等を活用した情報収集・伝達訓練や、現地災害対策本部設置訓練等を行いました。
更に、新たな取組として獣医師会や動物愛護会の協力を得て、ペット同行避難訓練や、会場内では初となる自主参加型の一斉防災訓練「シェイクアウト」を実施するなど、総勢1,000人を超える市民の皆様に御参加をいただきました。
今回の訓練で得られた課題を検証しながら、いつ起こるとも知れない大規模災害に備え、今後も市民の皆様や防災関係機関と連携して地域防災力の一層の向上に取り組んでまいります。

合併10周年記念式典

次に、「合併10周年記念式典」について申し上げます。
平成18年3月の市町村合併により誕生した新生上田市は、各地域の個性と魅力をしっかり受け継ぎながら、上田新時代の創造に向け、これまでの間、着実な歩みを進めてまいりました。
こうした中、更なる市民の一体感の醸成を進めていく上での節目といたしまして、去る6月25日、サントミューゼ大ホールにおいて、「合併10周年記念式典」を挙行いたしました。国会議員をはじめ、姉妹都市や関係自治体などから御来賓をお招きするとともに、自治会や地域協議会、関係団体など多くの市民の皆様に御列席いただき、盛大に祝うことができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

また、式典では、合併後、各地域において地域協議会委員を3期にわたり務められ、地域内分権の推進に御尽力をいただいた98名の皆様に感謝状を贈呈いたしました。
式典後のアトラクションでは、高校生による吹奏楽演奏と小学生による合唱が披露され、上田市の未来を担う子どもたちの感動的なパフォーマンスに対して、来場された皆様からお褒めの言葉をいただくなど、子どもたちが「ふるさと上田」に誇りと愛着を持ってもらう素晴らしい機会となったものと感じております。
次なる10年に向けた、新たなる一歩を踏み出すことができ、今後も上田市の更なる発展を目指し、市民の皆様と一丸となり協働によるまちづくりを進めてまいります。

大河ドラマ「真田丸」に係る取組

次に、大河ドラマ「真田丸」につきましては、現在、ドラマの舞台が大阪へ移り、真田信繁公が豊臣秀吉、徳川家康などの名立たる大名との駆け引きの中で、真田家の誇りを持ち、動乱の時代を生き抜いていく姿が放送されております。今後は、いよいよ「第二次上田合戦」「関ヶ原の戦い」と佳境に入り、真田一族がどのように描かれるのか、ますます期待が高まるところであります。
「信州上田真田丸大河ドラマ館」におきましては、これまでの間、一日平均2,500人を超えるお客様に訪れていただいており、7月末には当初の年間目標であった、入館者50万人を半年余りで早くも達成いたしました。こうした当初の予想をはるかに超えるペースで御来館いただいている状況から、入館者数の新たな目標を、平成20年以降に設けられた大河ドラマ館で最も多かった鹿児島市の「篤姫」が記録した67万人を上回る「70万人」として取り組んでおり、お盆を含む8月11日から16日の6日間においては、入館者が約3万人に上り、先月28日には既に60万人を突破いたしました。
これもひとえに、全国からお越しいただいた大河ドラマファン、歴史ファン、そして信州上田ファンの皆様のおかげであるとともに、市民の皆様が「おもてなしの心」を持ってお迎えいただいている成果であると実感しております。
また、市議会におかれましても、全国の議会関係者による市内宿泊を伴う行政視察が増加するよう取り組まれ、1月からこれまでの間、45組の皆様にお越しいただいているとお聞きしており、こうした効果もあるものと捉えております。
市ではドラマ館の入館者50万人の達成を記念いたしまして、市民限定の特別割引を10月31日まで行っており、7月末に展示内容を大坂編にリニューアルしたことも併せまして、市民の皆様には二度、三度と訪れていただき、真田丸の世界の魅力を一層感じていただきたいと考えております。
1月の大河ドラマ放送開始から間もなく8か月が経過する中、夏の行楽シーズンでは、個人や家族などのグループのお客様が多く見受けられ、中心市街地の観光案内所「まちなか情報いいね館」においては、先月、入館者数が年間目標の2万人に達し、まち中の散策にも結びついており、特に、お盆中は飲食店や土産品店を中心に観光客で賑わうなど、真田丸による経済効果は大きいものと捉えております。
また、今月22日から猿飛佐助など真田十勇士の活躍を描いた、映画「真田十勇士」の全国公開に併せ、真田十勇士ガーデンプレイスと池波正太郎真田太平記館において、特別展を開催しており、引き続き、中心市街地への回遊策に取り組んでまいります。
博物館と櫓門におきましては、1月から8月末までの入館者が合わせて約40万人に上り、真田氏歴史館でも10万人を超え、いずれも昨年の約4倍となる状況であります。更に、真田氏ゆかりの地の観光と併せた丸子温泉郷への宿泊も昨年より増加しているとお聞きしており、地域の特色を活かした特別企画展を開催している、武石ともしび博物館の入館者も3割増加するなど、その効果は地域全体に波及しております。
一方、市立美術館で7月2日から8月21日まで開催いたしました、真田一族ゆかりの名宝・文化財を集めた学術的な「NHK大河ドラマ特別展『真田丸』」につきましても、全国から約2万3,000人に上るお客様にお越しいただき、関連イベントとして、記念講演会のほか、「花押」や「家紋」を扱った歴史のワークショップなど、盛りだくさんのメニューを提供することで、多くの皆様に楽しんでいただけたものと捉えております。
今後につきましても、今週8日に大河ドラマの真田昌幸役の草刈正雄さんと石田三成役の山本耕史さんをお迎えし「智将トーク・プレミアムin信州真田」をサントミューゼにおいて開催するなど、真田丸イヤーに相応しいイベントと信州上田の季節ごとの魅力を更にPRしながら、より一層の努力を払い、多くのお客様を全国からお迎えし、地域の活性化につなげてまいります。

