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平成31年3月定例会一般質問

○議長(小林隆利君) 次に、質問第13号、真田地域の課題について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 議長の許可を頂戴いたしましたので、通告のとおり、順次質問をしてまいります。

 今回私は、真田地域の課題について。副題として、上田市真田地区有線放送電話事業について、菅平高原アリーナとサニアパーク菅平について、真田運動公園グラウンド整備とデンソーソフトボールチームの合宿へのかかわりについて、この3点について、上田市真田地区有線放送電話事業についてを中心に、上田市全体にかかわる課題としての観点から質問を進めてまいります。

 まず初めに、上田市真田地区有線放送電話事業について質問いたします。上田市真田地区有線放送電話事業は、昭和37年に真田町農事放送農業協同組合により有線放送電話業務が開始された後、昭和43年に施設が旧真田町に移管され、平成18年の市町村合併により、現在の上田市真田地区有線放送電話事業に名称変更され、これまで約57年にもわたり真田地域の通信手段、あるいは情報伝達手段として大きな役割を担ってまいりました。しかしながら、携帯電話などの普及などにより、時代とともに加入件数も減少が続いております。また、設備については、平成2年の更新から28年が経過しており老朽化が著しく、現在では交換部品の製造も終了し、在庫の部品で対応するなど、設備の維持についても非常に難しい状況に陥っております。

 この上田市真田地区有線放送電話の今後のあり方について、市長より上田市真田地区有線放送電話審議会に対し、本年1月29日に答申期限を平成31年度とし、諮問がなされたところであります。答申を待って方針を決めていくことも大切ではありますが、この事業が公営企業会計としている以上、公営企業としての観点をしっかり持った上で諮問していく必要があると考えますので、今回あえてこの段階で質問をいたします。

 まず、上田市真田地区有線放送電話事業の財務についてお尋ねいたします。

 1点目として、上田市真田地区有線放送電話事業の積立金の現況はどうか。また、これまでの推移はどうか。

 2点目として、今後の収支の状況をどのように見通しているか。現状維持の状態で、赤字になる時期の見込みと、赤字後の赤字額の経年の予測を含めご答弁ください。

 以上2点、お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 山宮真田地域自治センター長。

          〔真田地域自治センター長 山宮 正久君登壇〕

◎真田地域自治センター長(山宮正久君) 真田地区有線放送電話事業の財務に関してご質問をいただきました。

 この有線放送電話でございますが、地域における各種情報の伝達や広報活動、そして住民相互の連絡を円滑にすることを通しまして、地域住民の福祉の向上に寄与することを目的に設置されております。この事業につきましては、地方公営企業法を適用した公営企業会計により、加入者からの使用料を主たる収益とした独立採算で運営しておりまして、これまで毎年純利益を計上するなど、良好な経営を維持してまいりました。

 積立金でございますが、この事業会計では純利益等を将来の施設整備や経営に備えるため、建設改良積立金と利益積立金に分け積み立てております。平成29年度末現在、建設改良積立金が1億8,871万円、利益積立金は4,398万円余でございまして、合計額は2億3,269万円余となっております。

 積立金のこれまでの推移でございますが、建設改良積立金は合併以前から平成26年度まで積み立てを行っており、合併後9年間では平均で約1,280万円を毎年積み立てておりました。一方、利益積立金は合併した平成18年度に200万円を積み立てて以降、平成26年度までは毎年100万円を積み立て、平成27年度からは将来の経営に備えて、前年度の未処分利益剰余金の大半をこの積立金に積み立てております。

 次に、収支の見通しについてであります。加入戸数は平成30年度の当初で2,082件、加入率は52%でございますが、直近の5年間では加入戸数が合計313件減り、加入率も9.2ポイント減少しておりまして、主たる収益である使用料の減少は避けられない状況にあります。加えて、機器の老朽化による設備の維持管理費がふえ、支出する費用は増加の傾向となっております。

 今後も毎年60件程度の加入者が減少し、使用料の収入減が続くと想定した中で、現在と同程度の費用を見込んだ場合の収支を推計いたしますと、2022年度には支出する費用が収益を上回る見込みであります。以降、同様の状態が続き、その額は毎年度約12万円ずつ増加していくものと見込まれるところでございます。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) まず、財務に関しお答えをいただきました。

