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平成27年9月定例会 一般質問

o 議長(下村 栄君)次に、質問第3号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

          〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)今回私からはうえだ発達支援事業についてと中学校朝部活動について、通告のとおり順次質問を進めてまいります。

 まず初めに、うえだ発達支援事業についての質問でございます。平成22年6月にひとまちげんき・健康プラザ内に開設いたしました発達相談センターでは、発達障害と診断される子供や、そのほか疑いのある子供、そしてその親に対する相談業務が行われております。子供の発達障害につきましては、一説によりますと、ぜんそくの子供よりも発達障害の子供のほうが多いとも言われており、全国的にも発達障害と診断される子供、発達障害の疑いのある子供が増加傾向にあります。

 そのような状況下で、上田市の発達相談センターの相談件数については、開設の平成22年においては506件、開設年の平成22年につきましては6月からの数字でございます。平成23600件、平成241,073件、平成25954件、昨年平成26年に至っては1,399件と、開設以来最も多い相談件数となっております。

 この発達相談センターに関し、私の身近で起きた一例をお話しいたしますと、当時中学生であった子供が、先生や友達とのコミュニケーションに悩み、登校に対しても消極的になったことから、親御さんが子供の発達障害の疑いがあるのではないかと悩み、発達相談センターに相談をいたしました。その際親御さんは自分の子供が発達障害ではないかという心配をするとともに、自分の子供が発達障害ではないかという事実を受け入れなければならないのかと非常に悩んでいらっしゃいました。相談に当たったスタッフの皆さんは、親御さんが涙を流しながら話をしていたとき、同じように涙を流し相談に乗ってくださったそうです。スタッフの皆さんがこのように心の通った、子供に寄り添った相談と支援をしてくださったことから、この子は現在高校生となっておりますが、高校進学をきっかけに立ち直り、学校も休むことなく通い、学業、部活動に一生懸命取り組んでおります。

 今回の質問に際し私は他自治体の状況も調査いたしましたが、これだけの優秀なスタッフを有する同様の施設はなく、私はこの発達相談センターは上田市の誇るべき支援施設であり、日本一の先進施設であると確信しております。発達相談センターのこれまでの相談実績の伸び、そして何より発達相談センターの献身的な支援の功績が非常に大きいことから、今後も発達相談センターの相談件数が増加することが見込まれる状況であります。そこで、心配になりますのが今後の発達相談センターの支援と運営がこれまでどおり維持されるかであります。そこで、まず3点お伺いいたします。

 1点目として、昨年度相談件数が開設以来過去最高となり、相談内容も多様化していることが推察されますが、状況はどうであったか。

 2点目として、相談件数の増加と多様化にどのように今後対応していくのか。

 3点目として、相談件数の増加、多様化への対応として、発達相談センターの職員体制の強化が急務であると考えますが、職員増強など職員体制強化の考えはないか。

 以上3点をお伺いいたします。

o 議長(下村 栄君)神代健康こども未来部長。

          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕

o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)発達支援事業についてご質問を何点か頂戴いたしました。最初に、発達相談センターの状況から答弁させていただきます。

 上田市では発達障害を早期に発見し、子供の成長段階に合わせた一貫した支援を行うとともに、保護者への早期支援を行うため、ひとまちげんき・健康プラザ内に発達相談センターを開設しておりますが、相談件数は平成22年度に開設して以来年々増加しておりまして、議員お話しのように、平成26年度には1,399件と、開設時のおよそ3倍近くとなっております。相談の内訳は、小学生の発達障害に係る相談が661件と最も多く、次いで乳幼児が339件、幼稚園、保育園の園児が245件、中学生が118件などとなっております。保護者の中には子育てに困難さを感じていても、核家族化、少子化が進む中、身近に子育てについて相談する相手がいない場合や、どこに相談すればよいかわからないまま保育園や幼稚園に入園し、子供が集団生活をするようになって初めてほかの子供との違いに気づく例も少なくなく、早期発見が困難なものとなっております。また、早期に親が違いに気づいても、子供の障害を親が受け入れられず、医療の受診に結びつかないケースや、中には親も発達障害の傾向が見受けられる場合もあるなど、子供とあわせて保護者に対しても支援が必要なケースもございます。このため相談内容も複雑化してきており、専門的な立場からの早期発見、早期支援により、子供の特性を親や周囲が理解した上で、できる限り早期からの適切な支援が求められております。

