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平成29年9月定例会一般質問

市政について

o 議長(土屋 陽一君)次に、質問第2号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それでは、議長の許可を頂戴いたしましたので、通告に従い質問をしてまいります。

まず初めに、大規模災害時の応急対策について質問いたします。応急対策の中でもまず応急仮設住宅について質問をいたします。災害時住家が滅失した被災者のうち、みずからの資力では住宅を確保することができない者に対し、簡単な住宅を仮設し、一時的な住居の安定を図るために設置される応急仮設住宅について、長野県は本年3月に県内全77市町村が災害発生直後に直ちに応急仮設住宅が建設できるように候補地を決定したとの発表をいたしました。長野県での総数としては524カ所、建設可能な敷地総面積317万5,664.78平方メートルで、1戸当たりの敷地面積を100平方メートルと想定すると、3万1,629戸建設可能な候補地が選定されました。上田市においては、候補地として公有地38カ所、建設可能な敷地面積34万8,712平方メートル、1戸当たりの敷地面積を100平方メートルと想定すると、3,468戸建設可能な候補地を選定しております。上田市の応急仮設住宅建設候補地は長野県でも最も広い面積を選定確保しており、県内最大の面積を選定していることは非常に高く評価できることであります。

まず、上田市の緊急仮設住宅建設候補地の詳細についてお尋ねをいたします。まず1点目として、上田市の応急仮設住宅建設候補地は全て公有地が選定されておりますが、どのような公有地を候補地として選定したのか。

2点目として、長野県応急仮設住宅建設マニュアルの中で、応急仮設住宅建設候補地の選定条件が何点か示されておりますが、その中でも、1、災害時のガレキ置き場、自衛隊の拠点、ヘリポート等の災害救助対策用地となる用地と重複しないこと、災害危険区域等でないこと、2、地形として基本的には平たん地であること、候補地がない場合は造成工事が可能な傾斜地も可能としております。3、原則としてライフラインが整備されていること、下水道については浄化槽で対応できるが、上水道は必要、以上の3条件は選定条件の中でも非常に重視すべき点であると考えますが、これら3点の条件について、上田市が選定した応急仮設住宅建設候補地は条件を満たしているのか。

まず、以上2点についてお尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代総務部長。

〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)応急仮設住宅についてのご質問をいただきました。

最初に、上田市の応急仮設住宅の建設候補地でございますけれども、災害時の確保や管理が確実である公有地であること、広い敷地の確保が可能で、平たんであることなどから、市内小中学校の屋外運動場36カ所のほか、丸子北部グラウンド、旧養護老人ホーム陽寿荘跡地、合計38カ所を候補としております。県が本年1月に作成した長野県応急仮設住宅建設マニュアルでは、応急仮設住宅の建設候補地の選定条件として、建設候補地の状況、公有地などの所有関係、地形、ライフラインの有無、敷地面積などを挙げております。

上田市の候補地が選定条件を満たしているかとのご質問でございますが、ヘリポートなどの災害救助対策用地と重複しないこと、平たん地であること、上水道が整備されていることにつきましては、全ての候補地で条件を満たしております。一方で、災害危険区域等でないことにつきましては、38カ所のうち山間部に位置する6カ所の小中学校などの候補地におきましては、敷地の一部が土砂災害警戒区域などに指定されている場所もあり、建設に当たってはこれを踏まえての対応が求められることとなります。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)次に、国において問題視し、多くの自治体でも苦慮している点についてお尋ねいたします。

まず1点目として、東日本大震災などを教訓に応急仮設住宅建設候補地の選定などが行われているわけですが、過去の災害の教訓として災害想定を数値化などにより具体化し、想定に基づく応急対応をしておくことは非常に重要であります。応急仮設住宅建設候補地を選定している多くの市町村においても、被災想定に基づく応急仮設住宅の必要戸数を算定していない市町村が多く見受けられます。そこで、上田市は被害想定に基づく必要戸数の算定はなされているのか、なされているとすれば、必要戸数はどのくらいと想定し、建設可能戸数は必要戸数を満たしているのか。