 次に、有線放送電話の機器についてお尋ねいたします。

 1点目として、機器の現況はどうか。

 2点目として、機器の全面的な更新の可否はどうか。また、現在の機器を更新した場合、更新費用はどのくらいの額と想定されるのか。

 3点目として、事業を廃止する場合の費用はどのくらいが想定されるのか。

 4点目として、通話機能の利用が減少し、携帯電話料金の低減などを踏まえると、放送機能のみを残し運用を継続する方法が地域にとってのメリットが高く、選択肢の一つと考えられます。ほかの設備の導入も含め、放送機器のみを残すことは可能か。

 以上、機器に関して4点お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 山宮真田地域自治センター長。

          〔真田地域自治センター長 山宮 正久君登壇〕

◎真田地域自治センター長(山宮正久君) 有線放送電話の機器について幾つかご質問をいただきました。

 先ほど議員からもございましたとおり、現在の設備は平成2年に更新したものでございまして、ことしで28年が経過し、老朽化が著しく進んでおります。また、電話交換機のメーカーが製造保守業務から撤退したことから、代替部品の調達に大変苦慮する中、さまざまなふぐあいも発生しておりまして、良好な状態で機器を維持管理することが非常に難しい状況にあります。

 次に、機器の全面的な更新についてでございます。平成26年度に開催された前回の有線放送電話審議会において、ケーブルテレビの通信線を利用した更新案をお示ししておりまして、事業費につきましては約4億円と試算されております。その後4年が経過し、現時点ではさらなる事業費の増大が見込まれますことから、全面的な機器の更新は現実的ではないと捉えております。

 また、事業を廃止する場合の費用でございますが、同様に前回の審議会において、塩田有線が廃止された際の撤去費用を参考に試算しております。廃止する場合には、地域全域に設置しております有線専用柱、それからNTT等の電柱へ共架した設備、全てのケーブル、加入者宅の電話機、スピーカー等の設備、電話局舎の設備等、事業に関する全ての機材を撤去することとなりますが、その費用は約7,000万円が見込まれておりました。こちらも現時点での撤去には、さらなる費用が必要と想定されております。

 次に、有線放送電話の機能に関してでございますが、携帯電話等の普及により通話機能の必要性の低下とともに、メール等による情報媒体の多様化が進む現在では、若い世代の新規加入が見込めない状況であります。

 一方、災害等の緊急放送など、放送機能に対する利用者の関心は高く、自治会等あらかじめ設定したエリアに加入者みずからが放送を発信できるページング放送やお知らせ放送は、地域に定着しておりまして、現在も多くの住民に利用されておりますことから、議員ご指摘のとおり放送機能を継続することは、地域にとっても有益でございます。しかし、放送機能のみのサービス提供で現在の加入戸数を維持できるかにつきましては不透明であり、慎重な検討が必要と考えております。

 なお、機器の保守を担当する事業者からは、放送機能のみを更新して残すことは、技術的には可能であると聞いておりますが、具体化に当たっては、さらなる慎重な調査、検討が必要と思われるところでございます。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) それでは次に、公営企業会計としての考え方についてお尋ねいたします。

 上田市真田地区有線放送電話事業のような公営企業会計は、事業収益により事業が維持されるのが基本であります。先ほどのセンター長からのご答弁もございました。しかしながら、一般会計からの繰り入れができることも事実であります。上田市真田地区有線放送電話事業は、真田地域だけで行っている事業であることから、受益者負担により事業が維持されるべきであり、一般会計からの繰り入れについては行うべきではないと私は考えるものであります。

 先ほど、2022年には費用が収益を上回る見込みとのご答弁もございましたが、積立金が潤沢にあり、黒字経営であるうちに、手だてを講じておかなければなりません。また、国では今後の急速な人口減少等に伴うサービス需要の減少や、施設の老朽化に伴う更新需要の増大など、公営企業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中にあって、各公営企業が将来にわたり住民生活に必要なサービスを安定的に提供していくためには、経営戦略の策定や抜本的な改革等の取り組みを通じ、経営基盤の強化と財政マネジメントの向上を図るとともに、これらについてより的確に取り組むため、公営企業会計の適用拡大や経営比率分析表の活用による見える化を推進しております。

 そこで、1点目として、上田市真田地区有線放送電話事業について、公営企業としてではなく、民営化、民間譲渡、民間活用などの考えはどうか。

 2点目として、上田市真田地区有線放送電話事業は、真田地域のみの事業であることから、一般会計などからの繰り入れは市民理解を得にくいと考えますが、今後の一般会計からの繰り入れと利用料の値上げをどう考えるか。赤字に転落した場合の受益者負担として、利用料の値上げに向けたシミュレーションを行うべきと考えるがどうか。

