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平成28年6月定例会 一般質問
o 議長(土屋 陽一君)次に、日程第2、一般質問を行います。
まず、質問第1号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)皆さん、おはようございます。平成28年6月定例会一般質問トップバッターを務めさせていただきます。これで4回目のトップバッターとなります。今回私からは、運賃低減バスの検証と今後の運行方針についてと、新潟薬科大学上田キャンパス設置構想について質問をしてまいります。
まず初めに、運賃低減バスの検証と今後の運行方針について質問を進めてまいります。路線バスの利用者の減少とともに行政から運行業者への補助金の増大から、都市機能として不可欠なバス路線を確保、維持、活性化を目的とし、平成25年10月1日から3年間を期間として、市内17路線の路線バスの運賃を軽減し、運賃低減バス実証運行を行っているところであります。私は、昨年12月定例会一般質問において、実証運行の検証方法と運賃低減バスの実証運行期間終了後の運行方針につきまして質問をいたしました。その際検証方法については、実証運行期間中の乗降調査による輸送人員の推移のほか、利用者アンケートによる意向調査や利便性の向上等を確認するとのご答弁をいただきました。また、運賃低減バスの実証運行期間終了後の運行方針については、昨年度末をめどに運賃低減バスの今後の運行方針を示すとのご答弁もいただきました。
そして、今定例会初日終了後の全員協議会において、運賃低減バス運行計画の結果報告と今後の方針について報告があり、運賃低減バス輸送人員は実証運行前と比較して、平成28年3月末において1.22倍まで増加したものの、目標であった実証運行前1.5倍には至っていない状況であるが、実証運行前右肩下がりの状況から輸送人員増加に転じ、一定の効果を出すとともに、今後高齢化が進むにつれ公共交通の必要性がますます高まり、公共交通の維持、確保が重要であるとの観点から、実証運行を当面3年間をめどに継続する方針が示されました。
そこで、詳細について質問をしてまいります。まず、運賃低減化された市内17路線についてそれぞれの路線の詳細な輸送実績が示され、平成27年度の輸送実績として、室賀線については実証運行前と比較し2.573倍と大きく輸送人員が増加するなど輸送人員の増加が著しい路線がある一方、信州上田医療センター線、信州の鎌倉シャトルバス、佐久上田線などについては実証運行前の輸送人員を下回る結果となる上、これらの路線については平成26年度までは輸送人員が実証運行前を上回っていた路線もあったにもかかわらず、平成27年度から減少に転じた路線も見られます。
そこで、まず1点目として、市内17路線での輸送人員の増加した路線、減少した路線、それぞれの違いについてどのような要因があると考えているか。
2点目として、これまでの実証運行により輸送人員が減少した路線あるいは増加が見られない路線について、料金を実証運行前に戻すなどの措置も考えられたと思いますが、他路線と同様に実証運行を継続することとした要因は何か。
3点目として、バス利用実態調査はどのように行われ、どのくらいの人数に対し調査が行われたのか。
4点目として、全員協議会の中でも触れられておりましたが、バス利用実態調査の総括についてより詳細にお聞きするとともに、実証運行継続にこれらをどう生かしていくか。
以上4点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)おはようございます。運賃低減バス今後の運行方針等についてのご質問にお答えいたします。
まず、市内17路線で輸送人員の増加した路線、また減少した路線、それぞれの違い、その要因ということのご質問にご答弁いたします。まず、全体の状況でございますが、実証運行を開始しました平成25年10月から平成26年3月までの6カ月間の輸送人員の状況につきましては、実証運行前に比べ5.2%の増ということでありましたが、平成26年度の1年間では19.6%の増、平成27年度の1年間では、先ほどもございましたけれども、21.9%の増と年々増加している状況になっております。
路線別では、実証運行前と27年度を比べますと、室賀線が157.3%、鹿教湯線が59.8%、傍陽線が33.2%それぞれ増となっておりまして、全路線のうち14路線におきましては輸送人員が増加している状況にございます。議員ご指摘の3路線については、輸送人員がふえてはおらないという状況でございます。
増加した路線につきましては、利用実態調査から推測いたしますと、高校生の通学での利用が主な増の要因と考えられます。一方、減少した3路線のうち信州上田医療センター線、信州の鎌倉シャトルバスの2路線につきましては、もともとの運賃設定上の関係で運賃低減前と低減後で運賃に変わりはなく、低減の効果がない路線となっております。また、当該2路線は病院または観光目的の路線となっておりまして、高校生等の新たな利用には結びついておらないということも要因の一つと考えられます。佐久上田線につきましては、他市町村をまたぐ路線で、運賃低減はしない区間のみに限られているため、低減の効果が少ない路線となっております。また、輸送人員減少に伴いまして、土曜、祝日の運行休止も一つの要因と考えられます。
次に、輸送人員が減少した路線、あるいは増加が見られない路線について、料金を実証運行前に戻すということを考えなかったかというご質問でございます。運賃低減バス実証運行計画は、これまでのバスの運行に対する補助から乗車する人に対する補助という発想に転換し、低価格運賃の導入を図り、より多くの市民に乗ってもらうことで将来に向かってバス路線を乗って残すことを目指して始まった施策でございます。実証運行を継続する次の3年間では、利用が低調な路線については運行に関する傾向や特性について詳細な調査をし、乗って残すための新たな取り組みも実施しながら、1年ごとにその結果の公表や見直しを行い、路線の維持、確保が可能であるかを検証する期間と位置づけております。したがいまして、今後も低価格の運賃設定により利用者増を図るという本来の趣旨に沿って、料金を実証運行前に戻すことなく継続してまいりたいと考えております。
次に、バス利用実態調査の概要でございます。バス利用実態調査の方法につきましては、交通計画が専門のコンサルタント業者に委託をいたしまして、市内を運行する全ての路線バスを対象に、1日をかけて各路線、各系統各便に同乗し、実態調査及び利用者のヒアリングを行いました。それによりまして利用の目的、利用頻度、運行への要望、改善点等を実施いたしました。実施日でございますが、平成27年11月25日、12月1日、12月3日、12月8日でございます。アンケートに対しましては1,005人の方から回答をいただいております。
次に、バス利用実態調査の詳細な総括と実証運行継続にこれらをどのように生かすかということでございます。バス利用実態調査につきましては、1つとして運賃低減による利用機会の変化、2つとして利用時間帯による利用者数の変化、3つとしてバス停間の変化、4つとして利用者満足度の変化、5つとして利用者による運賃低減施策の継続希望、6つとして利用者アンケートによる改善要望の6つの項目により検証しております。
詳細でございますが、運賃低減による利用機会の変化の項では、全体では33%の方が運賃低減施策により利用機会が増加しています。年齢別では特に高校生の通学利用、高齢者の外出機会の増加に結びついています。一方で、運賃低減を知らないという方も一定数おりますことから、低減を知らない方の掘り起こしがこれからの輸送人員増加に必要と考えております。
利用時間帯による利用者数の変化の項では、全体ではどの時間帯でも利用が増加しておりますが、通勤、通学での利用がふえていますことから、朝夕の通勤、通学時間帯の利用が特に増加しております。
バス停間の変化の項では、主に上田駅周辺を起終点といたしまして、真田周辺、丸子周辺、川西周辺からの通勤、通学の多い区間で利用者増に結びついております。
利用者満足度の変化の項では、満足と少し満足を合計した値は、平成19年の調査時の64%から22%増加し、86%となっております。
運賃低減施策の継続希望につきましては、97%の方から継続希望の回答を得ております。
最後に、改善要望の項では、バス路線全体の増便の要望が最も多く、次いで定時運行となっております。一方で、特になしとする回答も多くございまして、現行の運賃形態で一定程度満足している状況もうかがえます。
以上のことを踏まえまして、実証運行継続に当たりましては、利用実態調査の結果を市民の皆さん及びバス事業者と共有し、利用者増に向けた施策についてともに検討するための資料として活用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それでは、次に実証運行継続について質問してまいります。
1点目として、運行状況について継続的に検証する必要があると考えますが、今後の運行の検証の必要性と実施の方針についての見解はどうか。
2点目として、運賃低減バスの検証を踏まえ、運行に関する見直しも周期的に必要と考えますが、周期的な見直しの必要性と実施の方針についての見解はどうか。
3点目として、全員協議会の説明において、さらなる利用促進策の検討といたしまして、1、ダイヤの増便及び見直し、2、地元観光組合とのタイアップした利用促進、3、高校生、高齢者に対しての利用促進、4、従業員数の多い企業に対する利用促進、5、運転手の接客マナーの向上、6、運転免許証自主返納者支援事業の導入の検討が挙げられておりますが、これらの多くのものがこれまでも実施されてきた経過がございます。さらなる利用促進について具体的にどのように進めていくのか。
4点目として、この運賃低減バス導入の経過として、真田地域において検討されていたものが上田市全体の取り組みとして始まった経緯がございます。そのため、真田地域には現在真田地域公共交通利用促進協議会が存在し、地域の公共交通についてさまざまな検討や取り組みが行われており、地域の公共交通を考える上で非常に重要な協議会となっております。そこで、公共交通が抱える問題を地域の問題として検討する場がそれぞれの地域で必要であると考えますが、真田地域公共交通利用促進協議会のように、各地域において地域の問題として検討する場を設置する考えはないか。
以上4点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)今後の運行の検証の必要性と実施の方針についての見解ということでお答えをいたします。
今後の施策の取り組みを進める上で現状を把握することは必要であることから、運行の検証につきましては、毎月交通事業者から報告される輸送人員の推移のほかに、定期的に路線バスの乗降調査等を行い、実証運行継続後の利用状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
今後の運行に関する周期的な見直しについての考え方でございますが、公共交通の利用率向上のためには周期的な見直しが必要であると考えます。特に評価数値の低い路線について、路線ごとの傾向や特性等を把握するために、詳細な調査を実施してまいります。その結果については1年ごとに公表し、乗ることが路線の存続と補助金の削減につながることへの理解も深めていただき、改善されない路線については、路線の見直し等の可能性があることを周知してまいりたいと考えております。