2点目として、応急仮設住宅は地域コミュニティーを維持するために、できる限り従来の居住地に近い場所に候補地を選定する必要があると考えます。現在の公有地のみの選定で山間部等の特定地域に候補地の確保はできているのか。

3点目として、過去の災害において応急仮設住宅を学校の校庭にした場合、校庭が利用できないことにより子供たちの学校生活が制限され、教訓として国も校庭に応急仮設住宅をできる限り建設すべきではないという方針に至っております。先ほどのご答弁では、上田市においては応急仮設住宅候補地として学校の校庭を多く選定しているとのことでありましたけれども、今後の見通しにおいて校庭利用についての見解はどうか。

以上3点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代総務部長。

〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)最初に、上田市の被害想定に基づく必要戸数でございますけれども、被害想定は最も被害棟数の多い地震によるものを採用するとされておりますことから、平成27年3月に県が公表した第3次長野県地震被害想定調査報告書による糸魚川―静岡構造線断層帯全体を震源とする地震が発生した場合に、1万4,220棟が全壊、半壊するとの想定に基づき、これに供給率として乗じる値を県のマニュアルが示す方法を参考に3割として推計いたしますと、必要戸数は4,266戸となります。

候補地での建築可能戸数について、1戸当たりの敷地面積は100平米、最小でも70平米と示されておりまして、それぞれ試算いたしますと、敷地面積100平米では3,468戸、70平米では4,962戸となりまして、1戸当たりの敷地面積を100平米とした場合では必要戸数若干満たしておりませんけれども、70平米とした場合では満たしているという状況でございます。

次に、山間部等の特定地域に候補地の確保ができているかとのご質問でございます。住民がふだんから顔を合わせて生活をしている山間部等の地域におきましては、高齢者等被災地を離れることが難しい住民が多く、これらの方々が被災した場合の応急仮設住宅の建設は、従来の居住地に近い場所に位置していることが重要であります。小中学校などは一般的にこれらの施設を利用する方々の住居から大きく離れていることはないため、これらの敷地を候補地とすることで従来の居住地に近い場所での生活が可能になると考えております。上田市の応急仮設住宅の建設候補地はほとんどが被災された方々の従来の居住地に近い地元の小中学校の屋外運動場としていることから、山間部等においても候補地の確保ができているものと考えております。

次に、学校の校庭利用についての考え方でございますが、建設候補地の選定に当たりましては、県のマニュアルにも示されているとおり、公有地であり、災害救助対策用地と重複しない用地であることなどが必要となりますが、広い敷地を持つ上田古戦場公園多目的グラウンド等は自衛隊など応援部隊の活動拠点やヘリポートとされております。一方で、学校の屋外運動場は平たんで敷地が広く、地域コミュニティーの中心的な場所に位置し、ライフラインが既に整備されていることから、応急仮設住宅の建設候補地としての条件が整っておりまして、小中学校の屋外運動場、本来であれば避けたいところでありますけれども、候補地とせざるを得ない状況でございます。

しかしながら、応急仮設住宅の建設後、屋外運動場が利用できなくなることで子供たちの運動の機会を減少させてしまうなど教育上の課題もあることから、上田市の地域防災計画では学校施設用地を建設候補地とする場合は、学校の教育活動に十分配慮するものとしておりまして、応急仮設住宅を建設する際には教育委員会と協議するなどして、可能な限り教育活動に配慮をしてまいります。

今後の見直しにつきましては、例えば既存の公共施設が廃止になり、用地が確保できた場合や、新たに公用地が取得された場合などには、それらの用地の近くで建設候補地となっている学校と置きかえることができるか検討するなど、学校以外の候補地の確保についても配慮してまいりたいと考えております。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)上田市における応急仮設住宅建設候補地の選定については、長野県応急仮設住宅建設マニュアルの条件に合う学校の校庭以外の候補地を選定することは非常に難しいことかと思います。災害発生時、早期に災害前の学校生活を取り戻すことは子供たちにとってあらゆる面で非常に重要であると考えます。学校の校庭以外での候補地確保について今後さらに研究、検討をいただきたいと思うところでございます。