 3点目として、国は公営企業の経営効率化の観点から、全額国費負担による地方公営企業等経営アドバイザー派遣事業を実施しておりますが、事業の活用を検討できないか。

 4点目として、国は公営企業に対して経営戦略の策定を要請しておりますが、策定に対する考えはどうか。

 以上4点、お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 山宮真田地域自治センター長。

          〔真田地域自治センター長 山宮 正久君登壇〕

◎真田地域自治センター長(山宮正久君) 公営企業会計としての考え方について、幾つかご質問をいただきました。

 本事業につきましては、議員ご指摘のとおり地方公営企業法を適用して運営しておりますことから、経営の基本原則として常に企業の経済性を発揮し、公共の福祉を増進するように運営されなければならないとされております。また、総務省では地方公営企業の抜本的な改革を進めておりまして、事業ごとの特性に応じて事業廃止、民営化、民間譲渡、広域化等及び民間活用という4つの方向性を基本とした改革の検討も求めております。

 これらを踏まえた民営化等の可能性についてでございますが、当事業が昭和36年に真田町農事放送農業協同組合により設立され、その後旧真田町に移管された経過があることから、事業の受け手となる事業者が当地域では見当たらないこと、さらには県内あるいは全国的にも有線放送電話の加入者が減少しており、収益が見込めず事業の廃止が続く状況でありまして、将来の健全な経営が見込めないことから、民営化等は難しいと捉えております。

 次に、一般会計からの繰り入れについてでございます。議員ご指摘のとおり、有線放送電話事業が真田地域限定の事業でありますことから、他地域の市民の皆様のご理解を得ることは難しいと思われ、一般会計からの繰り入れは困難なものと考えております。また、有線放送電話の使用料の検討につきましては、今年度から開催している有線放送電話審議会において、今後の事業のあり方を検討いただくためのさまざまなシミュレーションをお示ししたいと考えておりまして、その一つとして使用料の値上げを想定したものもつくってまいりたいと考えております。

 次に、議員からご提案のございました地方公営企業等経営アドバイザー派遣事業についてでございます。この事業は、徹底した効率化、経営健全化や事業の新展開に取り組む地方公営企業を支援するため、地方公営企業法の適用、中長期的な経営の基本計画である経営戦略の策定、事業廃止、民営化、民間譲渡、広域化等及び民間活用などの抜本的な改革の導入などの検討を行う地方公営企業に対して、国がアドバイザーを派遣し、助言する事業でございます。市といたしましては、有用な制度であると思われますが、有線放送電話事業だけでなく、他の公営企業とも歩調を合わせる中で、事業の活用を検討してまいりたいと、このように考えております。

 次に、国が策定を求める経営戦略についてでございます。この戦略は、公営企業が住民の日常生活に欠くことのできない重要なサービスを提供する役割を果たしていることから、将来にわたりサービスの提供を安定的に継続できる中長期的な経営の基本計画となるもので、全ての地方公営企業において2020年度までの策定が求められております。

 真田有線放送電話事業におきましても、現在審議会でご審議いただいております今後の事業のあり方についての答申を踏まえ、2020年度までには策定してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) それでは次に、上田市真田地区有線放送電話審議会についてお尋ねいたします。

 1点目として、これまでお聞きいたしました事項について、既に審議会において説明されている事項もあるかと思いますが、これまでお聞きしたような現在の状況や想定される費用、公営企業としてのあり方を明確にした上で審議会に伝え、さらに検討を進めてもらうべきではないか。

 2点目として、これまでの利用者アンケートは、利用者の意見を主に調査してきましたが、今後の運営には、解約者や未加入者の意見が方針を定める上で大きなヒントになるものと考えます。審議会での検討の際も、解約者や未加入者の意見も踏まえて審議してもらう必要があろうかと考えますが、解約者や未加入者の状況や意見を調査し、審議会に提供する考えはあるか。

 以上2点、お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 山宮真田地域自治センター長。

          〔真田地域自治センター長 山宮 正久君登壇〕

◎真田地域自治センター長(山宮正久君) 審議会に関し、ご質問をいただきました。

 現在、審議会におきましては、今年度事業の概要やこれまでの収支状況、老朽化した施設の現況等について、委員の皆様にご説明をさせていただいたところでございます。今後は、設備の更新や撤去にかかる費用、さらには経営の見通し、公営企業会計のあり方、持続可能な経営形態等について、多方面にわたる具体的な情報をお示しする中で、事業の今後のあり方について慎重にご審議いただく予定でございます。

