11月24日、12月定例議会初日終了後の全員協議会において、上田市役所の本庁舎・南庁舎耐震補強基本設計の結果について報告がありました。耐震補強工事に36億6900万円工事費がかかることが判明しました。当初24億円を見込みからはるかに上回る結果となりました。耐震化した場合、耐用年数が伸びるものでないことから、今後、耐震補強工事を進めるべきか検討を進め、併せて庁舎の一部改築についても比較検討を行うこととなりました。
11月24日、12月定例議会初日終了後の全員協議会において、上田市役所の本庁舎・南庁舎耐震補強基本設計の結果について報告がありました。耐震補強工事に36億6900万円工事費がかかることが判明しました。当初24億円を見込みからはるかに上回る結果となりました。耐震化した場合、耐用年数が伸びるものでないことから、今後、耐震補強工事を進めるべきか検討を進め、併せて庁舎の一部改築についても比較検討を行うこととなりました。
平成27年12月定例会初日日程終了後、全員協議会において菅平地区地域振興施設整備について説明がなされました。事業費10億円程度の屋内運動場を2019年4月(予定)までに整備される計画です。2019年日本で開催されるラグビーワールドカップキャンプ地誘致など、地域振興施設として建設を計画。
上田市議会平成27年12月定例会が11月24日から開会。12月14日までの21日間の会期。初日市長提案説明が行われ、24件の議案が提出されました。
市長提案
はじめに
本日ここに、平成27年12月市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては御多忙の中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
上田市功労者表彰式
はじめに、先週19日に開催いたしました「平成27年度上田市功労者表彰式」には、御多用中にもかかわらず、議員各位をはじめ自治会、地域協議会の関係者など多くの方々に御列席をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。長きにわたり地域社会の発展と福祉増進のために率先垂範し献身的な活動を続けられた受賞者の皆様には、今後も豊富な識見と積み重ねてこられた経験を活かされ、引き続き各分野で、また、地域での指導者として御活躍いただくとともに、市政に対しましても、なお一層の御支援をいただきたく存じます。
ラグビーワールドカップ
さて、先ごろ開催されたラグビーワールドカップのイングランド大会では、日本代表チームが、勇敢な闘いぶりで大活躍をいたしました。ラグビー人気も急激に高まっており、次回2019年の日本開催に向け、弾みがついたものと感じております。
上田市といたしましても、地域全体の活性化につながるよう、日本代表はじめ、全国から多くのラグビーチームが合宿に訪れ、日本ラグビーの「聖地」と呼ばれる菅平高原へのキャンプ地誘致を官民一体となって推進してまいります。
大河ドラマ放送に伴う対応
放送開始まであと50日余りとなりました大河ドラマ「真田丸」につきましては、9月初旬に当市でクランクインし、現在はNHK放送センターのスタジオで撮影を行っているとのことです。
真田氏本城跡の撮影現場で行われた取材会には、ドラマ出演者4名が出席され、主人公・真田信繁(幸村)役の堺雅人さんは、「真田氏発祥の地である信州上田で撮影を始められることが非常に嬉しく、良いスタートを切ることができた。このドラマは上田だけではなく、信州が舞台であり、北信、中信、南信の方々にも見てほしい」と語っておられました。ドラマの中で信州上田がどのように登場するのか、作品を目にするのがとても楽しみであり、心待ちにしているところであります。
一方、上田城跡公園の旧市民会館に整備する「信州上田真田丸大河ドラマ館」につきましては、来年1月17日のオープンに向け順調に工事が進んでおります。
大河ドラマ館は、「戦国の聖地・信州上田」をテーマに、信繁公の生きた時代から、信繁公を取り巻く真田家の家族や宿敵家康公、大坂の陣などドラマのストーリーに沿って衣装やセットなどの展示を予定しております。