 地域の魅力アップとスポーツ振興に向けた取組

次に、地域の魅力アップとスポーツ振興に向けた取組について申し上げます。
地域の元気を発信して、明日への活力を生み出す夏まつりが、今年も市内各地域で盛大に開催されました。
今年で45回目となる「上田わっしょい」は、132連、約1万人の参加者となり、本年は真田氏の赤備えにならい、ドレスコードとして赤いものを身に付けて参加していただき、参加連と観客の皆様が一体となった「市民総参加、総和楽」を実現することができました。
天候にも恵まれた「信州上田大花火大会」につきましても、地元企業の皆様から多大な協賛をいただく中、上田の夏の夜空に輝く約1万発の花火が打ち上げられ、今年も東日本大震災で被災し、市内に避難されている皆様をお招きするとともに、姉妹都市の九度山町やコロラド州ブルームフィールド市郡の皆様、更には堤防道路を埋め尽くす多くの市民の皆様に、夏の一夜を堪能していただけたものと感じております。
今後につきましては、恒例の上田城紅葉まつりにおいて、10月に「グルメの部」として、北は北海道から南は沖縄までのご当地やきとりが集結する「全国やきとリンピック」が開催され、11月には「イベントの部」として、秋の上田の魅力を存分に満喫いただける企画により、市民力を活かした賑わいの創出に努めてまいります。

さて、昭和51年にスイスダボス町と旧真田町が姉妹都市提携を結び、今年で40周年の節目の年を迎えたことから、来月11日にダボス町より町長を上田にお迎えし、記念式典・歓迎レセプションを開催いたします。式典には駐日スイス大使館からも御臨席を賜り、同町との交流事業を通じて両都市の絆を更に深めてまいります。
こうしたダボス町をはじめとした、海外の関係都市等との良好な関係を発展させることは、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致に向け、重要な取組であるとともに、菅平高原の魅力を世界に発信する大きなチャンスと捉えております。
メダルラッシュに沸いた日本選手団の素晴らしい活躍で幕を閉じたリオ・オリンピックですが、長野県出身の3選手も見事にメダルを獲得され、県民に大きな喜びと感動を与えていただきました。いよいよ4年後の東京に向け、カウントダウンが始まります。長年にわたりスポーツの合宿地として様々な競技の選手を受け入れてきた菅平高原には、リオ・オリンピック競泳200メートル平泳ぎの金メダリスト金藤理絵選手をはじめ、これまでも多くのオリンピック出場選手が練習のため訪れており、こうした一流選手の育成・強化にも適した冷涼な高地を持つ上田市の優位性をアピールし、併せて東御市や小諸市等との高地トレーニング連携も視野に、キャンプ地誘致に向けたプロモーション活動を積極的に推進してまいります。