 次に、住民意見等に関してでございます。これまでの有線放送電話事業に関するアンケートにつきましては、平成27年度に全加入者を対象とした調査を実施するとともに、加入していない方を含めたご意見等を伺うため、翌28年度に真田地域の全自治会を対象に、毎年開催しております地域づくり委員会におきまして、有線放送電話の現状や課題をご説明申し上げ、広くご意見を伺っております。これらの結果につきましても、今回の審議会にお示しし、審議の参考としていただく予定でございます。また、ご提案のございました解約者や未加入者の意見等をお聞きする件につきましては、今後の審議の過程の中で必要に応じて実施を検討してまいりたいと、このように考えております。

 いずれにいたしましても、今後いただきます審議会の答申を踏まえ、市としての当事業のあり方を慎重に決定してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) ここまで、上田市真田地区有線放送電話事業についてお尋ねしてまいりました。公営企業会計であることを市はポイントとしてしっかり押さえ、審議会の皆さんの協力を得ながら、今後の方針を打ち出していかなければならないと考えるところであります。真田地域のことをよく把握していらっしゃる山宮センター長のもとで、将来の真田地域、あるいは上田市にとって、最善の方針を打ち出していただくことをご期待申し上げます。

 次の質問に移らせていただきます。菅平高原アリーナとサニアパーク菅平についての質問でございます。昨年9月に、菅平高原アリーナが地元の大きな期待のもとにオープンいたしました。本年は、昨年に引き続きラグビーイタリア代表チームが菅平高原で合宿を予定しており、関連予算も平成31年度当初予算にも計上され、本議会に上程されたところであります。これまで以上に環境の整った菅平高原が、今後さらに世界の菅平高原として知名度が向上することが期待されます。そこで、この菅平高原アリーナとサニアパーク菅平について、3点質問いたします。

 1点目として、両施設の連携に関してお尋ねいたします。私の所属会派、新生会は、政務活動費を活用し、少々前になりますが、平成26年6月に山形県上山市、坊平高原にある高地トレーニングを目的とした、ナショナルトレーニングセンターである蔵王坊平アスリートヴィレッジを視察してまいりました。この施設は、1周400メートル、8コース、全天候型グラウンドとトレーニング室並びに屋内運動場を備えた施設が隣接しており、急な天候変化などによる大会などの開閉会式への対応を初め、多彩なトレーニングメニューにも対応できるなど、隣接することのメリットが非常に大きいとのことであり、非常に印象的でございました。菅平高原については、設備に関しては非常にすぐれているものの、やはり多少の距離があることが今後の課題になってくると思われるところでございます。今後この点に注目し、道路整備などを進めていく必要があるものと考えます。また、繁忙期の渋滞対策もあわせて検討する必要もあると考えられます。

 そこで、1点目として、菅平高原アリーナとサニアパーク菅平の連携をどう考えているか。また、アクセス、環境などの整備に対する考え方はどうか。

 2点目として、サニアパーク菅平の芝生整備の状況はどうか。また、芝生整備の技術や経験をほかの公共施設での芝生整備に生かせないか。

 3点目として、今後の両施設の運営について、指定管理などどのように考えるか。

 以上、お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 山宮真田地域自治センター長。

          〔真田地域自治センター長 山宮 正久君登壇〕

◎真田地域自治センター長(山宮正久君) 菅平高原アリーナとサニアパーク菅平について、幾つかご質問をいただきました。

 菅平高原スポーツランド、通称サニアパーク菅平は、平成11年5月の供用開始から、本年で20年となる屋外施設でございます。準高地という環境から、利用いただける期間は5月から10月までではありますが、近年はこの半年間に約5万人の利用があり、スポーツ合宿の聖地として、全国に名をはせる菅平高原において、その中心的な施設となっております。

 また、議員からもございましたとおり、昨年9月には関係の皆様のお力添えにより、地域振興、産業振興に向け多目的に利用できる屋内施設、菅平高原アリーナが供用開始となったところでございます。オープンから半年ほど経過いたしましたが、これまでの間、金メダリストもそろう日本スケート連盟スピードスケートナショナルチームといったトップアスリートを初め、大学のスキーチームなどにもトレーニングに利用いただいておりまして、本年2月末時点で利用者数は約4,400人となってございます。