 次に、相談件数の増加と多様化にどのように対応していくのかというご質問でございます。発達相談センターでは18歳までの子供を対象に、保護者からの相談をメーンに応じておりますが、相談を受けた場合、そのお子さんが実際に発達障害があるかどうか、その見きわめが重要となりますので、臨床発達心理士など専門職による検査、観察、面接を行いまして、子供の発達の現状や問題点を明らかにしてまいります。そして、発達障害の子供の特性に応じて短期、長期目標の設定を初めとした対処方法を立案し、作業療法士、保育士による親子教室など遊びを通した発達支援を行うとともに、専門的な立場から保護者のほか支援者となる幼稚園、保育園、小中学校、高校等、児童生徒にかかわる関係者に対しましても助言、指導、援助等を行っております。相談件数の増加とともに支援も長期にわたる場合が多く、子供の健やかな成長のためには、家庭ばかりでなく、幼稚園、保育園、小中学校、さらには高等学校までと、子供の成長に合わせ関係機関との連携を図ることも欠かせないものとなっております。このため、関係者による連携会議を毎月定期的に開催して情報共有に努めるとともに、保育士、幼稚園教諭などの資質向上に向けた研修や保育園などでの巡回指導、学校での就学相談などを行い、障害を早期に発見し、適切な保育や教育のための支援に努めておりますが、今後も十分な連携のもと、子供の成長段階に応じた切れ目のない支援に努めてまいります。

 次に、職員体制の強化の考えについてのご質問でございます。発達相談センターでは発達障害の相談に対して適切に判断、対応できるよう、臨床発達心理士、作業療法士、保健師、保育士等多くの専門職を配置しております。センターの職員体制は、正規職員がセンター長以下4人で、いずれも子育て子育ち支援課の業務を兼務しております。このほか嘱託職員の臨床発達心理士が2名、パート職員の作業療法士、保育士がそれぞれ2名ずつ、合計10人の職員体制でございます。

 それぞれの役割でございますが、臨床発達心理士は主に1歳半ごろから青年期の子供を対象に、また作業療法士は主に生後4カ月ごろから学童期を中心に必要に応じて検査を行いながら、運動発達や精神発達等の発達段階を確認し、保健師とともに家族や幼稚園、保育園、小学校などの支援者に対し助言、指導を行います。また、保育士は子供と遊ぶ中での発達段階の評価や発達に心配のある就園前の子供とその親を対象にした親子教室での集団指導などを主に担当しております。

 発達相談センターがその期待される役割としての相談業務や支援を円滑、適切に行うためには、それぞれの専門職による役割分担、連携が必要であり、今後さらに増加が見込まれる相談に適切に対応できますよう、これら専門職を確保していくことが職員体制の強化にもつながっていくものと考えております。

 以上でございます。

o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。

          〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきましたが、やはり業務のほうは非常に複雑化し、長期化しているというお話でございました。職員体制につきましては、専門職を確保しながらということをお答えいただきましたけれども、これらを踏まえまして、先ほどからご答弁にも何遍か出ておりますけれども、非常にこのセンターの中でも重要な重責を担っていらっしゃる臨床発達心理士について3点お聞きいたします。

 まず1点目といたしまして、現在上田市においては2名の臨床発達心理士が発達相談センターに在籍しております。臨床発達心理士のお二方は、経験も豊富な上、子供、その親に対して寄り添った支援をすることから、相談される方からの信頼も非常に厚い状況であります。これだけの市民の皆さんへの貢献度が高いお二方ですが、現在嘱託職員であります。勤務時間などの面からも正規職員、専門職として活躍していただく必要が高いと考えますが、臨床発達心理士の正規職員、専門職としての必要性の見解はどうか。