次に、さらなる利用促進策について具体的にどのように進めるかということでございます。継続して取り組む方策の中でダイヤの見直しにつきましては、ただいまご説明いたしましたが、新たな路線を特定した詳細な調査を行い、増便や減便も含めた運行の効率化を図ってまいります。また、利用者の掘り起こし策といたしまして、高校生に対しての取り組みといたしましては、これまで新入生のみを対象としていたものを在校生にも重ねて周知を行うこと、また高齢者の取り組みといたしましては、新たに病院、スーパー、公共施設など目的別時刻表の作成にあわせまして、バスの乗り方についてわかりやすく掲載したチラシを作成し、高齢者が多く集まる施設に配置し、利用者の掘り起こしを行いたいと考えております。また、運転手の接客マナーの向上につきましては、これまでも事業者と協議を重ねてまいりましたが、引き続き指導をしてまいりたいと考えております。
次に、新たに取り組む方策といたしまして、地元観光組合等とタイアップし、バス利用の向上につながる施策について協議してまいります。また、従業員数の多い企業に対する利用促進では、企業の総務担当者と個別に協議をし、利用啓発やチラシの配布の依頼もしたいと考えております。
運転免許自主返納者支援制度の導入につきましては、高齢者の運転免許返納者にタクシーの利用補助券を配布することでタクシー利用による外出しやすい環境をつくり、その後の交通手段として公共交通を利用するきっかけとしてもらいたいと考えておりまして、長野県タクシー協会上小支部の皆様と現在協議を進めているところでございます。
次に、真田地域公共交通利用促進協議会のように各地域においても取り組みができないかということでございます。議員ご指摘の真田地域公共交通利用促進協議会は、自治会連合会、健康福祉団体、商工観光団体等の各種団体のほか、地域内の事業所、学校関係者で構成された協議会でございまして、路線バスの利用率向上のためにさまざまな取り組みを平成23年度から実施をしております。今回の実証運行の結果を見ますと、真田地域を運行する路線バスの利用実績は市内17路線の中でも上位に位置しているものが多くありまして、協議会の果たす役割は大きなものがあると考えております。
市といたしましては、まずこれまでの3年間の実証運行の結果を市が交付する補助金額等も含めて広報等で公表いたします。特に利用率が低い路線の状況につきましては、沿線にある地域協議会を中心に報告させていただき、市内の路線バス及び自分の住む地区のバスの現状を認識していただきたいと考えております。その中で行政や事業者側の取り組みだけではなく、真田地域のように促進協議会の取り組みも紹介させていただく中で、地域が主体となって公共交通を守り育てるという機運が盛り上がってくることを期待しております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)実証運行継続につきましては、これまで以上に見直しも検証もきめ細かく行う必要があると思います。地域でのそれぞれの問題として多くの方がこの問題についてかかわることが重要ではないかなと考えるところであります。
次に、輸送人員の少ない路線について質問してまいります。まず1点目として、実証運行を継続した後も輸送人員がふえない路線、少ない路線について、その後の運行方針の見解はどうか。
2点目として、運転免許証自主返納者支援事業の導入検討として、高齢者等の運転免許証返納者にタクシーの利用補助券を配布し、交通事故の防止と外出しやすい環境をつくり、その後の交通手段として公共交通を利用するきっかけをつくるとしておりますが、今後具体的にどのように検討し、どのように公共交通を利用するきっかけとするのか。
3点目として、路線バスの及ばない地域や路線バスの運行が困難な地域において、乗り合いタクシーや公共交通空白地タクシー補助などの事業を実施している自治体が多く見られます。特に高齢者の皆さんについては、タクシーの活用によりドア・ツー・ドアでの交通が確保できることから、大きな成果を上げているケースもあるとのことです。上田市においても利用者の少ない路線、あるいは運賃低減効果の見られない路線などについては、利用者の利便性の検証を行った上、路線バスへの補助金額、利用者数などと乗り合いタクシーやタクシー補助を実施した場合などの費用対効果について比較を行い、今後の公共交通施策に生かすべきと考えますが、路線バスにかわる交通手段の確保の検証と検討の考えはないか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)実証運行を継続した後も輸送人員がふえない路線、少ない路線について、その後の方針ということでございます。
まず、今後の実証運行に当たっての検証の考え方でございますが、単純に輸送人員の増減のみだけで判断するのではなくて、1便当たりの輸送人員や1人当たりの補助金額なども加味し判断していくということでございます。1年ごとに路線ごとの検証を行い、結果の公表をしながら、市民の皆さん、事業者と課題を共有し、利用者増と運行の効率化を図る必要があると考えております。それでも改善されない路線については、減便、代替手段等見直しもやむを得ないという認識も持っております。
運転免許自主返納者支援事業の具体的な取り組みということでございますが、先ほど申しましたとおり、現在長野県タクシー協会上小支部とも協議を進めておるところでございます。具体的な補助の内容及び方法についても検討してございます。あわせて警察署とも協議しながら、免許証が返納される警察署並びに運転免許センターの窓口等で公共交通利用促進のチラシや時刻表の配布など、公共交通利用のきっかけとなる有効な手段について検討を重ねてまいりたいと考えております。
次に、今後路線バスにかわる交通手段の確保の検証と検討の考え方ということでございます。市内バス交通につきましては、事業者が主体となり運行している路線バス、市で委託運行しているバス、武石地域で運行しているデマンドバス、また地域の皆さんが主体となり運営している豊殿地区自主運行バス等のコミュニティバスがございまして、それぞれ地域の住民ニーズや地理的、地形的な条件等もあり、地域の実情に合わせた運行がされております。中でも豊殿地域のコミュニティバスは、地域内にお住まいの高齢者等の移動制約者の通院や買い物などを支援するために、地元の振興会や自治会連合会が中心となり自主運行をしております。毎年2,000人の方の利用がございまして、地域住民の皆さんがみずから経費を負担しているものであります。地域の移動手段を守る取り組みとして全国的にも注目されているところでございまして、このように地域が主体となった取り組みが他の地域にも波及し、地域の皆様がみずから守り育てる公共交通の構築が進むことが重要であると考えております。
市といたしましては、人口減少や少子高齢化が進展する中で、地域の活力の維持、向上を図るために、コンパクトなまちづくりと連携して面的な公共交通ネットワークを構築していく必要があると考えております。今後持続可能な公共交通網の形成について検討を進める中で、先ほどのデマンドバスや自主運行バスも含めた地域の実情に合った公共交通のあり方について検討を重ねてまいりたいと考えております。
また、議員からご提案がございましたドア・ツー・ドア型の地域交通づくりにつきましても、競合する既存のバスやタクシーの事業者の経営に与える影響等も考慮しながら、地域のニーズや費用対効果、さらにはシステムのあり方も含めまして慎重に検討する必要があると考えております。
今後も利用の低調な路線につきましては、「乗って残す、乗って活かす」ことの重要性を市民の皆様に改めてご理解をいただき、地域、事業者、行政が一体となった利用促進を図ることにより輸送人員の増加につなげるとともに、市の支出軽減にも努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきましたけれども、やはり「乗って残す」ということを大前提というお話をお聞きいたしました。この継続期間を経て非常に厳しい判断をしなければならない事態もあるかと思います。ここまでの3年間の実証運行の結果を今後の輸送人員増につなげていただくよう、活用していただくよう期待をいたします。
次に、新潟薬科大学上田キャンパス設置構想について質問してまいります。昨年8月24日、新潟薬科大学から上田市内にキャンパスを設置したい意向が示されました。これまで新潟薬科大学側から具体的な支援要望が示されないとのことでありましたが、新潟薬科大学が開設時期を平成30年4月と予定しており、開設予定時期まで2年を切った中、キャンパス設置に向け具体的な動きが見えず、市民の皆さんの関心も高いところです。そのような中、本年3月25日には上田商工会議所、上田市商工会、真田町商工会、長野県経営者協会上小支部、長野県中小企業団体中央会上小支部、信州うえだ農業協同組合の6経済団体より、新潟薬科大学長野薬学部上田キャンパス設置に向け誘致推進委員会が組織され、4月1日には同委員会より学園都市、健幸都市を目指す上田市に新潟薬科大学長野薬学部上田キャンパスを誘致し、地域社会経済の活性を図るよう、市長と市議会議長に対し陳情が行われたところであります。
そこで、まず初めに上田キャンパス開設に向けての動向として、新潟薬科大学より意向が示され10カ月がたとうとしておりますが、現在の大学側の状況についてお尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)新潟薬科大学上田キャンパス設置構想について、現在の状況ということでございます。
新潟薬科大学長野薬学部の上田キャンパス設置構想につきましては、平成27年9月議会の全員協議会で報告をしたところでございます。それ以降大学の設置に当たり大学みずからが用地の選定、医療関係団体や県、市への協力要請を行いながら、資金計画を策定するために校舎の基本設計に着手するなど、大学として意思決定に向けて鋭意取り組んできたとお聞きしております。大学では平成30年4月の開設を目指しておりまして、本年4月には市内の経済団体で構成する新潟薬科大学長野薬学部誘致推進委員会から、長野薬学部設置の実現とそのために市からの財政支援をしてほしいという要望書が市長にも提出されたところでございます。また、大学ではことしに入り長野県とも話し合いを重ねてきておりまして、県全体で協力をいただくために、再度医療関係団体への協力要請を行っているとお聞きしております。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)次に、新潟薬科大学上田キャンパス設置にかかわる条件について質問してまいります。
まず1点目として、新潟薬科大学上田キャンパス設置に必要な敷地面積と建物面積はどのくらいの規模が必要と想定されるのか。
2点目として、新潟薬科大学側から示された設置場所の条件として、上田駅から徒歩圏内とされておりますが、条件の圏内で建設用地の確保は見込めるのか。
3点目として、建設用地については、先ほどご答弁の中でも少し触れられましたけれども、あくまでも新潟薬科大学側の責任において用地を決定するものなのか、市としてかかわるべきことではないのか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)上田キャンパス設置に係る条件、必要な敷地面積、建築面積ということでございます。文部科学省の大学設置基準におきましては、学部の種類や収容定員数に応じて配置しなければならない教員数、学校の敷地や校舎に備えるべき施設、収容定員数に応じた敷地や校舎の面積などについて細部まで定められております。長野薬学部上田キャンパスは、1学年の入学定員は100人とすることを検討されておりまして、6年制であることから収容定員は600人ということになります。収容定員600人の場合、敷地の基準面積は6,777平方メートルであります。また、校舎の面積につきましては、1人当たり10平方メートルとされておりますことから、6,000平方メートルということになります。