次に、長野県応急仮設住宅建設マニュアルの中の候補地選定後の取り扱いについてお尋ねをいたします。1点目として、長野県応急仮設住宅建設マニュアルでは、災害発生時の態勢準備について、建設候補地リストは紙やデータ等の複数媒体により関係する所属で保管、管理し、災害発生後直ちに活用できるようにすることとしておりますが、上田市は長野県の方針どおりの体制が構築されているのか。

2点目として、同マニュアルにおいて候補地の定期見直しの方針として、土地の利用状況の変化に対応するため必要に応じ見直すこととしておりますが、上田市としてどのような方針、周期で見直しを実施していく考えか。

以上2点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代総務部長。

〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)最初に、建設候補地リストの保管、管理のご質問でございます。上田市では応急仮設住宅の建設候補地を一覧表にして管理をしておりまして、電子データとともに候補地の所在地図、敷地内の施設などの配置図、周辺の上下水道配管図などの紙の資料とあわせて、危機管理を所管する課所において一元的に保管、管理をし、災害時にすぐ活用できるようにしております。なお、現在は関係各課の間では情報の共有が行われておりませんので、今後は庁内の情報ネットワークを通じて共有をしてまいります。

次に、応急仮設住宅の建設候補地の見直し方針でございますが、県のマニュアルでは土地の利用状況の変化に対応するため必要に応じて見直すこととしておりまして、その項目として、建設予定地の敷地面積などの基本情報、公有地、民有地の別などの所有状況、土砂災害警戒区域等の敷地の状況、上下水道の整備状況などのライフラインの状況などが示されております。上田市におきましても県のマニュアルに示されている項目について、候補地の現況が応急仮設住宅の建設地として適切であるか、平常時から確認しておくことが必要であると考えますけれども、上田市の建設候補地のほとんどが現在小中学校の屋外運動場としておりますことから、見直しにつきましては、小中学校建てかえや改築など候補地の現況に変更があった場合を捉えて行うとともに、土砂災害警戒区域等や付近の河川における浸水想定区域等が変更された場合など、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)次に、応急仮設住宅の中でも民間賃貸住宅等を借り上げ、供与するみなし仮設住宅、借り上げ仮設住宅についてお尋ねをいたします。

借り上げ仮設住宅を設置する場合、応急仮設住宅を建設する場合に比べ、短期での使用であれば賃貸住宅を借り上げたほうがコストを抑えられ、当然のことながら建設期間も要しないため多くのメリットがあります。また、公営住宅を借り上げ、仮設住宅として使用する場合、手入れが必要な住宅や浴槽、風呂がまのない物件もあり、利用者の負担が大きくなる可能性があります。民間賃貸住宅の空き物件については、設備が充実し、手を加えずに即座に入居できる物件が多くあります。これらのことから、上田市として借り上げ仮設住宅を応急仮設住宅設置の主たる災害時住宅確保策として、なおかつ民間賃貸空き物件の借り上げを主体とするべきと考えますが、上田市の災害時住宅確保策として民間賃貸住宅の借り上げを主体とすることはできないか、お尋ねをいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代総務部長。

〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)お話をいただきましたとおり、応急仮設住宅には建設仮設住宅のほかに民間の賃貸住宅等を借り上げて供与するみなし仮設住宅がございます。このみなし仮設住宅は、既存の空き家を利用するため比較的短期間で提供が可能であり、建設仮設住宅と比べてコストを抑えられることに加え、立地や物件など条件の選択幅が広く、プレハブ等の仮設住宅より快適なことが多いなどのメリットがございます。一方、被災時にあいている民間賃貸住宅が十分に確保できない、あるいは地域によっては借り上げ可能な民間賃貸住宅の戸数が少ないなどの課題のほか、東日本大震災や熊本地震においては不動産業者自体の被災や自治体職員の不足などにより十分に機能しなかったという課題も報告をされております。