 2点目といたしまして、将来にわたりこの発達相談センターを高いレベルで維持するのに当たり、経験豊かな臨床発達心理士お二人の後継者となる臨床発達心理士の育成が必要不可欠である上、経験豊かな臨床発達心理士お二人のもとで実務経験する必要があり、早期に後継者を採用し、育成することが急務であると考えます。

 しかしながら、臨床発達心理士につきましては、現行大学院で学ばなければ取得できない上、全国的にも取得者が非常に少なく、上田市においても現在新規採用の募集を行っているところでありますが、採用に至っていない状況であります。また、ほか自治体におきましても人材確保に非常に苦慮している状況であり、地域間の人材確保に向けた競争も非常に激しくなっている状況です。上田市の募集要項を見てみますと、現在嘱託職員としての採用募集であります。新卒者などについてはやはり正規職員としての採用希望が多いことは明らかであり、人材確保の難易度を上げているものと考えます。加えて、周辺自治体では正規職員として募集、採用しているケースもふえており、上田市での人材確保がさらに難しくなっている状況です。また、嘱託職員での募集のため、勤務時間については午前9時から午後4時までとなり、相談件数がふえている状況下において実態に即していないようにも思われます。嘱託職員として採用後、実績を積んだ上で正規職員へ登用する考え方もあるでしょうが、やはりこの状況下では臨床発達心理士の新規採用について、正規職員として募集、採用する必要が非常に高い上、急務であると考えますが、正規職員としての募集、採用する考えはございますでしょうか。

 3点目として、人材確保は先ほど申し上げたとおり非常に難題でありますが、お隣の青木村においては、人材確保のため教育長が資格取得者の在籍する大学へみずから出向き、本人に直接勤務をお願いし、住居も村が用意した上人材を確保されたそうです。上田市においても人材確保に向け知恵を絞り取り組む必要が非常に高いと考えますが、臨床発達心理士の人材確保についての今後の方針はどうか、お聞きいたします。

o 議長(下村 栄君)神代健康こども未来部長。

          〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕

o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)次に、臨床発達心理士についてご質問いただきました。最初に、正規職員としての必要性の見解についてでございます。子供の社会性の発達や精神発達段階を確認し、適切に判断するためには、各種の発達心理検査等により子供の状態を観察することが重要でありまして、その特性に合わせた支援、対処方法の検討においても発達心理の専門知識を有した臨床発達心理士は発達相談センターにおいて大変重要な職務であると認識をしております。今後さらに相談件数の増加が見込まれ、長期にわたって発達障害の子供やその家族を支援していくケースもふえていくと考えられることから、その子供や家族に対して適切かつ継続的に支援が行われるような組織体制とするためには、臨床発達心理士などの専門職の確保は大変重要なことと考えております。

 次に、臨床発達心理士を臨時ではなく正規職員として採用する考えについてでございます。年々増加し、また複雑長期化する相談に対応するため、現在も非常勤としてではありますが、臨床心理士、臨床発達心理士について募集を行っております。子供の成長段階に合わせた継続的な支援が行われるような組織体制とするためには、臨床発達心理士を正規職員として募集することも重要であると考えております。大学院を卒業してからでないと資格を取得できないことや、新規で採用しても相談業務などについて一定の経験が必要なことなど課題もございますので、採用方法につきましては、他市の状況なども研究しながら、正規職員の確保につながるよう早急に検討してまいりたいと考えております。