次に、上田駅から徒歩圏内とされております建設用地の確保についての考え方でございます。上田キャンパスの設置場所については、大学側が上田駅から徒歩で歩ける範囲の中で探しておりまして、地権者と交渉中であるとお聞きしております。上田駅から徒歩圏内にという条件に合致する用地がないか市に問い合わせをいただいたことがございますが、上田市といたしましては、大学側においてみずから用地を確保していただくものと考えております。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)次に、新潟薬科大学から上田キャンパス設置の意向が示された段階において、既に上田キャンパスの特徴と地域への貢献について具体的に示されており、期待すべき内容となっております。まず上田キャンパスの特徴として、1、上田薬剤師会会営薬局をキャンパス内に開設し、教育効果の向上とモデル的な薬局とする、2、薬剤師生涯学級センターを開設し、全国から薬剤師が上田市に集う、3、住民を対象として健康、医療、食、環境などをテーマに生涯学習講座を開講、4、大学と薬剤師会の海外提携先から先進事例の提供を受け、国際的な教育拠点化、5、情報通信技術、いわゆるICTを利用した遠隔医療及び災害薬学の実践拠点の整備として、情報インフラを活用し医療機関、大学が連携して遠隔医療を実施し、遠隔医療の実践拠点として上田キャンパス内に診療所を設置検討中、以上5点が示されております。地域の貢献につきましては、1、豊かな健康生活推進支援として、社会連携教育を通して地域住民の健康状態の調査と健康指導の実施、健康寿命を平均寿命に近づける施策の創出と啓蒙活動、2、食育、6次産業の創出支援として、機能性食品の開発支援、3、薬草研の復活支援として、品質の一定した薬草の提供、4、医療機器の開発支援として、検査機器、服薬援助機器等の開発支援、以上4点が示されております。これらを踏まえ、上田市としてどのように捉えているか、お尋ねいたします。
まず1点目として、新潟薬科大学の掲げる上田キャンパスの特徴について、上田市にどのような効果があると捉えているか。
2点目として、新潟薬科大学の掲げる地域への貢献について、上田にどのような効果があると捉えているか。
3点目として、上田市に新潟薬科大学上田キャンパスが設置されることによるそのほかの効果についてどのように捉えているか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)上田キャンパス設置に伴います上田市への効果について、幾つかの観点から市の考え方について申し上げます。
上田キャンパスが設置されることによりまして期待される効果は数多くございますが、ここではまとめて5点について述べたいと思います。まず1つ目は、薬剤師生涯学習センターの開設でございます。これは、全国から薬剤師が上田に集まってまいりまして、この地におきましてさらなる知識や技術の向上といった自己研さんが行われるということでございます。これによりまして従来から医薬分業の先進地として地位がさらに向上するとともに、上田地域の病院や薬局などに必要な知識や技術の蓄積、優秀な人材の育成や集積が期待できるものと考えております。
2つ目に、住民を対象とした生涯学習講座の開講についてでございます。健康づくり、食生活、環境問題といったテーマが想定されておりまして、市民の皆さんが健康で有意義な暮らしを送る一助になると期待をしているところでございます。
3つ目、健康寿命を平均寿命に近づける施策の創出を掲げております。長野県は男女ともに平均寿命が日本一長い長寿県でございますが、いわゆる健康寿命との乖離が大きいという状況にもございます。健康寿命を延伸させるには適正に医薬品を提供する薬剤師の存在も不可欠であり、市との連携による健康寿命を延ばすような施策の創出が期待できると考えております。
4つ目といたしまして、機能性食品や検査機器など開発支援を掲げられておりますが、地元企業との共同研究や技術開発、雇用創出といった効果や、健康食品、健康機器などの開発メーカーが上田地域に拠点を構えていただくことなど、企業誘致も期待できるところであると考えております。
5点目といたしましては、大学がもたらす経済波及効果や活力の創出が挙げられます。新たに大学の校舎が建設されることと大学が行う教育研究などの運営により、消費活動や多くの学生や教職員が上田地域に住んだり通勤をする中で発生するさまざまな消費活動がもたらす経済波及効果は非常に大きいものがあると考えております。また、上田駅から徒歩圏内に大学があることによりまして、上田市の顔である駅前や中心市街地に若者がふえ、にぎわいが生まれることにもつながります。
なお、長野薬学部の設置が地域に与える経済波及効果につきまして、先日新潟薬科大学から発表がございました。波及効果は大きく分けて2つございまして、1つは大学の運営に伴うもの、もう一つは新しくキャンパスが建設されることによるものでございます。大学が運営されることに伴う効果といたしましては、年間12.1億円というものが試算されております。新しく大学のキャンパスが建設されることによる経済波及効果でございますが、長野県の建設業者が元請となった場合、その経済波及効果は県内全体で115億2,000万円と試算されているとお聞きしております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁いただきましたけれども、ご答弁にありましたとおり、地域の貢献度、経済効果非常に大きいようであります。私のもとへもキャンパスの推進していただくようにという声が届いております。私といたしましてもぜひ実現するべきと考えるところであります。
そして、市民の皆さんは、市長がキャンパス設置構想についてどのような思いをお持ちなのか、関心の高いところでもございます。そこで、新潟薬科大学上田キャンパス設置構想に対する市長の考えと方針、思いも含めましてお尋ねし、私の最後の質問といたします。
o 議長(土屋 陽一君)母袋市長。
〔市長 母袋 創一君登壇〕
o 市長(母袋 創一君)上田キャンパス設置構想に関する概要とか、またさまざまな期待できる効果については今ほど質問があった中でございましたので、そのとおりかと思います。大学が新しく設置されることによって何が変わるか。それは1つには、若者が上田市に確実にふえて活力が生まれるもととなることもありましょうし、また大学が持っている知的資源が新たに加わってくるという大きな要素もありましょう。とりわけ今まで薬学という分野においては長野県内になかった学問領域でもございます。上田市が掲げる「健幸都市うえだ」を推進していく上でも重要なパートナーとなり得るものではないかと、このようにも考えております。
当初進出の意思を示された際私から申し上げたことは、単なる薬剤師という資格を得るためのキャンパス、学校であるということではなく、それ以上の新たな役割に期待をいたしますが、もっと健康とか、あるいは介護、医療、そういった分野での役割というものはないのでしょうかと率直に申し上げました。その後先方においてはさまざまなご検討いただいたことは承知はいたしております。つまり大学側には薬剤師を輩出していただくだけではなく、先ほど議員からもお話があったように、地域への貢献、こういった面で大いに期待をしているということでもございます。しかもその範囲は上田市に限らず、なるべく広い範囲での貢献、そういったものも目指すことが理想ではないかとも考えます。今後市が構築を目指す地域包括ケアシステムにとって薬剤師の存在、これも重要な役割を果たすと予想されます。薬学部がこの上田市にあるということにおいて、より一層その推進が図りやすくなるのではないかと考えます。
また、2つには、市内の高等教育機関との連携によることへの期待もございます。例えば、信州大学繊維学部との連携、あるいは共同研究によって新たなシーズが生み出されるなどの展開、こういったものも期待できるのではないかと考えます。
さらに3つに、中核病院たる信州上田医療センター等との連携、これも視野に入れれば貢献度というものも高まってくるのではないかなと思います。
4つには、先ほど申しました、県内には薬学部がなく、そして結果、薬剤師を目指す学生は県外の大学に進学せざるを得ない状況でございましたが、その傾向として、そのまま県外の病院とか薬局などに就職をしてしまう方が多いともお聞きしておりました。薬学部が県内にできることによって県内の学生の進学先となれば、就学時の県外流出も一定程度は食いとめられるものと、このように期待もできます。逆に県外から入学してきた学生、あるいは県内や上田地域で就職をして活躍いただく、そういったことも予想されますし、新たにその家族を築くなど、まさに地方創生とか、第二次上田市総合計画で位置づけた学園都市づくり、これの目指す方向にも合致するものとも考えております。
以上、上田キャンパス設置構想ということに対する私の考えを述べましたが、一方で進出に際する当市とか、あるいは県からの支援というあり方も要望がございます。これは課題として受けとめてはおりますが、それらも含めて今後大学の意思決定がなされた段階において、上田市が大学側に対してどのような協力とか支援ができる得るのか、今後の課題、協議をしてまいりたいと考えております。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員の質問が終了いたしました。
上田市本庁舎等耐震改修・改築事業等庁内検証結果
6月定例会が6月6日より開会し、初日終了後の全員協議会において上田市本庁舎等耐震改修・改築事業等庁内検証結果について報告がなされました。本庁舎・南庁舎を現在の場所で本庁舎を建て替え、南庁舎を耐震補強すれば、耐震化と同等の事業費で可能であり、この方針を柱に更に具体的な検討に入ることが報告されました。
運賃低減バス運行計画の結果と今後の方針
平成28年6月定例会が6月6日開会し、初日終了後の全員協議会において、平成25年10月1日より実証運行が行われていた運賃低減バスの実証運行後の運行について方針が示され、実証運行を更に3年間延長することとなりました。このことについては、6月13日から行われる一般質問で詳細について質問いたします。
環境建設委員会 委員長に就任
平成28年4月25日上田市議会臨時議会において、環境建設委員会委員長に就任いたしました。1期目後期で委員長として務めさせていただくこととなりました。市議会へ送りだしていただきこれまでの2年間、精一杯議員として精進してまいりました成果と感じております。これまで以上に精進してまいります。それぞれの役職につきましては以下の通りです。
議長 土屋陽一 副議長 小林隆利
環境建設委員 委員長 佐藤のりゆき(1期目) 副委員長 松尾 卓(1期目)
総務文教委員会 委員長 半田大介(2期目) 副委員長 金子和夫(1期目)
産業水道委員会 委員長 小坂井二郎(2期目) 副委員長 山田英喜(1期目)
厚生委員会 委員長 佐藤清正(2期目) 副委員長 成瀬 拓(1期目)
広報広聴委員会 委員長 松山賢太郎(2期目) 副委員長 松井幸夫(1期目)
議会運営委員会 委員長 土屋勝浩(2期目) 副委員長 池田総一郎(2期目)
臨時議会 委員会構成変更
平成28年4月25日から26日の2日間の日程で臨時議会が開催されました。上田市議会構成の変更が可決されました。これまでの議会機能特別委員会は議会報告会運営、議会だよりの発行などを担当しておりましたが、議会報告会、議会だよりはこれからも継続されるため、常任委員会としていくこととされ、「広報広聴委員会」として設置されました。また、議会基本条例推進を目的に、議会運営委員会から独立して設置されていた議会機能強化特別委員会については、昨年度までに議員間討議などの試行の実施などを実現したため、今後はその役割を議会運営委員会に戻し引き続き推進を図ります。これにより、5常任委員会と議会運営委員会からの構成となり特別委員会の設置がなくなりました。