しかしながら、大規模災害時には圧倒的に住まい不足が想定されることから、被災者の住まいの確保を迅速に行っていくためには、みなし仮設住宅として積極的に活用していくことも必要であると考えております。

応急仮設住宅の供与は、災害救助法で規定されている救助の種類の一つでありまして、法が適用された場合の救助の実施主体は原則都道府県とされております。県のマニュアルでは、被災者が借り上げ仮設、いわゆるみなし仮設を希望する場合や自宅の応急修理により住宅確保ができる場合はこれらを優先し、応急仮設住宅の供与に当たっては、建設仮設住宅にこだわることなく、コミュニティーの維持等に配慮しつつ、みなし仮設住宅も有効に活用すべきであるとされておりますので、災害時にはこのマニュアルに沿った対応が行われるものと理解をしております。

上田市といたしましても、県と連携をしながらマニュアルに沿って用地の確定、市民の意向聴取など、市町村の役割を適切に実施してまいります。

また、内閣府の大規模災害時における被災者の住まいの確保等に関する検討会がこの8月にまとめた提言では、被災者が自宅を修理して住み続ける在宅避難への支援強化や、民間住宅の空き家活用を求めておりまして、この提言を受け、政府も来春以降に具体的検討に入る方針とされております。

上田市といたしましては、災害時の住居確保策について、民間賃貸住宅の借り上げも含めまして、提言にあるようなさまざまな確保策が必要と考えますので、今後の国の動向などを注視して検討してまいりたいと考えております。

以上です。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それでは、次に応急危険度判定士についてお尋ねをいたします。

応急危険度判定士が行う応急危険度判定は、大地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊の危険性や外壁、窓ガラスの落下、附属設備の転倒などの危険を判定することにより、人命にかかわる二次的災害を防止することを目的としております。その判定結果は建築物の見やすい場所に表示され、居住者はもとより付近を通行する歩行者などに対してもその建築物の危険性について情報提供することとしております。また、これらの判定は建築の専門家が個々の建築物を直接見て回るため、被災建築物に対する不安を抱いている被災者の精神的安定にもつながるとも言われております。災害時大きな役割を果たすのは言うまでもなく、災害後迅速な判定が重要であります。

そこで、1点目として、市職員のうち有資格者は何人か、また今後は有資格職員を何人確保する方針か。

2点目として、上田市では災害時の応急危険度判定士の必要人数を何人と想定しているのか。また、他自治体や一般社団法人長野県建築士会上小支部からの派遣により応急危険度判定士の確保はできるのか。

3点目として、避難施設の応急危険度判定による安全確保を行うため、市では一般社団法人長野県建築士会上小支部と協定を締結しておりますが、一般社団法人長野県建築士会は県と建築物災害応急活動に関する協力協定を締結しております。広域的な大規模災害が発生した場合を想定し、一般社団法人長野県建築士会上小支部の派遣の優先順位などについて調整を図っているのか。

以上3点お尋ねいたします。

o 議長(土屋 陽一君)神代総務部長。

〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

o 総務部長(神代 芳樹君)応急危険度判定士は、都道府県知事が被災建築物応急危険度判定要綱に基づき認定をした建築士で、現在市職員のうち16人がこの認定を受けております。今後建築士の資格を有する職員、ふやすことができれば応急危険度判定士講習会を受講し、応急危険度判定士をふやしていきたいと考えております。

次に、災害時の応急危険度判定士の必要人数とのご質問ですが、まず上田市に甚大な被害をもたらす地震が起きた場合の応急危険度判定士派遣の流れでございますけれども、市の災害対策本部が設置された後に、この対策本部から県の災害対策本部に判定士の派遣を要請することとなります。要請を受けた県の災害対策本部は、協定を結んでいる長野県建築士会の協力を得て広域的な判定士の派遣要望計画書を作成しまして、他自治体からの派遣も含め応急危険度判定士の派遣を行うこととなっておりまして、災害発生から二、三日後の実動が一般的であります。