 次に、臨床発達心理士の人材確保についての今後の取り組みについてでございます。発達障害について広く認知されてきた現在、臨床心理士や臨床発達心理士は教育、保育、健康増進などさまざまな分野での活躍が期待されておりますが、心理職につく学生はそう多くはないと伺っております。希少な専門職である臨床発達心理士などの人材確保のためには、大学との連携を密にすることも重要と考えておりまして、市といたしましてもこれまでも上田にゆかりのある大学教授に直接お会いして人材確保のお願いをするとともに、信州大学教育学部や上越教育大学などに職員がお伺いし、それぞれの就職担当の方に学生の進路状況をお聞きし、また当市の状況もご説明させていただいたところでございます。臨床心理士、臨床発達心理士として活躍するためには、資格取得後も多くのケースにかかわり、実践を通して学ぶ必要があります。幸い上田市の場合、議員ご指摘のとおり2人のベテラン臨床発達心理士の指導によりさらにレベルアップを図り、その貴重な専門知識を生かしたノウハウを引き継いでいくことが可能であろうかと思います。

 いずれにいたしましても、今後発達障害の対応に当たりましては、適切な支援が継続して行える体制が整うことにより、子供たちやその保護者も家庭や学校などで明るく、希望を持って生活を送ることができますので、関係機関との連携も含めた支援方法、技術を引き継いでいくことができますよう、臨床発達心理士など専門職の確保についても鋭意取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。

          〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)臨床発達心理士につきましては、卒業後の取得ですとか経験などが必要ということで、非常にやはり人材確保は難しいとのことでございます。そうは申しましても、一日も早い人材確保が重要であります。また、臨床発達心理士はもちろんですが、発達相談センターの人材確保、人材育成は今後上田市にとりまして大変大きな課題になることは明らかであります。私も今後この日本一の発達相談センターの人材確保と人材育成に注視していきたいと考えているところでございます。

 次に、発達障害に対する学校現場での取り組みについてお聞きいたします。まず、取り組みの状況について2点お聞きいたします。先ほど私の身近で起きた事例をご紹介いたしましたが、この子が発達障害の疑いがあるかもしれないと指摘を受けたのは学校の担任の先生からでした。先生も何ら悪気がなかったのでしょうが、不用意におたくのお子さんは発達障害があると思いますと担任の先生が言ったことにより、本人以上に親御さんが悩まれ、精神的にも非常に追い込まれた状態でありました。結果的には発達相談センターのスタッフの皆さんの支援とご努力により、よい方向へ向かいましたが、当時は見るにたえない状況でありました。発達障害の取り扱いについては、学校あるいは教職員のちょっとした言動、行動が子供や保護者に大きな影響を与え、場合によっては悪い方向へ向いてしまう可能性が非常に高いことは明らかであります。

 そこで、1点目として、発達障害の疑いのある児童生徒への対応について、現状どのように対応することとしているか。

 2点目として、対応について市内各学校や教職員同士で統一が図られているか、お聞きいたします。

o 議長(下村 栄君)小林教育長。

          〔教育長 小林 一雄君登壇〕

o 教育長(小林 一雄君)発達障害及びその疑いのある児童生徒についてどのような対応がされているかというご質問でございます。発達障害及びその疑いのある児童生徒に対する学校現場での対応は、全小中学校に配置されている特別支援教育コーディネーターが中心になって行われております。このコーディネーターが校長、教頭、関係職員で組織される校内委員会を企画、運営しまして、児童生徒個々に応じた支援体制を整えているということでございます。今ご質問にございましたように、保護者にかかわるのは担任が直接かかわる場合が多いため、児童生徒やその保護者に担任の言動が与える影響というようなことは十分大きいということを配慮しながら、専門機関での診断や支援が必要な場合には、学校での様子をお伝えし、また家庭での様子をお聞きし、必要に応じて特別支援教育コーディネーターを加え、医療機関や発達相談センターなどを紹介し、その後も連携を図りながら児童生徒を支援していくと、こんな形になるのだというふうでございます。