一方、生涯スポーツの推進と「健幸都市うえだ」の実現を目指し、あらゆる年代において、体を動かすことの魅力と大切さを感じていただくため、市では各種スポーツ大会や教室を実施しております。
今年で30回目となる「上田古戦場ハーフマラソン」につきましては、記念大会としてロンドンオリンピック女子マラソン日本代表の尾崎好美選手をゲストランナーに迎え、10月2日に開催いたします。上田原古戦場を主会場とした歴史文化の息吹も感じられる本大会には、県外からも多くの参加者にお越しいただいております。
このほかにも、市内各地域でスポーツに適した気候や豊かな自然などの恵まれた環境を活かし各種大会等が実施されており、今後も地域の魅力を全国に発信できるスポーツイベントとして取り組んでまいります。また、こうした世界や全国の舞台で活躍したスポーツ選手に触れる機会を提供するとともに、スポーツ団体や学校などの関係機関との連携により、トップアスリートを育成するための環境づくりにも努めてまいります。

経済情勢

続いて、直面する課題等について順次申し上げてまいります。
我が国の経済情勢につきましては、内閣府が発表した8月の月例経済報告によりますと、「景気は、このところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」として、基調判断を据え置いております。また、先行きについては、「緩やかに回復に向かうことが期待される」とする一方で、中国をはじめとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがあるとしております。
こうした情勢のもと、国は、「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定し、対策の一部を盛り込んだ今年度の第2次補正予算案を秋の臨時国会に提出する方針としており、また、国の平成29年度予算編成についても、各省庁が予算要求する際のルールとなる概算要求基準も閣議了解されました。先月末には、この基準に沿った要求が各省庁から提出され、今後、新年度予算編成に向けた動きが本格化していくこととなりますが、市といたしましても、地方の安定的な財政運営に必要な財源が引き続き確保されるよう、国の動向を注視しながら、社会経済情勢の変化に伴う経済対策等、遅滞のない機動的な予算編成を行ってまいります。

 次世代産業の創出に向けた取組

次に、東信州エリア広域連携による次世代成長産業の創出に向けた取組について申し上げます。
千曲川工業ベルト地帯におけるものづくりの技術力の集積、信州大学繊維学部の軽量新素材等の研究シーズ、産学官連携を担うARECの実績といった地域の強みを活かした「ものづくりのイノベーション」に向け、去る7月5日に関係10市町村による連携組織として「東信州次世代産業振興協議会」を設立し、取組をスタートいたしました。
第1回協議会では、発起人の一人である私を会長に選出いただき、事業の推進主体としてARECに機能を置く「イノベーションセンター」の段階的な人員体制の拡充や取組の方向性について確認したところであり、他に例のない広域自治体連携による産業支援の取組として注目を集めているところです。
今年度は、「県の元気づくり支援金」や「地方創生推進交付金」を活用し、RESASなどによる産業分析のほか、企業の人材育成、技術展示会などに取り組む予定であり、今後も広域的なスケールメリットを最大限に活かし、産業界、大学等との連携を図りながら、新たな産業づくりを推進してまいります。

 地方創生と「学園都市づくり」に対する取組

次に、地方創生と「学園都市づくり」に対する取組について申し上げます。
今年度、国に申請しておりました、地方創生の深化に向けて、市町村の自主的・主体的な取組を支援する「地方創生推進交付金」について、しごと創生を目指す「産官学金連携を核にしたものづくり産業の競争力強化事業」と、地方への人の流れを呼び込む「住み良い街魅力アップ支援事業」が採択され、交付決定されました。
また、創業促進及び企業誘致にかかる補助金と、UIJターンや若者などの定住就職支援に係る経費の一部など、交付対象外となったものにつきましても、地方創生の流れを止めることのないよう、事業の推進に努めてまいります。
一方、国は、外部の専門家による地方創生事業の効果・検証の実施を求めており、市では、「地方創生先行型交付金」などの対象となった23事業について、産業界、大学、金融機関、行政機関などから選出した外部委員による「上田市総合戦略推進協議会」を先月2日に開催いたしました。今後は、この結果を踏まえ、事業に対する適切な重要業績評価指標、いわゆるKPIを設定するとともに、引き続き自己評価と外部委員による効果・検証を行ってまいります。
また、総務省においては、地域活性化の取組にノウハウを有する外部専門家を招へいするための経費について、市町村に対し支援を行っており、市では本制度を武石地域のまちづくりに活用することとし、地域の特性を活かした創意工夫による「上田市創生」に向けて、地域住民、外部専門家及び行政が連携した取組を進めてまいります。