特徴的なものとして、市内で行われた撮影風景などのメイキング映像の放映や、専用のヘッドセットを装着し、撮影が行われているスタジオの様子を360度ヴァーチャルリアリティ動画で映し出す体験コーナーを設けるなど、大河ドラマの魅力をより一層高めるための趣向を凝らした仕掛けを考えております。
先月10日には、上田城跡公園において、大河ドラマ館開館100日前イベントとして「出陣式」を開催いたしました。ドラマの放送に向け市民の皆様の機運も日々高まっている中、信州真田鉄砲隊や信州上田真田陣太鼓が披露されたほか、出席者全員で「観光おもてなし宣言」を復唱するなど、多くのお客様を「おもてなしの心」を持って笑顔で迎えるため、気持ちを一つにすることができたものと感じております。
また、六文銭と信州上田の文字を組み合わせ、今年3月に制作した当市の新たなロゴマークを活用した商品などは、これまで250アイテムを超える使用申請がありました。「真田丸」のタイトルロゴを利用した商品開発につきましては、8月の説明会以降、市内事業者からは30件を超える申請があったと聞いており、今後、より多くの真田ブランドの開発につながることを期待しております。
合併10周年記念事業
次に、合併10周年記念事業について申し上げます。
市民の皆様とともに合併10周年を祝う記念事業が来年1月からスタートし、平成29年3月まで、市と市民の皆様との連携によるさまざまな事業を展開してまいります。市が主催する特別事業につきましては、市民の皆様からいただいたアイデアなども参考にさせていただいたところであります。
来年1月から3月までの事業として、年明けの1月5日に丸子文化会館セレスホールで開催されるニューイヤー特別コンサート「シューベルト歌曲集『冬の旅』」を皮切りに、「学校給食特別メニュー」の実施、「別冊KURA信州上田」の発行などを予定しております。
また、2月には上小地域の高校生による模擬議会を開催いたします。生徒が実際に市政に関する質問や意見発表をすることで、まちづくりへの参画を促し、市政に参画した喜びを感じられる場とするとともに、選挙権年齢が引き下げられたことに対する啓発と若年層の投票率の向上を図るため、各学校から選出いただきました実行委員の先生方とも協力しながら、開催に向けた準備を整えてまいります。
記念事業の期間中には市民の皆様が主体となって実施していただく市民公募事業や、合併10周年記念の「冠」を付す事業も併せて実施するなど、大勢の市民の皆様の御参加をいただきながら、記念事業を盛り上げてまいりたいと考えております。
中国・寧波市との交流
次に、中華人民共和国・寧波市との交流について申し上げます。
平成7年2月9日の両市の友好交流提携から、今年で20周年の節目の年を迎えました。20周年記念事業として、去る10月26日、寧波市から24名の代表団の皆様を上田にお迎えし、記念式典・祝賀会を開催いたしました。
式典に際し末永い友好の証として、両市ゆかりの画家により描かれた大型の絵画作品の交換を行ったところであり、寧波市から贈られた山水画については、多くの市民の皆様に御覧いただけるよう、現在、市役所1階ロビーに展示しております。
また、12月中旬には、上田市から副市長を団長とする市民訪中団の派遣を予定しており、これまでの市民団体や青少年交流の成果などを踏まえながら、今後も次なる10年を見据えて実りある交流を行い、より一層の友好関係を深めてまいります。
国の動きと来年度予算編成
続いて、直面する課題等について順次申し上げてまいります。
我が国の経済情勢は、10月に内閣府から発表された月例経済報告によりますと、「一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とされ、景気の先行きについては「緩やかな回復に向かうことが期待される一方、中国をはじめとするアジア新興国等の景気が下振れし、国内の景気が下押しされるリスクがある」とされました。