 次に、市内各学校や教職員同士で統一が図られているかどうかということでございますが、対応の統一についてのご質問でございますが、さきに申し上げました各校の特別支援コーディネーターが県教育委員会が主催する研修会や上小地区に設置された連携会へ参加しておりますので、その内容を持ち帰りまして、全教職員に対する校内研修会を開催して、情報の共有とともに指導の統一を各学校の中で図っている、こういうところでございます。児童生徒への個々の具体的な対応となりますと、とてもデリケートな問題でありますことから、校内の支援体制のみならず、今申し上げましたように、発達相談センターなどの外部機関との連携のとり方も含め、校内研修の内容の充実を図っているということでございます。

o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。

          〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきました。各学校教職員の中でやはり正しい対応につきまして共有、統一されていることが非常に大切ではないかなと感じるところです。これらの状況を踏まえまして、次の質問に移らさせていただきます。

 私は身近な経験から、学校の先生の中でも発達障害に対する見解、理解が必ずしも高いわけではないように感じております。これは、現場の先生を何も責めているのではなく、現場の先生についても学ぶ場が少なかったり、機会がないことが問題ではないかと考えております。発達相談センターでは年に何回か講演会や研修会を行い、もちろん学校へも都度案内を出されているとお聞きしておりますが、学校からの参加は支援学級の先生などが参加されるのにとどまり、現場の先生の参加がないのが現状であります。学校現場の先生に対する発達障害の研修など、児童生徒にかかわる現場の先生の発達障害への見識向上の取り組みが非常に重要であり、必要でありますが、今後の取り組みの考えについてお聞きいたします。

o 議長(下村 栄君)小林教育長。

          〔教育長 小林 一雄君登壇〕

o 教育長(小林 一雄君)学校現場の教員を対象とする研修の実施など、発達障害に対する見識向上のための今後の取り組みについての考えということでございます。特別支援教育コーディネーターや特別支援学級の教員は研修会などに参加する機会も多く、比較的理解が深まっていると考えておりますけれども、議員ご指摘のとおり、この問題については新しいことも多く出てまいります。そういう意味で、全ての教職員が学ぶ機会というものが必ずしも多くないと、こんなふうに認識しているところでございます。特別支援教育コーディネーターによる校内研修会の充実は先ほど申し上げましたが、上田市発達相談センターによる研修会など、身近なところで現状行われている研修にも多くの教職員が参加できるような工夫をぜひしてまいりたいと思っているところでございます。

 また、定住自立圏事業として小中学校教職員向けの研修会を教育委員会で実施しておりますが、本年度は「発達障がい児の理解と支援」をテーマに開催いたしました。市内158人の教職員が参加いたしました。参加者の感想では、発達障害について学ぶ機会が少なく、貴重であったという声が寄せられておりました。今後も継続してこのような研修について実施してまいりたいと考えております。

o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。

          〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)見識は向上しつつあるとのご答弁をいただきましたけれども、まだまだいま一層の向上が必要ではないかなと考えるところであります。発達障害に対する対応につきましては、ご答弁にございましたが、非常にシビアな問題であり、現場の先生方の対応も非常に難しいところであります。毎日子供たちと長い時間接する現場の先生が見識を向上され、発達相談センターの皆さんなどと問題を共有することが非常に大切であります。今後の取り組みにつきまして注視してまいりたいと考えるところであります。

 次に、中学校の朝部活動について質問してまいります。昨年6月の定例会一般質問におきまして、私は中学校における朝の部活動について質問いたしました。私の質問に対し、県の指針に従いながら、学校ごとに学校長の判断で決定してくださいと各学校へお願いしたとの趣旨の答弁をいただきました。このことによりまして、学校現場では各学校のそれぞれの学校長の判断の違いにより、朝の自主練習までも部活動の一環とする学校があり、学校内で全く自主練習ができなくなってしまった学校がございます。個人練習をしたい子供たちは学校近くの空き地で個人練習を行うなど異常な事態となっております。自主練習、個人練習の場を奪うことは私は学校現場にあってはならないことだと考えております。信州型コミュニティスクールを推奨する中、市民の皆さんから見ますと、学校を地域から遠ざける行為と捉えられても仕方がございません。そこで、教育長に2点お伺いいたします。