さて、「学園都市づくり」に向けた取組につきましては、市内の4大学が連携して事業を推進する「まちなかキャンパスうえだ」が、去る7月15日に海野町の空き店舗を改装しオープンいたしました。
このキャンパスは、地域と大学を結ぶ連携拠点であり、地域住民と学生の共同活動によって地域の課題を克服し、まちに賑わいと交流を創出する役割を担っております。
各大学の特色を活かし、市民の皆様を対象とした講座なども始まっており、「大学の知恵」や「学生の柔軟な考え方」をまちづくりに活用していけるよう、今後も「学園都市づくり」を積極的に推進してまいります。
長野大学の公立大学法人化の取組につきましては、本年2月、大学において、学外委員も含めた「長野大学改革検討委員会」を設置し、公立大学法人化に向けた大学改革を鋭意進めており、このほど中間報告として長野学園理事長に、大学の学部・学科の再編案など、検討結果の第一次答申を行いました。
また、今年度大学が開催した3回のオープンキャンパスには、県内外から高校生が訪れ、前年に比べ参加者数が大幅に伸びていると報告を受けており、受験生に対しても、公立化に向けた取組の影響が出始めていると考えております。

 定住自立圏の取組

次に、上田地域定住自立圏の取組について申し上げます。
平成23年7月に上田市を中心市とする上田地域定住自立圏を形成して以降、群馬県嬬恋村も加わり、6市町村との協定を締結し、「上田地域定住自立圏共生ビジョン」に掲げる取組の推進に向け、住民サービスの一層の向上に努めてまいりました。
こうした状況の中、今年度末をもって現在の共生ビジョンの計画期間が終了することから、平成29年度より5年間の取組内容を定める次期共生ビジョンを策定してまいります。現在、構成市町村により、本共生ビジョンの各事業について、必要性、効率性及び有効性の視点などから検証を進めており、各市町村の総合計画や総合戦略の施策も踏まえながら、これまで以上に幅広い連携事業の充実を図ってまいります。

 サントミューゼの事業展開

 次に、「サントミューゼ」交流文化芸術センター・市立美術館について申し上げます。
交流文化芸術センターでは、7月に全国の公共ホールに携わるスタッフの研修会として、一般財団法人地域創造主催の「ステージラボ・上田セッション」が開催され、全国の公共ホールスタッフと交流を深めるとともに、サントミューゼの特色ある事業展開の効果的な発信につなげることができたものと捉えております。
8月5日、7日には、「劇団☆新感線」による大型演劇が、全国での本公演に先立ち、プレビュー公演として上演され、舞台美術や照明、音響の制作、更には出演者の稽古など、100人を超す出演者やスタッフが14日間にわたり上田に滞在して作り上げたことから、開催された3公演が全て満席となったことに併せまして、宿泊や飲食などに大きな経済効果がもたらされたものと感じております。
また、サントミューゼでは初めてとなる他都市との交流演奏会が、群馬県太田市の「おおた芸術学校」の子どもたちと市内小・中学生との間で行われ、ホールに響きわたる美しい音色で会場は大いに盛り上がりました。今回の演奏会を契機として、12月に太田市で開催される音楽イベントに西内小学校金管バンドが招待されることになり、今後もこうした交流が継続されることを期待するものであります。
更に、長野県や松本市等との連携による「セイジ・オザワ・マツモト・フェスティバル」のスクリーンコンサートのほか、長野県が県内の文化創造活動を活発化するために設置した、4名からなる長野県芸術監督団によって「芸術監督団スターティング・シリーズin上田」が3日間にわたって開催され、長野県の文化芸術の未来を語るシンポジウムや、交流芝生広場の屋外特設会場で演劇公演「フライング・シアター」が上演されました。市といたしまして、かねてより県に、更なる長野県の魅力と県民満足度の向上には、文化・芸術行政の推進が必要であることを提言してきただけに、このような新たな事業の展開により、市町村連携を通じた長野県の文化創造活動の未来へ繋がる第一歩を、上田市からスタートすることができ、喜ばしく受け止めております。
市立美術館におきましても、「子どもアトリエ」における夏休み特別アート教室など、創作活動を通じての利用も盛況であり、今後とも育成を基本理念とした事業を一層充実させ、文化芸術の振興とまちの賑わいを創出してまいります。