上田市議会 新たな委員会構成
平成28年3月定例会 一般質問
市政について
o 議長(下村 栄君)次に、質問第4号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)今回私からは、多面的機能支払制度の推進についてと、菅平地区振興施設整備について、通告いたしましたとおり質問してまいります。
まず初めに、多面的機能支払制度の推進について質問してまいります。日本型直接支払制度の中でも多面的機能支払交付金については、農地としての本来の機能の維持、農地や農業施設が地域の環境や防災に寄与するなど多面的機能の維持、発揮するための共同活動を支援する農地維持支払交付金と、地域資源の質的向上を図る共同活動を支援する資源向上支払交付金で構成されており、平成27年度の国の当初予算でも482億円余と、日本型直接支払制度全体の798億円余のうち約60%を占めております。平成26年度に農地・水保全管理支払交付金は、農業の有する多面的機能の発揮を促進し、担い手の負担を軽減することを目的とした日本型直接支払制度の多面的機能支払交付金として事業内容が拡大され、さらには平成27年度から多面的機能の発揮をさらに促進する目的で、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律が法制化されたところであります。
地方交付税措置については、多面的機能支払交付金にかかわる地方公共団体の負担について、普通交付税で6割を算定し、残余については市町村については6割、都道府県については4割を特別交付税で措置することとされており、財源として有利な上、制度の大きな目的として、地域の共同活動を支援することを目的としており、本来の農地の多面的機能を発揮させるだけではなく、担い手を育て、地域の活動を活性化することなどにもつながる制度であり、上田市としても積極的な制度利用を推進する必要が高いと考えるものであります。
そこで、1点目として、対象農用地面積に対する取り組み面積の比率、いわゆるカバー率について、平成27年11月現在上田市が27.6%に対し、長野県平均が30.9%、上小地域32.4%、全国平均に至っては平成26年度末で既に約46%を達成している状況であります。上田市のカバー率が低い状況についてどのような原因と考えているか。
2点目として、上小地域における平成29年度の達成目標は43%としておりますが、上田市としてのカバー率の目標はどう考えているのか。
3点目として、上田市においては平成26年度に多面的機能支払制度に移行した後、制度移行の効果と上田市としての推進の取り組みの効果もあり、移行後21組織増の42組織が平成28年2月7日現在活動をしております。多面的機能支払制度移行後の平成26年度については15組織が加わったものの、平成27年度には6組織増と、多面的機能支払制度移行後と同程度の状況となっております。カバー率の向上と多面的機能支払制度の推進についての今後上田市としての取り組みの見解と、今後の取り組みについて具体的な方策をどのように考えているか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)保科農林部長。
〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕
o 農林部長(保科 隆夫君)多面的機能支払制度の推進のうち、まず対象農用地面積に対するカバー率について、上田市が低い原因についてご答弁申し上げます。
多面的機能支払制度は日本型直接支払制度の一つの施策として創設された制度でございまして、農業農村の持つ多面的な機能を十分発揮させることを目的としております。議員からはただいま環境や防災への寄与とのご紹介もいただきましたが、さらに農業農村の持つ多面的な機能を具体的に申し上げますと、例えば水田にはダムと同じく夕立などの豪雨の際の洪水調整機能がありますし、農業用の水路には、農地に限らず住宅地の周辺における雨水、雨水などの表面水の受け皿にもなっておりますことから、農地や農業用施設は市民生活や経済の安定を図る上で地域の重要な資源となっております。
このように農地や農業用施設が持つ多面的機能を維持増進していくため、農業者と地域住民が共同して取り組む農地のり面、あぜでございますが、この草刈りや、水路、農道等の農業用施設の維持、補修等の活動を支援し、あわせて自然景観を含む農村環境の保全に寄与するものでございます。
議員からご紹介もございましたとおり、現時点で市内で多面的機能支払制度に取り組んでおりますのは、単独の自治会、あるいは同一水系の複数の自治会を一つの単位とする組織もございまして、合計42の組織でございます。これを地域別で申し上げますと、上田地域が32組織、丸子地域が5組織、真田地域が4組織、武石地域が1つの組織でございます。
対象となる農振農用地面積に対するカバー率は市全体で27.6%と、ご紹介のございましたとおり、県、上小地域の数値を下回っておる状況でございます。これを地域別によるカバー率に換算いたしますと、上田地域では48%と比較的進んでおりますが、丸子地域では13%、真田地域では7%、武石地域では6%であることから、地域により取り組みに差が生じております。これをまた地目等の別でございますが、水田におきましては44%と比較的取り組みが進んでおりますが、畑あるいは樹園地では7%にとどまっておりまして、これは農地におきましては水田に比べ団地化、これは農地における一体の固まりを意味するものでございますが、この団地化が限られていることや、水利組合等の活動組織の母体となる組織が少ないことが一因ではないかと考えております。
次に、上小地域のカバー率の達成目標と上田市の目標との関係でございます。対象となる農振農用地面積のうち、上田市の面積は上小地域の過半数を占めておりますことから、上小地域の目標値でございます43%を当市の目標として制度の推進に取り組んでまいります。
次に、カバー率の向上と多面的機能支払制度の推進に対する取り組みということでございます。先ほど申し上げましたカバー率をさらに向上していくためにはさらなる制度の周知が必要でありますことから、今後現在カバー率が低い真田地域、また武石地域などを重点的に推進してまいりたいと考えております。
具体的に申し上げますと、圃場整備など基盤整備済みの農地を優先して選定いたしまして、各地域自治センターと連携の上、自治会単位あるいは水系単位などの細かい単位で制度の周知、また組織設立の準備段階からの支援をしてまいりたいと考えております。
また、地目あるいは用途別においてカバー率が低い畑、また樹園地についてでございますが、野生鳥獣の被害を防止する獣害防止柵の修繕、更新もこの事業の対象となっておりますことから、対象地域の拡大を検討している既存の組織も現在ございます。このように地域の特性に合ったきめ細やかな対応をとることにより、畑、樹園地のカバー率の向上が図られるものと考えております。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきましたけれども、やはり地域性が非常に異なるということで、上田地域の中でも非常にやはり地域性というものが強いのかなと感じたところでございます。
農業に従事する市民の皆さんはもちろんのこと、JAなどにとってもこの制度は非常に有益な制度であります。また、農業に従事しない市民の皆さんにとりましても、先ほど部長のほうからもご紹介ございましたけれども、災害などに対する対応、また地域活動の活性化という意味でも非常にメリットのあるものでございます。上田市にとりましても言うまでもなく大変有益な制度であります。
しかしながら、市民の皆さんにお聞きしましてもなかなかこの制度を知る方が少なく、農業に従事する皆さんにあってもやはりこの制度について知る方は少ない状況であります。先日私がJAの職員の皆さんとお会いする機会がございまして、その際にちょっとお聞きしてみましたところ、その中でも、職員の方でもなかなか知らないという状況でございました。この制度を推進するためには、上田市において制度の認知度、先ほども部長のご答弁からもございましたけれども、認知度を向上させることが非常に重要であり、あわせてJAでの認知度向上とJAとの連携活動が重要であると考えます。
そこで、1点目といたしまして、上田市において多面的機能支払制度についての認知度が低いと考えますが、推進のために今後制度の認知度向上の取り組みについての考えはないか。
2点目として、長野県においては農業農村多面的機能が発揮されるよう、長野県農業農村多面的機能発揮促進協議会が組織されており、長野県農業協同組合中央会、長野県農業協同組合連合会長野県本部もオブザーバーとなっております。にもかかわらず、先ほども申し上げましたとおり、JAの中でも多面的機能支払制度の認知度は低く感じられます。上田市としてもJAでの認知度向上に努め、連携強化を図り、多面的機能支払制度を推進する必要が高いと考えますが、見解はどうか。
3点目として、認知度を向上させる取り組みと制度の概要を調べる方のためにホームページなどの充実が必要と考えます。上田市のホームページは他自治体と比較いたしますと、比較的多面的機能支払制度も含め、日本型直接支払制度については詳しく紹介されておりますが、多面的機能支払制度の移行前の各組織の活動状況については詳しく紹介されているにもかかわらず、移行後については15組織が加わり、現在36組織が活動をしていますと掲載されているだけの情報にとどまっており、具体的な取り組み状況の情報発信がなされていない状況であります。制度利用を検討する団体が迅速に取り組み状況の情報収集ができる環境づくりの体制構築が必要と考えますが、ホームページ以外の取り組みも含め、見解はどうか。
以上3点お伺いいたします。
o 議長(下村 栄君)保科農林部長。
〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕
o 農林部長(保科 隆夫君)多面的機能支払制度の推進のための認知度向上への取り組みについてでございます。多面的機能支払制度は、議員からご紹介もいただきましたとおり、平成27年の4月に法制化されました。これにより今後とも予算が確保され、組織運営も安定化が図られてまいるものと考えております。また、制度改正により農業者のみで構成される活動組織も交付対象となることから、旧制度と比べて格段に取り組みやすくなってもおります。私どもは新制度へ移行する平成25年度末から26年度におきまして、地域自治センター単位で自治会、土地改良区、農家組合等を対象として重点的に合同説明会を行ったほか、きめ細かな対応に心がけまして、市内6地域の営農活性化委員会や、さらにその下部組織の活性化組合の会合などにおきまして本制度の説明を行ってまいりました。この結果、平成26年度におきましては15組織が、平成27年度には6つの組織が新たに活動に取り組むこととなりまして、一定の成果は上がったものと考えております。
また、現在も平成28年度の設立に向けて準備中であったり、今後の組織化に向け検討している地区も複数ございますことから、こうした地区に対して引き続き支援をしてまいります。
次に、JAとの連携についてでございます。農業関係団体の中でもJAは、農業農村維持の基本となる人・農地プランの推進、またこの見直しや農地流動化を初め農政新時代を迎え、農業農村の体質強化を図っていく上で今後とも最大のパートナーと認識しております。多面的機能支払制度に関する事業を推進していくことは地域農業を維持、発展させていくことであり、すなわち農業所得の向上、そして経営の効率、安定化につながってまいりますことから、目的を同じくするJAとのさらなる連携に努めてまいります。