国の平成28年度一般会計予算の概算要求につきましては、2年連続で100兆円を超え、過去最大の102兆4,000億円余となりました。「経済・財政再生計画」の初年度となる平成28年度は、計画を実現するため、経済成長による税収増と同時に、歳出抑制を着実に進めることが欠かせないとされております。
総務省所管予算の概算要求では、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額について、平成27年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質同水準を確保することとされており、また地方交付税については、総額確保の視点から16兆円が要求されております。
国の来年度予算編成やこれに伴う地方財政計画、また、地方創生関連予算の動向などは、当市の来年度予算編成にも大きな影響を与えることから、引き続き情報収集に努め、注視してまいりたいと考えております。
こうした中、当市におきましては、先月2日に「平成28年度予算編成会議」を開催し、その方針を公表するとともに予算編成作業に着手いたしました。
来年度は、第二次上田市総合計画の初年度となることから、「まちづくりビジョン」で掲げている基本理念に基づいて、10年後の将来あるべき理想の都市像の実現を目指し、着実にスタートするための年度となります。
平成28年度の重点分野といたしましては、「雇用の拡大と地域経済の活性化」、「交流・定住の推進」、「魅力ある地域づくりの推進」、「地域医療の更なる充実、健康・福祉の推進」、「循環型社会の形成」など10項目とし、その実現に向けた事業に重点的に財源配分を行うことといたしました。加えて、先月策定された上田市版総合戦略で掲げる施策についても、新型交付金等を有効活用するなど、創意工夫のうえ地方創生への対応を図ることといたしました。
また、多様化、高度化する行財政需要に的確に対応していくためには、事務事業の選択と集中を行い、財源の効率的・効果的な配分が必要であることから、事業の着実な推進と健全財政の両立に留意しながら、平成28年度予算編成を進めてまいりたいと考えております。
地方創生に対する取組
次に、地方創生に対する取組について申し上げます。
今年度早期の策定を目指してまいりました上田市版「総合戦略」及び「人口ビジョン」につきましては、第二次上田市総合計画との整合を図りながら、先月30日、「上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略策定推進本部会議」において決定いたしました。
策定に当たりましては、市内の高校生や学生の皆様を対象とするアンケート調査を実施したほか、「上田市地方創生有識者会議」や「議員懇談会」を開催し、御意見等を反映したところであり、多くの市民の皆様をはじめ議員各位の御協力を賜りましたことに感謝を申し上げます。
総合戦略につきましては、対象期間を平成27年度から平成31年度までの5年間として、国の政策分野に沿った4つの基本目標及び84の具体的な施策を掲げ、基本目標ごとの数値目標及び施策に対応する重要業績評価指標を盛り込んでおります。
基本目標の1つ目には、最も重要な課題と考えております「しごとづくり」の視点から「就業機会の拡大と多様性の創出」として、地域経済を牽引するものづくり産業や農林業の振興を図る施策をはじめ、企業誘致や人材育成などの取組を掲げております。
2つ目には結婚、出産、子育ての視点から「人口の自然減に歯止めをかける」ことを掲げ、民間団体等との連携による結婚支援の取組を進めるとともに、「子育てするなら上田市で」の施策や高等教育まで含めた学びの環境の充実を図ることとし、多くの学生が集まり、地元に就職するといった好循環を生む「学園都市づくり」を謳っております。
3つ目には、ひとの流れをつくる視点から「人口の社会増を伸ばす」ことを、また、4つ目には、人口減少下におけるまちづくりの視点から「安心して暮らし続けられる地域をつくる」ことを掲げて、市民協働や地域内分権の推進、広域都市間連携の促進などに取り組むこととしております。