 循環型社会の構築

 次に、循環型社会の構築に向けた取組について申し上げます。
上田市及び上田地域広域連合の重要課題のひとつであります資源循環型施設の建設に向けた取組につきましては、これまでの間、施設建設候補地周辺の地域の皆様との合意形成を最優先に考え、意見交換会や懇談会などを通じて、資源循環型施設建設対策連絡会の皆様と話し合いを重ね、様々な御意見等をいただいてまいりました。
去る6月23日には、対策連絡会を構成する8団体のうちの6団体の皆様と懇談会を開催し、上田市のごみ減量化の取組と、施設周辺の振興策のひとつの案として、総合的な福祉施設の建設を中心とした考え方を説明させていただきました。この地域の振興策につきましては、今後、地域の皆様と広く意見交換を重ねながら検討してまいります。
現在、対策連絡会では、地元としての意見等をまとめるべく、それぞれの立場で話し合いを進めていただいておりますが、既存施設の今後の維持管理等を踏まえますと広域連合として、早期に環境アセスメントなどの基礎調査に着手し、候補地としての適性を判断したいとの意向であると伺っております。
今後も地域の皆様に対する説明会等の開催に御理解と御協力をいただけるよう、信頼関係の構築を最優先に取り組んでまいります。
また、ごみの減量化・再資源化につきましては、今年度から新たに食品ロスの削減に向け「残さず食べよう!30(さんまる)・10(いちまる)運動」など、生ごみの発生の抑制に取り組んでおり、併せて、今月から受付を開始した「生ごみ出しません袋」の導入により、生ごみの自家処理も更に推進してまいりますので、引き続き、市民の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。

 健康づくりの取組

 次に、健康づくりについて申し上げます。
市では、「健康幸せづくりプロジェクト事業」の柱となる「健康づくりチャレンジポイント制度」の新たな対象事業として、6月から市内4か所で「~朝から健幸~ あたま・からだ元気体操」を実施しており、開始から3か月間で延べ2,513人の市民の皆様に御参加をいただきました。
この体操をきっかけとして、運動の習慣化や地域コミュニティの活性化も期待されるところであり、引き続き、健康推進委員やスポーツ推進委員等の皆様の協力も得ながら、市民が健康で幸福に暮らせるまちを目指し、各種事業を推進してまいります。
また、昨年度に実施した「産前・産後の母親支援に関するアンケート調査」の御意見を踏まえ、「子育てママリフレッシュ事業」を実施してまいります。相染閣を利用した託児付きのフィットネス講座を開催し、子育て中の母親の育児ストレスの解消と健康増進を図ってまいります。

 教育施設と公園施設の整備

次に、教育施設と公園施設の整備に対する取組について申し上げます。

未来を担う子どもたちが安全に、安心して学ぶことができる環境整備につきましては、このたび上田第四中学校の屋内運動場の建築主体工事が竣工となり、今年度末における市内小・中学校施設の耐震化率100パーセントに向け、着実に取り組んでおります。
この屋内運動場は、社会体育の場として地域の皆様にも御利用いただけるほか、広域避難場所として防災倉庫や災害用のマンホールトイレを備える地域防災拠点の機能を併せ持った施設となっております。
一方、豊かな生涯学習社会の実現に向けて整備を進めております社会教育施設につきましては、地域の皆様の長年の願いであった西部公民館の改築に向けた起工式を、去る6月29日、地元自治会の皆様にも御出席いただき、執り行うことができました。
今後につきましても、地域住民の自発的な生涯学習活動の支援とまちづくり活動の更なる充実が図られるよう、施設整備に取り組んでまいります。
また、都市公園につきましても、遊具やあずまやなどの公園施設の安全管理に努め、今後予想される施設の修繕や改築・更新などに、計画的に取り組んでおります。
今年度は上田城跡公園の北側にある児童遊園地の老朽化した遊具や休憩施設をリニューアルし、併せて動物舎も移築するなど、小さなお子様連れの御家族が、より安心して楽しめる公園となるよう整備してまいります。