次に、市のホームページなど情報環境の課題についてでございます。市のホームページには多面的機能支払制度に関する情報として、制度の概要、活動の手引き、活動の解説や平成26年度以前から活動している組織の活動状況等を掲載しておりますが、26年度以降に新たに取り組みを始めた21の組織については、事業開始が年度途中であったり事業内容がまだ限られていたなどから、現時点では掲載しておりませんでした。しかし、新しい組織が誕生してきていること、その組織が地域に合った活動計画を立て一歩、そして二歩と踏み出していることなど、進行形で情報を発信することも大切なことであると考えております。現在これらの組織を含めた既存の42組織の活動内容を示した資料を作成中でございまして、完成次第速やかにホームページに掲載していく予定でございます。また、これにより組織間の情報共有が図られることに加え、未実施の地区への啓発も図られるものと考えております。今後さまざまなチャンネルを使いながら啓発に邁進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)認知度向上、JAとの連携、情報提供についてそれぞれご答弁をいただきました。
今回多面的機能支払制度推進の質問に当たりまして事前調査の段階の中で、上田市の担当課の皆さんには推進に向け非常に努力をされているという姿がうかがえました。しかしながら、この制度の推進は限られた人数の担当課だけの努力では限界があると考えるところであります。ぜひJAとの連携を強めていただきまして、今後この制度の推進をしていただくように期待するものであります。
次に、多面的機能支払制度は構造改革を後押しすることを大きな目的としており、農地流動化を促進し、農業の担い手の安定的な収益を確保することももくろんでおります。上田市においても農地流動化を推進し、採算のとれる農業を目指す必要があると考えますが、上田市における多面的機能支払制度利用による農地流動化の効果はこれまで見られるのか、また多面的機能支払制度利用による農地流動化の促進を市としてどのように考え、今後推進の考えはあるのか、推進の考えがあるとするのであれば、具体的にどのように推進していくのか、お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)保科農林部長。
〔農林部長 保科 隆夫君登壇〕
o 農林部長(保科 隆夫君)農地の流動化についてのご質問で、まず多面的機能支払制度による農地流動化の効果についてでございます。農家の高齢化や後継者不足により、今後とも農地の出し手が増加していくことは確実でございます。このような中で、受け手としての担い手農家の負担を軽減していくためには、地域の共同活動による農地のり面の草刈りや水路の維持作業等を行うことなど、さまざまな支援や農地集積などの流動化が求められているところでございます。
一例を申し上げますと、本制度の中で豊里地区では、緑援隊、緑を支援する隊と書きますが、この緑援隊が、そして小泉地区では草刈支援隊という共同活動の組織が結成されております。そして、これらの組織が担い手農家が耕作する農地のり面の草刈り等を行っていただいております。水張り面積だけでは手いっぱいな担い手農家は、それ以上の面積を受けることができないわけでございます。ところが、これを地域の共同活動により支援が受けられるという仕組みが整いますと、これにより担い手農家の草刈り等の負担が軽減されますことからさらなる規模拡大が可能となり、結果、農地の流動化が地域において加速されてくるわけでございます。
多面的機能支払制度による農地流動化の具体的な促進について次にご答弁申し上げます。上田市といたしましては、この制度を活用することにより、農地が農地として維持され、将来にわたり国土の保全、水源涵養、また景観形成等の多面的機能が十分に確保されるとともに、規模の拡大を目指す担い手農家の負担が軽減され、農地の流動化を加速化させることができるものと考えております。
こうしたことから、地域で支え合いながら農地の維持、保全を図る本制度をさらに推進し、市内に拡大していくべきと考えております。地域自治センターと連携の上、重点地区の集落ごとに説明会を行うほか、議員からもご提案いただきましたホームページの充実や各種広報媒体などさまざまなチャンネルを用いまして本制度のメリットを紹介し、活動地区の拡大に向けた取り組みを進めてまいります。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきました。最終目標としては、農地の流動化、農地集積まで効果を出せるような取り組みを推進していただくよう期待いたします。
次の質問に移らさせていただきます。新生上田市発足以前から新市建設計画の地域別整備方針にも盛り込まれ、新市発足後の平成20年には菅平振興施設検討委員会から市長に対し要望書が提出され、その後2019年ラグビーワールドカップ日本開催、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定する中で、菅平地区振興施設整備についていよいよ決定がなされました。
そこで、菅平地区振興施設整備について質問してまいります。まず初めに、建設について質問をいたします。まず1点目といたしまして、開設時期を2019年4月としておりますが、2019年ラグビーワールドカップ日本大会は2019年9月からの開催であり、開催の5カ月前の開設となっておりますが、2019年ラグビーワールドカップキャンプ受け入れに対し、開設時期は適切であるのか。
2点目として、菅平地区の地域性を考えますと、積雪も多い上、冷え込みも厳しいため、直前の冬期の工事がかなり制約を受けると思われますが、開設時期に影響を及ぼすようなことは懸念されないのか、また対策は講じられているのか。
3点目として、事業費についておおむね10億円程度とされておりますが、財源についてはどのような財源をどのような割合で活用するのか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)高橋真田地域自治センター長。
〔真田地域自治センター長 高橋 義幸君登壇〕
o 真田地域自治センター長(高橋 義幸君)菅平地区振興施設整備につきまして幾つかご質問をいただきました。まず、施設の開設時期についてでございますが、設置目的としておりますアジアで初めて開催となりますラグビーワールドカップ日本大会でございますが、出場20チームによりまして、国内12カ所の試合会場で2019年9月から開催をされます。ラグビーワールドカップにおけるチームキャンプには、大会初戦の約10日前から大会終了までの期間に行う公認のチームキャンプ、それと公認キャンプより前の日程で行われる事前のチームキャンプ、この2つがございます。昨年のイングランド大会でございますけれども、キャンプ地での滞在日数は最短で4日間、最長では26日間となっておりまして、出場20チームの平均は9.63日だったと伺っております。
菅平地区振興設備の開設時期につきましては、ラグビーワールドカップ日本大会が行われます2019年4月を予定しておりますが、この日程はチームキャンプの実施時期、また整備に係る財源、気象条件等を踏まえた工事工程等を勘案いたしまして設定したものでございまして、出場チームが求める公認並びに事前キャンプの受け入れには何ら問題なく、適切な開設時期と考えているところでございます。
次に、冬期間の工事の影響についてでございます。議員ご指摘のとおり、菅平高原では冬場の工事が難しく、特に外構工事については施工できる期間が限られております。このことから、当該施設の開設時期が遅延することがないように、当初設計の段階から工期を十分に考慮し、施工業者との綿密な打ち合わせを行い、それに基づく工事管理を行い、事業を推進してまいりたいと、こんなふうに考えております。
次に、事業の財源についてでございますが、主となる財源につきましては、事業費に対する充当率が高く、交付税措置率も高い辺地債を充てることを見込んでおります。また、このほかの財源といたしましては、地元負担金や補助金の活用についても検討を進めております。なお、地元負担金につきましては現在地元と協議を進めておりまして、今後協議結果に基づいて財源に反映させてまいりたいと考えているところでございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきました。開設時期等につきましても十分考慮されたということであります。
次に、施設について質問してまいります。まず1点目として、各種競技大会の開閉会式場として利用することとしておりますが、最大収容人数をどのくらいと想定し、収容人数に対する駐車場についてもどのぐらいと想定し、建設場所の菅平グリーンフィールドにおいては施設を建てた上で駐車場確保は可能なのか。
2点目として、駐車場については選手、チームなどについては大型バスでの移動が想定されますが、大型車両の駐車場についてはどのように想定し、大型車両の駐車場についてはどのように考えているか。
3点目として、施設建設の検討段階でクールダウンの施設としてプール建設の要望、検討などもありましたが、今回の計画にはプール建設は除外されております。菅平で実際に合宿を行ったチームに対し菅平に求められる施設に関するアンケートを実施した結果、プールが必要と答えたチームが4%にとどまったこともあり、アンケート結果も検討の参考にされたと推察いたしますが、どのような根拠からプール建設が除外されたのか、具体的な維持費の面の費用対効果も含めお答えをいただきたい。
4点目として、パラリンピックのキャンプ誘致も視野に入れておりますが、東京体育館などにおいては障がいのある方専用の広い更衣室を設置したり、歩行の不自由な方に対しては複数箇所のスロープの設置、車椅子利用者の誘導線設置、耳や言葉の不自由な方に対しては見やすい大きな案内看板の設置、筆談ボードの設置、目の不自由な方に対しては館内に誘導ブロックの設置、トイレ、更衣室の入り口などに点字案内の設置など、みんなに優しい東京体育館として、障がいのある方にも使いやすい体育館としております。菅平地区振興施設整備に当たり、障がいのある方に最大限利用しやすい施設とし、パラリンピックキャンプ施設として日本が誇れる日本一の、世界一の施設とするべきと考えますが、障がいのある方に最大限利用しやすい施設とする考えはないか。
以上4点お伺いいたします。
o 議長(下村 栄君)高橋真田地域自治センター長。
〔真田地域自治センター長 高橋 義幸君登壇〕
o 真田地域自治センター長(高橋 義幸君)まず、収容人数と駐車場についてでございます。まず、収容人数でございますけれども、屋内運動場の大きさにつきましては、施設要件で求められておりますおおむねバスケットボールコート1面程度を想定しております。観客の収容人数等につきましては、合宿での使用が主となることから、多くの観客を収容することは想定をしておりません。現在リゾートセンター2階大ホールで行われております各種大会の開閉会式での選手の参集状況、また地元要望、財源等を考慮いたしまして、今後基本設計に反映してまいりたいと考えております。
また、駐車場につきましても同様に、建設予定地におきます建物の位置、建築面積等を優先して駐車場を計画してまいります。なお、グラウンド西側の林地の整備につきましても、自然公園法や技術的な観点からあわせて検討してまいりたいと考えております。
次に、大型車両の駐車場についてでございますけれども、菅平高原は合宿地であることから、常時大型車両等が駐車することは想定しておりません。大型車両による送迎が多い場合には、現在のグリーンフィールドでのイベント開催時と同様、送迎後は地域内の他の駐車場へ誘導したいと考えております。