更に、国の平成26年度補正予算における地方創生先行型交付金の基礎交付分及び上乗せ交付分を活用し、今年度から着手している施策も位置づけたところであり、これまでの施策を拡充する視点や地域の資源、特徴、強みを生かし伸ばす視点を持ちながら、上田市として独創性のある、未来に向けてチャレンジしていく取組を盛り込んでおります。
今後、総合戦略の実行段階におきましては、施策や数値目標等の進捗状況について毎年度、検証や見直しを行ってまいりますが、地方創生の取組は行政のみで進められるものではありません。市民や関係機関の皆様との連携、協働のもと、若者をはじめとするあらゆる世代が住み続けたいと思えるまちづくりに向け、「上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を実行してまいります。
長野大学の公立大学法人化に対する取組
次に、長野大学の公立大学法人化に対する取組について申し上げます。
少子化や受験生の大都市圏の大学への進学志向により、地方の私立大学を取り巻く環境が厳しさを増すと予想される中、県内の私立大学でも学生確保に向け、公立大学法人化や学部の新設を進める動きなどが報道されております。
このほど長野県が策定した「人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」では、県内大学等の魅力と収容力を高めるための取組に対して支援を行うとしております。
上田市におきましても、地元高校生の進学先を確保するとともに、県外流出をくい止め、大学と地域の活性化を図るため、10月1日付で設置した公立大学法人化準備室において、地域貢献や市民サービスの充実に関する事項、学生納付金の設定など、長野大学の公立大学法人化に向けた具体的な検討を進めております。
大学側でも、地域が求める人材育成の必要性を鑑み、外部委員を含む改革検討委員会を早急に立ち上げるため、検討されているとお聞きしております。今後も大学とともに、受験生が地元で学びたくなる大学を目指し、学園都市づくりの一環として、公立大学法人化に向けた取組を推進してまいります。
健康づくり
次に、健康づくりについて申し上げます。
10年後の超高齢社会を見据え、新たな健康づくりのステージとして、「健康幸せづくりプロジェクト事業」に取り組んでおります。誰もが健康で幸福に過ごすために、もっとも基本的な心と体の健康の保持に向け、さまざまな事業を実施しているところであります。特に、気軽に実践することができ、有酸素運動にもなるウォーキングについては、地域の健康推進委員や公民館、総合型地域スポーツクラブ等の協力も得ながら、地元の皆様が作成したウォーキングマップを活用し、当日のガイドもお願いするなど、創意工夫を加えて事業を進めております。その結果、11月1日現在のウォーキング教室の参加者は延べ約680人と、昨年度実績の224人を大きく上回っております。
また、生活習慣病の予防を図るため、平成20年度の開始から8年目を迎えた特定健康診査につきましては、休日における集団健診を実施したことなどにより、国民健康保険加入者の昨年度の受診者数が初めて1万人を超えました。また、特定保健指導につきましては、指導の強化を図った結果、高血圧症の有所見者の割合が下降傾向を示すなど、徐々に成果が現れているところであります。今年度は、市内の各医療機関で行う個別健康診査に加え、集団健康診査を上田市医師会に請け負っていただき、市と医師会が連携を強化することにより健診受診率、保健指導率の向上を一層図るとともに、糖尿病等生活習慣病の予防に努め、更には全国健康保険協会等の保険者とも連携し、「健幸都市」の実現につなげてまいります。
地域の魅力アップ
次に、地域の魅力アップに向けた取組について申し上げます。
今年は「大坂夏の陣」から400年という節目の年に当たります。これを好機と捉える中、先月から今月にかけて大阪で開催された「天王寺真田幸村博」や「大阪城秋まつり」の催しでは、真田氏ゆかりの郷として信州上田PRブースの出展や市内の太鼓団体が参加するイベントなどを開催し、信州上田の真田信繁公との関係を大いにPRすることができたと実感しております。