熊本地震の際の状況等を参考に判定必要件数を仮に4万棟と想定をいたしますと、応急危険度判定士の必要人数は、1班2名で1日に20件調査できるとして、1日100班で20日間かかることになりまして、1日当たり200人の判定士が必要となります。このため、県災害対策本部からの応急危険度判定士の派遣は、被災地以外の県内外の判定士や他自治体の応援も得て確保をしていくこととなります。

次に、広域的な大規模災害が発生した場合を想定しての派遣の優先順位の調整についてのご質問です。上田市と長野県建築士会上小支部とは平成24年3月に災害時における応急危険度判定の協力に関する協定を締結していますが、この内容は、地震発生時に市が定めた広域避難場所等の応急危険度判定を災害発生後要請を待つことなく8時間以内に行うというものであります。また、県と長野県建築士会が締結している協力協定は長野県全域を想定した協定のため、県の依頼を受けた長野県建築士会は、長野県建築士会上小支部の判定士を含め県内全域から判定士を招集して、2日から3日後に被災地の住宅等の応急危険度判定に入ることとなります。このため、広域的な大規模災害が発生した場合には、長野県建築士会上小支部に限った派遣の優先順位などの調整は行われないこととなりますので、ご理解をお願いいたします。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。

〔2番 佐藤 論征君登壇〕

o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁いただきました。

それでは、次に運賃低減バスについてお尋ねをいたします。私が所属いたします環境建設委員会では、去る7月11日に地域公共交通優良団体大臣賞を受賞した岡山県玉野市の公共交通の再構築に向けた多様な取り組みを視察いたしました。玉野市においては、タクシー業界との連携を図り、通常運行しているタクシーを乗り合いタクシーとして利用し、配車には自動配車システムを導入し、効率的な乗り合いタクシーの運用を構築し、この乗り合いタクシーを既存路線廃止に当たり代替交通としました。既存路線を廃止するという思い切った方策をとり、ドア・ツー・ドアに近いシステムを構築したことにより、利用者の利便性を向上させた上、人口カバー率の向上、経費負担の削減にも成功しております。また、既存路線を廃止するのに当たり、住民の皆さんからは廃止に対し反対があったにもかかわらず、きめ細かい説明をしたことにより、住民の皆さんの了承を得た上で廃止した点は、これからの上田市の取り組みにとって非常に見習うべき取り組みでありました。

上田市も運賃低減バス実証運行期間終了後の方針として、状況によっては代替交通手段を確保しながら、経費負担の多い路線については廃止ということも検討しなければならない時期に来ているかと考えます。また、玉野市のこの取り組みを担当した当時の担当職員の方は、これらの実績を評価され、国土交通省より地域公共交通アドバイザーとして指定されており、全国各地で講演や指導をなされているそうです。

そこで、まず1点目として、以前私は一般質問において運賃低減バスの輸送人員の状況をお尋ねした際、目標に達しないながらも輸送人員はふえている傾向にあるとのことでしたが、その後これまでの輸送人員の推移はどうか。

2点目として、先ほどご紹介した玉野市では経費負担の多い路線を廃止し、代替策として通常運行しているタクシーを乗り合いタクシーとして利用し効果を上げておりますが、上田市も同じような交通政策を検討できないか。

3点目として、国土交通省が指定する地域公共交通アドバイザーのうち、行政機関での実績のあるアドバイザーから意見を伺い、市の施策の参考にする考えはないか。

4点目として、実証運行期間終了後の方針についてはいつまでに決定していくのか。

以上4点お尋ねし、私の最後の質問といたします。

o 議長(土屋 陽一君)翠川都市建設部長。

〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕

o 都市建設部長(翠川 潔君)運賃低減バス及び路線バス等についてのご質問をいただきました。

最初に、運賃低減バスの輸送人員の推移からお答えを申し上げます。平成25年10月から運行を開始いたしました運賃低減バスの平成26年度の輸送人員は、実証運行開始後に運行を開始した路線、また運賃低減をしていない路線を除いて125万7,000人でございまして、実証運行開始前に比較して19.6%の増でございます。平成27年度は運行日数を減らした路線があったことなどから、輸送人員は121万3,000人となりまして、前年度と比較しますと減少をしておりますが、条件をそろえて率で比較をいたしますと21.9%の増でございます。平成28年度の輸送人員は122万9,000人でございまして、実証運行開始前に比較をして23.5%の増となっております。