次に、プール設備が除外された経過でございます。プール施設の整備につきましては、平成26年10月に市が委託をいたしました株式会社日本総合研究所から、ラグビーワールドカップキャンプ地誘致に関する調査、この中の中間報告があり、プール施設はキャンプ地誘致にとっては絶対条件ではないが、あればベターであると報告がなされております。この報告を受けまして、翌月菅平の地元関係団体との協議を行い、プール設備は費用がおおむね7億円、施設全体での事業費は総額20億円に上ることから、財源の確保の見通しが難しいこと、またプールを整備した場合、維持管理に年間1,500万円から5,000万円程度のコストが見込まれることなどから、プールは新たにつくるのではなく、既存の公的施設、民間施設を活用していくとの方向づけを行っております。
次に、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ地誘致を視野に入れた施設整備についてでございますが、議員からご提案いただいたとおり、障がいのある方が利用しやすい施設を目指し、可能な限りバリアフリーの設計として、誰もが利用しやすい施設となるよう整備してまいりたいと考えております。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁いただきました。プールにつきましては、建設費用も莫大な上、維持費についても相当かかるということでしたけれども、菅平地区におきましても過去に民間のプールを建設し、利用した実績がございます。ご答弁とも整合いたしますが、やはり月に数百万円の維持管理費がかかったそうでございます。プールについては適切な判断をされたのではないかなと思うところでございます。
次に、利用運営形態についてお尋ねいたします。まず1点目として、施設管理、運営についてはどのような形態とするのか。
2点目として、整備計画では地域振興施設として整備するとしている一方、市民も利用できる施設としておりますが、サニアパークのこれまでの利用実績なども考慮いたしますと、当施設においてもトップシーズンにはアスリートの利用頻度がかなり高いものと予想されますが、トップシーズンも含め市民利用とどのようにすみ分けをするのか、また地域振興施設としてあくまでもアスリートの利用を優先するのか。
以上2点お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)高橋真田地域自治センター長。
〔真田地域自治センター長 高橋 義幸君登壇〕
o 真田地域自治センター長(高橋 義幸君)振興施設の管理運営につきましてでございますけれども、既存の菅平高原国際リゾートセンター、またサニアパークなど直営、指定管理を含めた総合的な施設管理運営につきまして、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、アスリートと市民の利用のすみ分けでございますが、サニアパークと同様に、7月から9月の間は合宿者が集中することから、合宿するアスリートを優先したいと考えております。その期間以外につきましては、市民を初めとする多くの皆さんにご利用いただけるよう生かしてまいりたいと考えております。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)次に、私の所属会派新生会は、政務活動費を活用いたしまして、一昨年文部科学省が日本で2カ所のみナショナルトレーニング高地トレーニング強化拠点施設として指定する施設の一つである山形県上山市の蔵王坊平アスリートヴィレッジを視察してまいりました。この蔵王坊平アスリートヴィレッジは、標高約1,000メートルに位置し、菅平高原のサニアパークと同規模の全天候型グラウンドに加え屋内運動施設を併設する施設で、標高も菅平高原に近く、施設についても今回の菅平地区振興施設に近い施設であり、参考とすべき施設でございました。
そこで、蔵王坊平アスリートヴィレッジから学ぶべき点について質問いたします。まず1点目として、蔵王坊平アスリートヴィレッジにおいては、低酸素発生器、高気圧キャビンなどを完備し、高地トレーニング施設としてより高地トレーニングの効果を上げるための機器、設備が完備されており、トップアスリートの利用頻度も非常に高いとのことでありました。高地トレーニング施設としてより効果的な機器、設備を完備し、高地トレーニングの効率的な施設として整備していく考えはないか。
2点目として、標高1,000メートルに位置する蔵王坊平アスリートヴィレッジは、20キロ圏以内で標高200メートル前後に移動できる地形を生かし、リビングハイ・トレーニングローの導入が進んでおります。このリビングハイ・トレーニングローとは、高地で滞在し、トレーニングは低地で行うことにより、身体の負担を軽減しつつ、効率よく身体能力を上げるトレーニング方法のことで、現在高地トレーニングの新たな方法として注目されております。菅平地区振興施設建設予定地においては、標高1,200メートルから15キロ程度で標高700メートル前後の真田地域があることから、立地条件としては類似しております。また、真田地域のスポーツ施設は女子ソフトボールトップチームの合宿地としても実績のあることから、この条件を生かし真田地域のスポーツ施設あるいは市内各スポーツ施設と今回の菅平地区振興施設とで連携を図り、リビングハイ・トレーニングローなど高地トレーニングの新たな取り組みを推奨した高地トレーニング施設として活用すべきと考えますが、リビングハイ・トレーニングローなどに対応した施設連携の考えはないか。
3点目として、蔵王坊平アスリートヴィレッジについては、陸上競技施設と屋内運動場が併設していることから、開閉会式の施設、雨天時の対応施設などとして併設しているメリットが大きく、利用者の評価も非常に高いとのことでございました。菅平地区においては、建設予定地を菅平グリーンフィールドとしており、サニアパークと離れて併設とはなっておりませんが、連携利用、一体利用についての見解はどうか。
以上3点お伺いし、私の最後の質問といたします。
o 議長(下村 栄君)高橋真田地域自治センター長。
〔真田地域自治センター長 高橋 義幸君登壇〕
o 真田地域自治センター長(高橋 義幸君)ご指摘のありました蔵王坊平アスリートヴィレッジでございますけれども、ナショナルトレーニングセンターとして文部科学省から指定を受け、それぞれの機器が備えられているところでございます。菅平高原はこれまでスポーツ合宿地として主に中学、高校、大学の合宿が多いことから、これらの機器を整備する必要があるのかないのか、実際に合宿を行っている選手、コーチの希望をお伺いしながら今後検討してまいりたいと考えております。
スポーツ施設との連携でございますけれども、リビングハイ・トレーニングローについてのご提案でございます。ことし実際にこのトレーニング方法に沿いまして菅平高原で宿泊を行い、標高の低い真田体育館でトレーニングしている例が東京の高校のバレーボールチームで何例かございました。今後も連携強化につきましては十分検討しながら、可能な範囲においてPRをしてまいりたいと、こんなふうに考えております。
次に、サニアパークとの連携でございます。屋内運動場施設のサニアパークの特性、また計画をしている屋内運動施設を備えた振興施設の特性を生かし、天候による開閉会式場の利用、またトレーニングジムの利用などで連携を図ることで一体的な利用がなされていくものと考えております。
また、現在辺地対策事業で整備を進めておりますサニアパーク南側からリゾートセンターを結ぶ市道原野地2号線、これが全線供用開始となれば、さらに連携が深まるものと期待をしているところでございます。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員の質問が終了しました。
平成28年3月定例会
平成27年12月定例会 一般質問
日程第2 一般質問市政について
o 議長(下村 栄君)次に、日程第2、一般質問を行います。
まず、質問第1号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)皆さん、おはようございます。平成27年を締めくくる12月定例会一般質問、3回目のトップバッターを務めさせていただきます。今回私からは、運賃低減バスと健康幸せプロジェクトについて、通告のとおり質問を進めてまいります。
まず初めに、運賃低減バスについての質問をいたします。平成25年10月1日より3年間を実証期間として、市内を運行する17の路線バスを対象に運賃低減バスを運行し、バス利用者の負担軽減を図るとともに、利用者の増加を目指しているところであります。本年3月の定例会におきまして池田議員からも運賃低減バスにつきまして利用状況について質問がなされましたけれども、その時点におきましては、輸送人員は徐々に伸び、昨年10月から本年1月までの4カ月の輸送人員は、実証運行前に比べ21.2%の増とのことでありました。しかしながら、目標である実証運行前の輸送人員50%増に対しては大幅に下回っている状況でありました。
そこで、いよいよ実証期間が残り10カ月を切った現在の目標に対する達成状況はどうか、お尋ねいたします。
また、運賃低減バス実証運行について、どれだけの経費がかかっているかも市民の皆さんの関心が高いところであります。そこで、実証運行後、新たな市の負担金額としてどのくらいの負担金額がかかり、どのように推移しているか、お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)金子政策企画部長。
〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕
o 政策企画部長(金子 義幸君)おはようございます。運賃低減バスのご質問についてお答えいたします。
運賃低減バスにつきましては、実証運行前の1.5倍の輸送人員の増を目標に掲げ、輸送人員の増加に向けた利用促進に努めてまいりました。実証運行を開始した平成25年10月から平成26年3月までの6カ月間の輸送人員の状況は、実証運行前に比べ5.2%の増でございましたが、平成26年度の1年間では19.6%の増、平成27年度に入りまして4月から9月までの上半期の輸送人員は24.4%の増と、年々増加してきている状況にございます。路線別では、実証運行前と比べますと、室賀線が154.3%、鹿教湯線が59.1%、傍陽線が39.8%の増となっているなど、17路線のうち14路線におきまして輸送人員が増加している状況にあります。
続きまして、実証運行後の新たな市の負担額についての推移でございます。実証運行後の新たな負担金でございますが、実証運行前の輸送収入と運賃低減となった実証運行後の運送収入の差額を補填するものでございます。負担金額につきましては、平成25年度下半期で1,960万円余、26年度は1年間で2,970万円余、27年度は上半期まで1,150万円余となっており、輸送人員の増加により負担金額は減ってきている状況にあります。
なお、小中学生及び高校生の市からの通学補助金につきまして、実証運行前の平成24年と実証運行後の平成26年を比較しますと、運賃低減の効果によりまして全体で約250万円の軽減が図られております。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきましたけれども、目標達成についてはまだまだ道半ばというところでございます。負担金につきましても、平成26年の2,970万円余りかかっているということでございましたけれども、この状況を踏まえまして、1点再質問をさせていただきます。
市としてこの支出の状況につきましてどのように考えているか、見解をお聞きいたします。