一方、長野県発表の平成27年度夏季の観光動向調査によりますと、上田城跡公園と別所温泉の観光客数が前年比で約16パーセント増となりました。大河ドラマ「真田丸」の放送を目前に控える中、9月には観光会館売店をリニューアルオープンし、連日、多くのお客様に御来店いただいております。現在、上田城跡公園の周辺に新たな駐車場を整備しているところであり、全国から訪れる観光客の皆様の受入態勢整備も着々と進めております。
また、先月末から今月上旬にかけて美しい紅葉に彩られた上田城跡公園を会場に開催した「上田城けやき並木紅葉まつり」には、年を重ねるごとに多くの市民や観光客の皆様に訪れていただいており、最近5年間の平均は130台程度でありました観光バスの受入台数も、「真田丸」放送に伴う宣伝効果も相まって今年は230台を超えるなど、大変な賑わいとなりました。
信州上田まつり実行委員会の皆様が中心となったアイデアが企画運営に幅広く活かされる中、「歴史・食・おもてなし」をコンセプトに、上田城跡に相応しい歴史ロマンに溢れた催しが数多く繰り広げられ、上田の魅力を多くの観光客の皆様に伝えることができたものと捉えております。
今後も、市内での魅力あるイベントの拡充を図るとともに、真田氏ゆかりの自治体や近隣市町村との更なる相互連携により広域観光を充実させ、効果的な事業を展開するなど、引き続き観光誘客や地域づくりにつながるよう取り組んでまいります。
都市地域の意欲ある人材を誘致し、地域力の維持及び活性化を図るとともに、定住・定着につなげることを目的とした「地域おこし協力隊」につきましては、今年8月に着任した3名が豊殿、真田及び武石地域において、地域の皆様との積極的な交流を通じて、新たな視点での提案をはじめ、フェイスブックを活用した地域の魅力やイベントの情報発信など、大変精力的に活動しております。
また、今月からは新たに1名が着任し、川西地域で活動を開始いたしました。さらに、12月には、武石地域にもう1名が着任する予定であり、先に着任した3名ともども今後の活躍に期待するところであります。
農業・農村を取り巻く厳しい状況が続く中、先月5日、環太平洋連携協定(TPP)交渉が参加国閣僚会議で大筋合意に至りました。農林水産物2,328品目の約80パーセントに当たる1,885品目で関税を撤廃するものであり、国では協定の発効に備えて「TPP総合対策本部」を設置し、今月中にも「総合的なTPP関連政策大綱(仮称)」を策定するとしております。市といたしましては、今後の国会での議論を注視してまいります。
一方、農業委員会等に関する法律が改正されたことに伴い、今回で最後となる「上田市農業施策に関する建議書」が、今月4日に上田市農業委員会より提出されました。市では、提案いただいた内容を十分に検討し、適切に対応してまいります。
今後、農業委員会の役割は「農地等の利用の最適化の推進」に重点が置かれることとなり、担い手への農地の集積・集約化等、農業の健全な発展に寄与することが期待されるところであります。
文化振興
次に、文化振興に対する取組について申し上げます。
大河ドラマ「真田丸」の放送を来年に控え、大勢の観光客の皆様の来場が予想される史跡上田城跡内の博物館や櫓等の整備につきましては、年内の完了を目指して事業を進めております。博物館等で展示する新たなジオラマやシアタ-映像等の製作、また、上田城郭のかつての姿をバ-チャルな世界でお楽しみいただける、ARを活用した映像コンテンツの製作も含め、来年1月の本稼動を目指してまいります。
更に、市内の小学生を対象に、真田氏や上田城の歴史の理解を深める一助として、「歴史演劇鑑賞事業」を実施いたしました。これは、市内に拠点を置く劇団の方々に依頼し、上田合戦から大坂の陣までの真田氏の活躍を演劇で表現したもので、今年度は6つの小学校で公演を行いました。鑑賞した子どもたちからは感動の声が多く寄せられ、大変に有意義な機会となりました。
一方、文化遺産を観光やまちづくりの地域資源として活用することは、非常に有効なものであり、地域の宝である文化財を多くの方に知っていただき、活用していくことが重要と考えております。