 1点目として、県から指針を受け、教育委員会は各学校、各学校長へ判断を委ねたことにより、自主練習の機会を奪い、結果的に自主練習をしたい学校を学校から追い出すかのような状況となり、地域からの信頼も脅かす事態に陥っておりますが、この事態に対する見解はどうか。

 2点目といたしまして、今後部活動を一生懸命やりたい生徒、自主練習、個人練習をしたい生徒に対してどのように応えていくか、お聞きいたします。

 ちょうど昨日真田地域で分館対抗の球技大会が行われまして、大勢の中学生も参加しておりました。そのときに知っている子供たちに非常に会ったわけですが、本日困っている子供たちに関することを一般質問で質問すると伝えましたところ、何人かの子供が今回の議会中継を録画しておくと言っておりました。子供たち非常に期待大きいところでございます。部活動に一生懸命に取り組む生徒に向けご答弁をいただきたいと思います。

o 議長(下村 栄君)小林教育長。

          〔教育長 小林 一雄君登壇〕

o 教育長(小林 一雄君)中学校の朝部活動についての考え方についてのご質問でございます。中学校の運動部の部活動につきまして上田市教育委員会としましては、中学生の望ましい生活のあり方を考えることが重要であるという観点から、長野県教育委員会が示した長野県中学生期のスポーツ活動指針に沿って、地域ごとの事情を考慮し、中学校ごとに具体的なルールづくりをすることといたしまして、昨年の4月から実施しているところでございます。各学校の方針が統一されていないというご指摘でございますが、ただいまご説明しましたように、具体的なルールは地域の事情、例えば通学手段や通学時間、スキーなど季節が限定される種目への対応などを勘案いたしまして、細かい時間設定や部活動のない日をいつにするかなどは個々の学校の判断にすることとしたということでありまして、全ての中学校で県の指針に沿った方針で部活動が実施されているという状況でございます。

 今年度の各中学校の朝の部活動について申し上げますと、校舎改築など練習環境が制限され、放課後だけでは活動できない学校を除きまして、朝の部活動は原則行わないこととなっています。ただし、全ての中学校で、特にこの2学期が始まった9月以降、日が短くなって下校時間が早まり、放課後だけでは練習時間が確保できない場合には朝の部活動を認めております。ただし、その場合でも登校時間が極端に早くならないよう開始時間を設定するなど、実態に即したルールづくりをしているということでございます。また、昨年度の反省から、今年度は学校間によってばらつきが見られた1学期の中体連の大会前の朝部活につきましては、上小の校長会で大会2週間前は朝の部活動を認めるという申し合わせをし、取り組んでいる状況でございます。それ以外の朝の部活動は、自主練習であるということであっても全ての中学校で活動を認めておりません。朝の部活動は心身の成長過程にある中学生期において、ウオーミングアップやクーリングダウンの時間が十分にとれない、朝食から昼食までの時間があき過ぎるといった問題も指摘されていることから、中学生の一日のライフスタイルを考えるとき、放課後にまとめて時間がとれる時期はその時間で効果的、効率的な活動となるようにすることが適切であると、こういうぐあいに考えております。また、自主練習ということでありましても、学校教育の一環として行われる部活動は常に安全が確保された状態で行われる必要がありまして、教員不在の状態での生徒だけの活動を学校が認めるということは、生徒の安全を確保する上でも困難であると考えています。

 部活動に対する考えはさまざまであることは承知しておりますが、今回の運動部活動の見直しとなった背景には、長時間にわたる部活動により中学生の生活がバランスを欠いたものになっていること、また部活動に熱心に取り組む生徒がいる一方で、部活動への負担感から部活動への加入率が低下し、体力や運動能力の面からも課題が指摘されたということがございます。このような課題について、成長期にある中学生が一日の限られた時間の中で運動、栄養、睡眠のバランスのとれた生活習慣を身につけるために部活動にどう取り組むのがいいか、さまざまな角度から検証し、その方向を示したのが県の指針でございまして、上田市教育委員会としてもこれを尊重し、各学校が部活動を行っていくことが重要であると、こんなふうに考えています。部活動は最終的に学校が責任を持って行うものでありますが、部活動の方針については、今後各学校において生徒や保護者の皆様にこのような趣旨をよくご理解いただくよう丁寧な説明に努めるよう努力してまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。