o 議長(下村 栄君)金子政策企画部長。
〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕
o 政策企画部長(金子 義幸君)目標とします輸送人員に至っていないことから新たな負担金が生じていますが、従来減少傾向にございました輸送人員が年々増加しておりますことは運賃低減の効果があったものと考えておりまして、特に朝夕の通勤、通学時間帯における利用者の増加、高校生の定期券利用者の増加など、地域の皆様のご理解、ご協力もありまして輸送人員の増加につながってきておると考えております。市としましては、引き続き積極的な利用促進により輸送人員の確保を図り、市の支出軽減に努めてまいりたいと考えております。
以上です。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)実証運行期間が10カ月を切った中、これまでの取り組みに加え、さらなる利用者増加に向けた取り組みが必要であり、目標達成に向け、さらなる取り組みを強めていかなければならないところでありますけれども、そこで今後の利用者増に向けた取り組みの考えはどうか、お尋ねいたします。
また、実証運行期間が残り10カ月を切り、実証運行期間終了後の運行方針につきましても、そろそろ実証運行の検証を行った上、方向づけていかなければならない時期に来ているものと考えるところであります。特にバス利用者はもちろん、これから高校などへ進学するお子さんを持つ親御さんなど多くの市民の皆さんの関心が高いところであります。そこで、実証運行期間終了後の運行に向けて、実証運行期間の検証をどのように行い、いつごろ実証運行期間後の運行方針を決定していくのか、お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)金子政策企画部長。
〔政策企画部長 金子 義幸君登壇〕
o 政策企画部長(金子 義幸君)最初に、今後の利用増に向けた取り組みのご質問でございます。運賃低減バスの利用促進に当たっては、より多くの皆様に多目的にバスをご利用いただけるよう、継続して幅広く啓発を行ってきておりますが、さらなる取り組みといたしまして、本年10月1日からは真田地域の菅平線、真田線、傍陽線、御屋敷公園線の4路線におきまして、利便性向上に向けたダイヤの改正等を行ってきたところでございます。引き続き定期利用者の確保に向けましては、高校生を対象とした利用促進として、入学シーズンに高校へ出向いての啓発や、観光客の利用の多い菅平線や鹿教湯線につきましては、首都圏への啓発として、鉄道や高速バスの利用に合わせて二次交通として路線バスを利用してもらう取り組み、また利用の低調な路線につきましては、沿線の皆様への戸別啓発など、運行事業者とともに積極的に取り組んでいくことで輸送人員の増加につなげてまいりたいと考えております。
続いて、今後実証運行が終了しますけれども、今後検証をどのように行い、今後の方針をいつ決定するのかというご質問でございます。今後の検証につきましては、実証運行期間中の乗降調査による輸送人員の推移のほか、利用者アンケートによります意向調査や利便性の向上等を確認するとともに、施策導入による事業効果として掲げています高校生の通学費負担の軽減の効果等さまざまな観点で検証を行い、本年度末をめどに運賃低減バスの今後の運行方針を示してまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁いただきましたけれども、今年度末には方針をお決めになられるという明確なご答弁いただきました。
平成22年の国土交通省の調査によれば、65歳以上の交通手段は、3大都市圏では自動車が37.3%に対して、地方都市圏につきましては57.6%と大幅に地方の高齢者がマイカーに頼っている状況で、地方都市につきましてはその状況が顕著であります。そのような中、10月には宮崎県宮崎市で認知症治療中の73歳が運転する軽自動車が歩道を暴走し死亡事故が発生、11月には福岡県みやま市で93歳の女性がミニバイクの男子高校生をはね逃走するなど、高齢者の重大事故が多発しております。これは、運転免許証を自主的に返納しようとしても返納できない高齢者が多いことが原因であり、その原因として地方都市の公共交通の脆弱さが一因を担っていると言わざるを得ません。
路線バスにつきましては、高齢者などにとって欠かすことができない交通手段であることから、この地域交通を守る手段として運賃低減バスの実証運行が始まった経緯がございます。公共交通を守る取り組みをさらに強めるとともに、高齢者が運転免許証を返納しやすい環境を整備することもあわせて必要であり、高齢者を公共交通へ誘導する仕組みづくりなどにつきましても輸送人員の増につながるのではないかなと考えるところであります。今後もさまざまな観点から上田市の公共交通を守る取り組みに期待するところであります。
次に、健康幸せプロジェクトについて質問してまいります。まず初めに、健康幸せプロジェクト事業の中の健康づくりチャレンジポイント制度について質問をいたします。9月定例会におきまして土屋勝浩議員から概要などの詳細について質問がなされ、事業の概要などについては明確となり、この制度は非常に先進的な取り組みであるものと理解した一方、その目的、効果、検証などが見えにくいという一面もあると感じたところであります。そこで、この点について3点お伺いいたします。
1点目として、制度の目的としてどのような効果をもくろんでいるのか。
2点目として、制度の効果について今後どのように検証、調査をしていくのか。
3点目として、ポイントの社会貢献への利用について、ポイントは一元化した上、教材を購入し、それぞれの施設の希望により配布することとされておりますが、ポイントの還元先について、ポイントの提供者の希望を取り入れるような仕組みはできないでしょうか。例えば、参加するおじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんの通う小学校、中学校に対してポイントを希望により提供できるような仕組みをつくれば、おじいちゃん、おばあちゃんはそれこそお孫さんのために必死になってポイントの稼げる対象事業に参加をし、気づいてみたら体を動かす機会がふえていたというようなこともあるかと思います。このような仕組みづくりをすることで参加者の目的、目標意識が向上し、事業の効果も向上するとともに、事業の大きな目的である健康づくりを通じて地域コミュニケーションに寄与することにもつながると考えます。
以上3点をお伺いいたします。
o 議長(下村 栄君)神代健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕
o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)健康幸せづくりプロジェクト事業についてのご質問です。最初に、健康づくりチャレンジポイント制度、期待される効果についてお尋ねをいただきました。上田市におきましては、がん検診や特定健康診査受診率の向上、さらなる向上といった課題、国民健康保険加入者の高血圧の有所見者割合が下降傾向を示しているものの、依然として糖尿病や血糖値の高い方がふえている現状、また市が開催する健康づくり事業への参加者が固定しているといった課題がございます。より多くの市民の方に健康づくりに取り組んでいただくことによりまして、継続的に楽しみながら健康づくりに取り組んでいただくことを目的に、各種健診やウオーキング教室等の健康づくり事業に参加した方にポイントを付与する健康づくりチャレンジポイント制度をこの6月から開始いたしましたが、現在当初見込みの1,500人を上回る2,800人の皆様に参加をいただいております。
このポイント制度に期待する効果は3点ございます。1つ目は、特定健康診査やがん検診などの受診率の向上を図り、糖尿病などの生活習慣病の予防やがんの早期発見に結びつけること、2つ目といたしまして、ウオーキング等身近にできる健康づくりを日常生活の中に取り入れることにより、体力の向上や筋力アップを図り、介護予防につなげること、3つ目といたしましては、一人でも多くの方に健康づくりに取り組んでいただくことにより、健康寿命が延伸し、市民が生きがいを感じ、毎日を元気に暮らせることができること、そして最終的には医療費の抑制を図ることでございます。
効果の検証につきましては、参加者を対象にまずは来年1月にアンケート調査を実施したいと考えております。特定健康診査及び各種健診の受診状況やウオーキングなどの取り組み状況、ポイント制度に参加することにより健康づくりに対する意識や行動に変化があったのかをお尋ねをいたします。参加者の健診データを分析して、ポイント制度が市民の健康づくりにどのように寄与することができているのか検証してまいりたいと考えております。
次に、ポイントの還元先を提供者の希望を取り入れた仕組みにできないかというご質問でございます。参加者が集めたポイントの交換方法は2種類ございまして、1つは、自身の健康づくりのために公共温泉施設や体育施設の無料券に交換する方法、また民間のスポーツ施設を利用していただく方法がございます。もう一つとしては、社会貢献として集めたポイントを市に提供いただき、子供たちの健康のために小中学校、保育園などにスポーツ用品を提供する方法がございます。集めたポイントを社会貢献として市に提供いただくことにつきましては、PTAの役員の方がパンフレットをとりに来られるケースもありまして、若い世代の方が子供たちのために地域全体でポイント制度に参加する動きも出始めております。
こうしたことから、ご質問のポイント還元先を提供していただいた方の希望する学校等に対して行えるようにすることにつきましても、提供者の意向に沿う形で制度を運用してまいりたいと考えております。また、地域ぐるみで取り組んでいただけますよう、PTAに対しても引き続き周知を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)チャレンジポイント制度につきましては、効果をやはりしっかり検証し、顕著な効果が出るよう進めることが重要ではないかなと考えるところであります。
次に、健康クラウドシステムについてお尋ねいたします。健康クラウドシステムは、ことし3月の市長の提案説明において、より多くの市民の健康データを把握することで効果的な施策の展開を図ることを目的とし、導入が提案されました。平成27年度の当初予算におきましても予算化されているところであります。また、既に上田市のホームページに掲載されている健康幸せプロジェクト事業イメージの中にも健康クラウドシステムの導入が掲載されております。そこで、この健康クラウドシステムについて、まず4点お尋ねいたします。
1点目といたしまして、当初予算にも盛り込まれたにもかかわらず、いまだに運用が始まっていないところでありますけれども、そこで健康クラウドシステムの運用開始時期と導入までのスケジュールはどうか。
2点目として、分析結果はどのように活用されるのか。
3点目として、個人に対して分析結果は提供できるのか。
4点目として、導入により市民にどのようなメリットがあるのか。
以上4点お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)神代健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕
o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)健康クラウドシステムについてのご質問をいただきました。健康クラウドシステムは、健幸都市の実現に向けまして、筑波大学と連携して、国民健康保険や全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽの健診データ及び医療データを一元化いたしますことで、より多くの市民の健康データを科学的に分析するとともに、健康づくりに関する市民アンケートなども加えて、都市環境や地域コミュニティーの活性度なども含めた総合的な分析評価を行うものでございます。今後ますます高齢化が進む中で、より効果的な健康づくり事業を行うためには、国民健康保険加入者のデータだけではなく、より多くの市民の健康度を総合的に把握し、科学的根拠に基づいた健康施策を展開する必要があることから、今回新たなシステムを導入することとしたものでございます。
導入スケジュールでございますが、今年度と来年度の2カ年にわたり取り組むことといたしております。今年度は国民健康保険の健診データと医療データ、介護保険の給付データ、さらには市民アンケート及び市の健康づくりに関連した施策の状況をシステムに登録し、分析を行います。また、来年度におきましては、さらに協会けんぽの健診データと医療データを加え分析を行う予定でございまして、早急に着手をしていきたいと考えております。
個人に対して分析結果が提供できるのかというご質問でございますが、このシステムは個人の健康分析を行うものではなくて、小学校区単位での集団の健康分析を行うほか、健幸都市に向けたまちづくりを進める上での施策の有効性などの分析を行いますので、結果を個人に対して提供するものではございません。
次に、分析結果の活用と市民へのメリットでございますが、昨年度から健診の受診率向上と健康管理を目的とした自治会説明会を各所で開催をしておりますけれども、国民健康保険の健診などのデータのみに基づいて説明を行っておりますため対象となるサンプル数が少なく、説得力に欠けている面がございます。このシステムを導入することによりまして、協会けんぽに加入している方のデータも加えたより多くの対象者の健康状況が分析できますことから、この結果を活用し、市民に対して具体的で説得力のある説明を行いたいと考えております。また、生活習慣病や医療費、介護給付費の将来予測が可能となりますことから、これらを踏まえた効果的な施策の事業展開を図ることにより、市民にとってはより健康度の向上に結びつくというメリットがあると考えております。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきました。健康クラウドシステムについては、ご答弁ですと将来の予測までできるということで、非常に画期的なシステムのようであります。市長も提案説明の中で重点的かつ長期的に取り組むとおっしゃられておりましたが、導入に当たりましては慎重も必要ですけれども、加えて早期の運用開始が必要ではないかなと感じるところであります。
次に、このシステムにつきましては個人の健康情報が扱われると拝察いたしますが、健康情報は他人に知られたくない情報も含まれ、当然のことながら慎重に扱わなければいけないデータであります。そこで、セキュリティー面について2点お尋ねいたします。
まず1点目として、このシステム導入によりどのくらいの割合の市民のデータが管理、分析され、データの内容はどのような内容か。
2点目といたしまして、データ流出などに対するセキュリティー対策については万全であるか。
以上2点お尋ねいたします。
o 議長(下村 栄君)神代健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕
o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)最初に、システムで分析を行う人数でございますけれども、40歳以上から74歳以下の市民約7万4,000人のうち、国民健康保険加入者約2万9,000人と協会けんぽの加入者約2万人、合計4万9,000人で、人口に占める割合は約66%となりますけれども、そのうち特定健診を受診している方のデータ、約2万人ですが、こちらを対象といたします。システムでは現状分析として、各地域の特定健診の受診状況のほか、生活習慣病予備群の状況、介護予防を図る上で課題となっておりますロコモティブシンドロームやサルコペニア肥満と言われる関節等の運動器の障害や筋肉量の低下が見られる有所見者の状況、疾病別の1人当たりの医療費の状況を分析するほか、将来予測として、糖尿病、人工透析、虚血性心疾患などの疾病予測や医療費、介護給付費の予測を行うことといたしております。
次に、セキュリティー対策でございますけれども、健康クラウドシステムは膨大な個人情報を取り扱うわけでございますので、3段階のセキュリティー対策を施したいと考えております。第1段階では、性別や生年月日などの個人情報をシステム内の変換ツールにより新たな記号につけかえて匿名化を行います。第2段階では、匿名化したデータを外部からのアクセスが不可能な専用回線を用いてシステムに登録することとしており、筑波大学と接続するパソコンは専用のものを設置いたします。第3段階といたしましては、専用回線で登録したデータを健康クラウドシステム上で再度記号のつけかえを行いまして個人の判別が不可能な処理を行い、こういったことによりまして万全の対策を施すことといたしております。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)セキュリティー面については、個人名を匿名化して扱われるなど対策がとられているようであります。
次に、そのほかの取り組みについて2点お尋ねいたします。まず1点目といたしまして、現在上田市民の健康状態として、この5年間で糖尿病に係る医療費が1.6倍に増加し、上田市にとって糖尿病対策、生活習慣病対策が取り組むべき大きな課題となっております。また、糖尿病など生活習慣病につきましては、近年低年齢化もしております。こうした生活習慣病については幼少期からの予防対策が大変重要な上、長期に取り組む必要が重要であります。健康づくりチャレンジポイント制度につきましても、対象年齢が高校生を除く18歳以上となっているなど、子供の運動に対する事業などが見当たりませんが、幼少期からの運動の機会をふやし、生活習慣病などの予防に努める必要があると考えますが、子供の健康づくりの支援の体制強化について、運動の機会をふやす取り組みなどの考えはないでしょうか。
2点目として、健康づくりを通じて地域コミュニケーションに寄与することをこの事業の大きな目標として掲げておりますが、具体的にどのように地域コミュニケーションに寄与するような運営をするのか。
以上2点お伺いいたしまして、私の最後の質問といたします。
o 議長(下村 栄君)神代健康こども未来部長。
〔健康こども未来部長 神代 芳樹君登壇〕
o 健康こども未来部長(神代 芳樹君)そのほかの取り組みといたしまして、最初に子供の健康づくり支援の取り組みについてのお尋ねでございます。近年の生活様式と社会環境の変化によりまして、幼児期において歩くことを初めとした体を動かす機会が減少しておりますことから、文部科学省では平成24年3月に幼児期運動指針を策定し、毎日60分以上遊びを中心に体を動かすことを推奨し、運動遊びなどを通じて幼児期に必要な多様な動きの獲得と運動能力を培うことに努めるよう進めております。
身体活動量の低下に伴い、子供の骨、関節、筋肉などの運動器の機能に異変が生じ、身体バランス、柔軟性の欠如、反射神経の低下など、体を動かす基本動作ができていない子供がふえておりますことから、来年度から新たに健康診断に四肢、すなわち両腕、両足の状態を加えて四肢の形態や発育、また運動器の状態を検査する運動器検診が実施されることとなっております。
このような中、現在公立保育園では、子供たちの心身の健やかな成長を促すことを目的に、毎日の朝体操のほかに、運動遊びやリズム遊びを用いた情操教育であるリトミックを取り入れておりまして、一部の園では総合型地域スポーツクラブ等の運動指導者から運動遊びやボール遊びの指導をいただいております。また、学校におきましては、体力測定の結果を踏まえまして、体力向上に向けて朝マラソンや縄跳び、ストレッチを入れた体ほぐし体操など、1校1運動を各学校が工夫して実施をしております。
ご質問いただきましたように、今年度から開始したチャレンジポイント制度は18歳以上が対象でございますけれども、健康幸せづくりプロジェクト事業におきましては、将来を担う子供たちが健康で健全な社会生活を送れますよう、子供の基本的な体づくり支援を掲げまして、特に姿勢を整え、正しい姿勢を維持することの実践を取り組みの柱に位置づけております。これは、子供たちの体幹が弱く、長時間座っていられないといった現状があり、こうした姿勢の崩れは運動器への悪影響や疲れやすさを引き起こし、またけがにもつながりかねないため、優先して取り組む必要があると考えております。現在小学校の学校保健委員会などで健康運動指導士が保護者や学校職員への健康教育を始めておりまして、今までに小学校5校で実施しており、来年度以降も継続して実施をしてまいります。
また、来年度は保育園の運動遊びの充実を図るために、定期的に園児の運動指導ができるスタッフの派遣を行い、保育士への指導もあわせ、日常の運動遊びの幅を広げる支援を行ってまいります。また、これとあわせて子供の体にかかわる課題についてまだ十分に認知がされていないことから、専門の講師による講演会を開催し、子供の健康づくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、健康づくりを通じた地域コミュニティーのご質問でございます。核家族化の進展によりましてひとり暮らしの高齢世帯が増加してきており、こうした社会では家に閉じこもりがちになりやすく、認知症の発症や心身の機能低下を招きやすくなりますことから、なるべく地域に出て住民との交流を持ちながら暮らしていくことが自身の健康を維持する上で、また地域のコミュニティー形成の上で重要な視点となってまいります。こうした社会状況も踏まえ、新たな健康づくりのステージとして、健康づくりをまちづくりのキーワードとして捉え、健康づくり事業により多くの市民の方に参加をいただき、あわせて住民同士の交流も図っていただくとともに、身近にできるウオーキングを通して、歩くことにより地域の魅力を知っていただくといった視点も加えながら、工夫を凝らし取り組んでいるところでございます。
今年度、例えばこれまで健康推進課のほうで行ってきたウオーキング事業を各公民館と連携し、当日は地元の方にガイドをお願いするなど、知識も深めていただきながら健康づくりを行っているのを初め、中央公民館におきましては、「ママ目線でまちなか健幸アップウォーキング」と題して、母親の皆さんに中心市街地を歩いていただき、お店の特徴を記載したマップを作成していただき、まちの活性化や母親同士の仲間づくりに役立てていただいております。健康プラザでは、毎月第3水曜日を「ひとまちげんきクラブ」と銘打ちまして、50歳以上の市民の方を対象に筋力アップできる全身運動を参加者の皆さんで交流をしながら楽しく実施していただいております。また、健康推進委員が行っている各地区の健康教室におきましては、地域ぐるみで取り組んでいただけるよう、自治会のご協力もいただき、若い方も参加しやすいよう、なるべく夜間、休日に開催をいたしております。
今後も健康づくりをキーワードとしたまちづくりの視点から、関係機関などと連携をいたしまして、より多くの市民参加により個々の健康づくりの支援を推進するとともに、住民同士の交流の機会をふやすことにより、地域の活性化にも資するよう事業を推進してまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
o 議長(下村 栄君)佐藤論征議員の質問が終了しました。