こうした中、今年度、「文化財de文化祭」と銘打ち、8月には重要文化財である「旧常田館製糸場施設」でジャズコンサ-トを、10月には登録文化財である「信州大学繊維学部講堂」にて絹糸を使った楽器「ストリングラフィ」でのコンサ-トを開催いたしました。両会場とも大変に賑わい、観客の皆様には音楽を楽しみながら、文化財への理解を深める機会になったものと捉えております。
今後も文化の薫るまちづくりに向けた取組を積極的に進めてまいります。
サントミューゼ
次に、「サントミューゼ」交流文化芸術センター・市立美術館について申し上げます。
昨年10月2日に開館いたしましたサントミューゼが、この10月に開館1周年を迎えました。
市議会や文化団体の皆様をはじめ、多くの関係する方々の御支援と御協力により、無事1周年を迎えられたことに感謝を申し上げます。
「文化創造元年」であるこの1年間は、コンサートや演劇、市民の皆様の発表の場として広く御利用をいただくとともに、市立美術館の常設展示や特別展覧会など多くのイベントを開催し、市内外から大勢の皆様に御来館をいただきました。
ホールでは開館記念式典も含め、自主開催事業、共催事業として27事業を行い、約3万人の皆様に御来場をいただき、また、市民文化団体の利用やプロモーターへの貸館事業、小・中学校行事などには約14万人の皆様に御利用をいただきました。
一方、市立美術館におきましても開館記念特別展として「山本鼎のすべて」展や「レオナール・フジタ」展など開催し、約11万人の入館者がありました。特に「戦国無双の刀剣展」は約1万7,000人、「藤子・F・不二雄展」は家族連れを中心に、地方都市では稀な4万1,000人を超える方々に楽しんでいただきました。
今後、ホールでは初のオペラ公演を、市立美術館では若手作家育成事業としての特別展覧会など多彩な企画を予定しております。また、来月2日のカフェスペースのオープンにより、更に多くの人が交流し、賑わいを創出する文化芸術の拠点として、市民に愛され、共に歩む施設となるよう、引き続き魅力ある事業を展開してまいります。
学校教育に対する支援
次に、学校教育に対する支援について申し上げます。
さまざまな障がいのある児童・生徒の学習意欲や集中力の向上と、個に応じた支援を一層進めることを目的として、2学期から、小学校と中学校のそれぞれ2校の特別支援学級にタブレットパソコンを導入いたしました。
学校からは、読み書きが苦手な児童・生徒が、タブレットパソコンを用いて学習することで、教科書の内容を理解し、学習プリントにも取り組めるようになったという事例も報告されており、さまざまな効果が期待されるところであります。
今後は特別支援教育への支援や学校における情報化教育の推進を図るため、活用方法についての研究を進めながら、来年度以降、他の小・中学校の特別支援学級へもタブレットパソコンの配備を拡充してまいりたいと考えております。
循環型社会の構築
次に、循環型社会の構築に向けた取組について申し上げます。
上田市及び上田地域広域連合の最重要課題であります資源循環型施設の建設につきましては、今年5月に、中断している意見交換会を再開していただけるよう資源循環型施設建設対策連絡会の代表である幹事に対して申入れを行い、現在、対策連絡会では慎重に対応を協議していただいております。
9月からは、対策連絡会の代表者の皆様と意見交換会の再開に向けた準備会を開催し、これまでの経緯や課題を含め、お互いに論点を整理するなどの調整を行ってまいりました。
また、施設建設に伴う周辺地域の振興案などにつきましては、地域の皆様の御意見や御要望を踏まえ検討する必要がありますことから、できるだけ早期に説明会を開催し、話し合いの場が持てるよう対策連絡会の皆様に御協力をお願いしております。施設の建設につきましては、現在の清浄園用地を候補地とする「新たな提案」以降、多くの皆様から賛否両論さまざまな御意見等をいただいておりますが、市民生活に必要不可欠で、大変重要な施設でありますことから、今後も地域の皆様との合意形成を最優先に、丁寧かつ積極的に説明を行ってまいります。