次に、路線バス等代替策、乗り合いタクシーの関係で上田市も施策を検討できないかのご質問でございます。現在市内のバス交通につきましては、事業者が運行している路線バス、市街地循環バスを初めとする各種循環バス、オレンジバス、それから武石地域のデマンドバスなどの市が委託運行をしているバス、それから豊殿地区の皆さんが主体となり自主運行しているコミュニティバスがありまして、それぞれ地域の住民ニーズや地形的な条件など地域の実情に合わせた運行が行われております。

市といたしましては、路線バスを初めとするこれらのバスが地域の活力を維持し、医療、福祉、買い物、通勤、通学等の生活機能を確保し、高齢者も安心して暮らせるために大きな役割を果たしてきたことを踏まえまして、将来にわたり持続可能な公共交通網の維持に向け、「乗って残す」、「乗って活かす」を基本理念として現在まで財政的支援を行い、維持、確保に努めてきたところでございます。

今後もそれぞれのバス運行につきまして、引き続き維持、確保に努めるとともに、比較的経費負担が大きいと考えられる路線、1便当たりの利用者数が少ない路線は、廃止を含めた運行の見直しを行う必要があるというふうに考えております。

しかしながら、議員ご指摘のように、単に廃止をするのではなく、地域の足を守るため、公共交通の空白地帯が発生しないよう、議員ご提案の乗り合いタクシーなどの代替策についても検討をしてまいりたいというふうに考えております。

続きまして、地域公共交通アドバイザーの関係のご質問でございます。平成19年10月に施行されました地域公共交通の活性化及び再生に関する法律におきましては、国の努力義務といたしまして、市町村、公共交通事業者等が行う地域公共交通の活性化や再生を推進するために必要となる情報収集、分析及び提供、さらに人材の育成に努めなければならないとされております。このことから、国は市町村の置かれた環境条件や交通の現状を調査、分析するためのスキルの向上、これが必要であるといたしまして、市町村職員が体系的に手法や事例を学んだりするための研修会を実施をしています。また、地域公共交通の検討、協議の場において専門知識や技術を持った職員が不足している実態を踏まえまして、市町村の要望、要請に応じ、地域公共交通に関する経験と知識が豊富でありますアドバイザーを派遣することとしています。

市といたしましても、これまで公共交通事業者、学識経験者、道路管理者等で構成をいたします上田市公共交通活性化協議会におきまして、地域の公共交通の維持、確保に関する施策等について検討、協議し、実績を積んでまいりました。今後少子高齢化、過度の自動車依存などによる公共交通が衰退する環境変化に対応し、さらなる地域公共交通の活性化を図るためには、近年の公共交通政策を専門とする学識経験者を当協議会委員に加えるなどのほか、必要に応じて国の地域公共交通アドバイザーなどの有識者からアドバイスをいただくことも大変重要であるというふうに考えております。

次に、実証運行期間終了後の方針はいつまでに決定をするのかとのご質問でございます。ご案内のとおり、従来のバスの運行に対する補助といったものから乗車する人に対する補助ということに発想を転換した運賃低減バスの実証運行でございますが、平成25年10月から平成28年9月までの3年間の期間を定めて実施をしてまいりました。この3年間では目標とした利用者数、1.5倍でございますが、これを達成することができませんでしたが、右肩下がりでありました利用者数が年々少なからず増加していることなどを踏まえまして、さらに平成31年9月までの3年間実証運行を継続することといたしました。

市といたしましては、引き続き最新の時刻表、路線図などの全戸配布、それから新入高校生向けの周知やチラシ配布、また夏休みキッズパスの実施など利用促進策の実施に努めるとともに、路線ごとの検証をしっかりと行いながら、廃止や代替策を含めた見直しを検討をして、平成31年度当初までには期間終了後の方針を決定をしてまいりたいというふうに考えております。

以上でございます。

o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員の質問が終了しました。