o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。

          〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)ご答弁をいただきましたけれども、先ほど安全確保というお話がございましたけれども、実際に学校現場において学校のフェンスの外、一歩外では子供たちが自主練習をしているという姿がございます。学校の外ならけがをしてもいいということで市民の皆様にはとられかねません。学校の外でやっているこの事態がもう異常であります。どうかもう少し知恵をお絞りいただきたいと思うところでございます。

 また、「子育てするなら上田市で」を掲げる上田市にとって、部活動に一生懸命取り組みたい生徒の気持ちに応えることができないのは非常に私は問題であると考えますし、また健幸都市を目指す上田市にとりましても、中学校の心身の発達、発育についても逆行しているものと考えております。県の指針は過度な練習などによるスポーツ障害などを防ぐ目的の指針であり、単なる部活動の自粛ではありません。まずは生徒の気持ちを第一に考えていただくようにお願いしたいところでございます。

 次に、私の昨年6月定例会の質問に対し、中学校朝部活動について、学校ごとの実態調査を行い、実態調査の内容を見て今後また改めて検討していきたいとの答弁もなされました。そこで、2点お聞きいたします。

 1点目に、これまでの実態調査はどのような調査が行われ、結果はどうであったか。

 2点目に、実態調査の結果をどのように今後生かしていくか、お聞きいたします。

o 議長(下村 栄君)小林教育長。

          〔教育長 小林 一雄君登壇〕

o 教育長(小林 一雄君)実態調査としてどのような調査が行われたのかというご質問でございますが、部活動の実態調査について、昨年度でございますけれども、部活動の見直しに伴う変化についての実態調査を上小地区8中学校でその生活の変化について中学校2年生、3年生を対象に調査を行ったところでございます。調査の内容につきましては、就寝時間に変化があったか、起床時間に変化があったか、家庭での学習時間に変化があったか、朝食を食べているかという4つの点についてでございます。

 この調査の結果について簡単にご説明申し上げますと、就寝時間につきましては、余り変わらないという生徒の割合が7割近くを占めたということでございますが、起床時間は約半数の生徒が30分から1時間ほど遅くなったという回答でございました。それから、家庭での学習時間は、余り変わらないとした生徒が65%ほどでございましたが、約30%の生徒が学習時間が長くなったと回答しております。長くなったとする生徒にどれくらい長くなったかを聞いた質問には、これも30分から1時間ほどとする回答が多かったという結果になっております。朝食については、もともと毎日食べていた生徒が85%ほどいたわけでございますが、朝の部活動がなくなってからは90%を超える生徒が朝食をとるようになったという結果になっております。この実態調査からは、朝部活がなくなったことで朝の時間にゆとりが生まれ、睡眠時間や学習時間、それから朝食をとることができるようになった生徒が増加しているということがうかがえるわけでございます。

 また、各中学校の部活動の活動方針については、長野県教育委員会が県内全ての中学に対し調査を行っておりますので、重ねて上田市で調査を行うということはしておりませんけれども、各中学校の調査表の内容を把握することでどのような活動方針となっているか、その都度確認をしております。このほか、学校ごとに生活状況調査なども行っておりますが、先ほども申し上げましたように、中学生のバランスのとれた生活のあり方を大切にすることが主眼に部活動の見直しを行ってきたということであります。学校にはこのルールがなし崩しにならないようにお願いしたいということと、生徒の指導に当たっては、部活動が減って生活がだらだらとしたものになることがないよう、家庭学習の出し方を工夫したり、子供たちがみずからの力で生活を律する力を身につけられるよう指導していただきますよう今後とも学校とともに努めてまいりたいと思います。

o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員の質問が終了しました。