一方、ごみの減量化・再資源化に向けた新たな施策や制度の充実を図る中で、今年度、上半期の上田市の可燃ごみの処理量は前年同期と比べ392トン、約2.2パーセントの減となり、着実に成果が現れてきているものと捉えております。先日、上田地域広域連合から公表された「第三次ごみ処理広域化計画(素案)」では、循環型社会の構築を目指し、構成市町村が一丸となって更なるごみの減量化を目指すことが盛り込まれております。また、計画している資源循環型施設をよりコンパクトな施設とする方針とともに、平成32年度を目標とする新たな減量化目標値が示されました。当市といたしましても、これらを踏まえ一層のごみの減量化・再資源化に取り組んでまいりますので、御理解と御協力をお願いいたします。
マイナンバー制度
マイナンバー制度につきましては、10月からマイナンバーの通知が始まり、市民の皆様へも順次マイナンバーをお知らせする「通知カード」が届けられております。
いよいよ制度がスタートし、市民の皆様や企業からの問い合わせが増えてきております。市では、「通知カード」や来年1月以降申請者に交付される「個人番号カード」についての問い合わせに対応するため、10月からマイナンバー専用電話を開設いたしました。また、来年1月には市役所東庁舎に専用の個人番号カード交付窓口の設置を予定しております。
来年1月からは、社会保障、税、災害対策における行政手続での利用も始まります。市では、制度の円滑な導入に向け、庁内関係課を中心に連携して取り組んでおり、今定例会には、番号法の規定に基づき、庁内での個人番号の利用等について定めた条例の制定を提案いたしました。
今後も市民の皆様への積極的な広報、周知に努めるとともに、マイナンバー制度の運用開始に向け、市としての準備を進めてまいります。
議案の概要
以上、今回提案いたします案件のほか当面の課題等について、その一端を申し上げました。
今回提案いたします案件は、条例案9件、予算案10件、事件決議案5件の合計24件であります。
まず、条例案につきましては、大河ドラマ「真田丸」の放送開始に合わせて施設整備や展示内容の充実を行っております池波正太郎真田太平記館、上田市立博物館・南北櫓・櫓門及び真田御屋敷歴史館の各施設における観覧料の改定に伴う関係条例の整備など一部改正8件のほか、新設1件の合計9件を提案しております。
次に、平成27年度補正予算の概要について申し上げます。
今回の補正予算は、9月補正予算編成以降の諸事情により必要が生じた新規の事務事業経費、国県補助の内示等に伴う事業費及び財源の調整につきまして関係経費を計上いたしました。一般会計をはじめ、国民健康保険事業特別会計など特別会計4会計、及び産婦人科病院事業会計など企業会計5会計に係る予算計上であります。一般会計の歳出における主なものといたしましては、市民公募事業や上田市高校生議会などの合併10周年記念事業、都市間連携を進めるため、上田市と松本市を結ぶ直行バスの運行を見据えた観光の視点によるバス運行に係る経費、また、自立支援給付費、青年就農給付金など本年度執行見込みによる事業費の調整であります。
最後に、事件決議案につきましては、合計70施設について来年度からの指定管理者を指定するための議案のほか、和解に係る2件の議案、西部公民館の整備事業用地の取得に係る議案など、計5件を提案しております。
和解議案の2件につきましては、平成21年7月に旧上田市産院において、また、平成25年3月に上田市立産婦人科病院において、出産後のお子様がお亡くなりになられた事故につきまして、それぞれ裁判を行ってまいりましたが、この度、御家族との和解が整いましたので、今定例会に関連議案を提案いたしました。この場をお借りし、御家族の皆様に哀悼の意を表しますとともに、今後、更なる医療安全に関する取組を行い、安心してお産ができる病院づくりに努めてまいります。
以上、今回提案いたします条例案、予算案、事件決議案の概要を申し上げました。
各提出案件の内容につきましては、それぞれ担当者から説明いたしますので、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。