 高齢者福祉の取組

最後に、高齢者福祉の取組について申し上げます。
市では、住み慣れた地域で医療、介護、予防、生活支援、住まいが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を目指し、各種施策を展開しており、とりわけ、地域の身近な集会所等で住民主体の介護予防を行う「地域リハビリテーション活動」の普及に取り組み、今月中には活動拠点が市内71か所になる見込みです。
現在、こうした取組や「地域サロン」の立ち上げ方法、認知症施策等のPR用映像を制作しており、完成後には自治会等を通じた配布やインターネット配信を行うなど、地域における介護予防の取組を更に推進してまいります。
一方、高齢者福祉施設の基盤整備と介護従事者の負担軽減につきましては、既存の小規模福祉施設への防災施設整備として、スプリンクラー設備の設置とともに、要介護者のベッド上での体の動きなどをセンサーで見守る装置や、ベッドからの移動をサポートする機具等の介護ロボットの導入経費について、この度、国の補助金の採択を受けたことから、今定例会に関係予算を計上いたしました。
今後も、高齢者とその家族の皆様が地域で安心して生活ができ、介護が必要になっても自分らしく暮らし続けられる環境整備に引き続き取り組んでまいります。

以上、今回提案いたします案件のほか直面する課題等について、その一端を申し上げました。

 議案の概要

 今回提案いたします案件は、条例案1件、決算認定15件及び予算案1件の合計17件であります。
まず、条例案につきましては、児童扶養手当法施行令等の一部改正に伴って所要の改正を行う「上田市福祉医療費給付金条例」の一部改正1件を提案いたしました。
次に、平成27年度一般会計、特別会計及び企業会計の決算につき、このほど監査委員の審査が終了いたしましたので、決算審査意見書をはじめ関係書類を添えて提案いたします。
一般会計につきましては、歳入決算額719億6,387万円余、歳出決算額693億5,553万円余で、繰越明許費としてお願いいたしました市道新設改良事業等24事業の繰越財源4億3,190万円余を除いた実質収支は21億7,643万円余の黒字決算となりました。
前年度と比較し減額の決算となったところであり、交流文化施設建設事業や第二中学校改築事業などの大型事業完了による普通建設費の大幅な減額が主な要因となっております。また、歳入においては、地方消費税交付金の平年度化によって増額となっておりますが、先ほど申し上げました普通建設費の減額に伴う、国庫支出金や市債発行額などの減額が、歳入全体としての主な減額の要因となっております。
次に、特別会計につきましては、土地取得事業特別会計をはじめ9会計あり、総額では、歳入決算額362億6,665万円余、歳出決算額357億8,202万円余、実質収支は合計で4億8,463万円余の黒字決算となっております。
一般会計及び特別会計につきまして、2つの会計で歳入歳出同額のほか、各会計とも黒字で決算できましたことは、議員の皆様をはじめ、関係各位の御理解、御協力によるものと感謝申し上げます。
また、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、上田市健全化判断比率を今定例会に報告いたしましたので、その概要について申し上げます。
国が示す4つの財政指標のうち、「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」につきましては、いずれも「黒字」となっており算定されておりません。「実質公債費比率」につきましては、前年と比較して、0.6ポイント減の4.3パーセント、「将来負担比率」につきましては、前年と比較して、2.1ポイント減の45.2パーセントと算定されました。今後もこれらの指標に留意しながら、健全財政の維持に努めてまいります。
最後に、平成28年度補正予算の概要について申し上げます。
今回の補正予算は一般会計のみの予算計上であり、一般会計補正予算第3号として、5億1,664万円余の増額補正を行い、予算額は696億4,834万円となっております。主な内容としては、市民生活に密着した生活関連道水路等整備事業に係る経費の追加計上や、子育て支援施策として子育てママリフレッシュ事業などの計上、中山間地域等においての収益向上を支援する経費、地域人材ネット活用による地方創生推進事業に係る経費の計上など、6月補正予算編成後の諸事情により予算化の必要が生じた新規・充実の事務事業等の予算計上を行うものであります。

以上、今回提案いたしました条例案、決算認定及び予算案の概要を申し上げました。
各提出案件の内容につきましては、それぞれ担当者から説明いたしますので、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。