 この2つの施設は、菅平地域の観光振興を支えていく重要な位置づけも持つ施設でございます。屋外、屋内それぞれの施設機能を効果的に、また相乗的に活用いただくためにも、施設相互の連携は欠くことができないものであると考えております。

 議員ご指摘の施設間の距離は、約1.6キロメートルございますが、双方を結ぶ道路をロードワークにご利用いただくことなども含め、1つのチームが両施設を一体的に利用いただくトレーニングなどを提案することも検討してまいりたいと、このように考えております。ことしは、両施設がそろって初めての夏のトップシーズンを迎えることから、利用状況などを見きわめながら、より効果的な連携運営を探ってまいりたいと考えております。

 また、アクセス環境の整備についてでございますけれども、現在両施設を結ぶルートの一つである市道原野地2号線を菅平高原アリーナと同様の辺地対策事業を活用し、整備に努めているところでございます。今後は、周辺の道路環境も含め、利用者の要望や地元の皆様のご意見をお聞きしながら、さらなる整備充実を図ってまいりたいと考えております。

 次に、サニアパーク菅平の芝生整備についてでございますが、樹木保護管理の業種で入札参加登録のある業者に、入札を経て管理業務を委託してございます。準高地に位置し、寒冷地という環境下にある施設として、そこに適した芝生の維持管理の技術が必要であること、またラグビーなど激しいスポーツにも利用されることから、迅速に芝生を修復できるよう受託業者も作業体制を整え、待機しているといった独特な管理手法をとっております。

 芝生の状況につきましては、昨年6月にトレーニングキャンプを行ったラグビーイタリア代表チームからも、グラウンド等の施設環境とあわせ、芝生の状態も高評価をいただいたところでございまして、その後も良好な状態を維持しております。

 議員ご提案の他の施設への技術、経験の活用でございますが、それぞれの施設の立地や現場の管理方法等も異なりますことから、各所管部署と調整を行いながら、生かせるものについては情報提供等を行ってまいりたいと、このように考えております。

 次に、今後の運営についてでございます。両施設につきましては、現在正規職員に加え嘱託及び臨時の職員体制により、菅平高原関係団体との連携を図りながら、市の直営施設として管理運営を行っております。目前に迫りましたラグビーワールドカップ日本大会、また今後は2020年東京オリンピック・パラリンピックなどの国際大会、2027年長野国体など、大きな国内大会も控えておりますことから、市といたしまして庁内の関連部署との連携した動きも必要となることが想定されるところでございます。こうした状況から、今後の指定管理も視野に入れながら、当面は市の直営施設として適正な管理運営に努めてまいりたいと、このように考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) それぞれご答弁いただきました。

 菅平高原アリーナは、まだオープンし1年に満たない状況であり、センター長からも状況を見きわめながらというお答えございましたけれども、運営の実績を見ながら今後判断していかなければならないところが多いかと思います。今後さまざまな観点で、さまざまに対応していただきますよう期待申し上げるところでございます。

 次に、真田運動公園グラウンド整備とデンソーソフトボールチームの合宿へのかかわりについて質問をいたします。真田運動公園グラウンドは、毎年砂ぼこり防止のための塩化カルシウムや土などが継続的に入れられ整備が行われてきたものの、数年前は砂場のような状況で、砂ぼこりもひどい状況であり、利用しにくいコンディションとなっておりました。毎年行われるデンソーソフトボールチームの合宿に向け、体育協会の協力により、重機などを持ち込み手を入れていただいた結果、環境が大幅に改善し、デンソーソフトボールチームの合宿も好評のうちに行われました。日々の整備などは、これまで同様に行う必要がある一方、必要に応じ専門的な見識のある方の力をおかりすることは必要と考えます。

 今回の整備については、体育協会の中に見識がある方がいらっしゃったことが前提になっていることは承知しているところではありますが、今後の体育協会との協力による整備についてどのように考えるか。また、今回の真田運動公園グラウンドでの整備を参考として、他施設での市民協力による整備を展開する考えはないか、お尋ねをいたします。

○議長(小林隆利君) 中村教育次長。

          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕

◎教育次長(中村栄孝君) 真田運動公園グラウンドの整備とデンソー女子ソフトボールチームの合宿とのかかわりにつきましてお答えいたします。

 まず、今後の体育協会との協力による整備について、どのように考えるかというご質問でございますが、真田運動公園グラウンドにおきましては、砂ぼこり防止や整地のために、市では年度当初に塩化カルシウムやグラウンド整備用の黒土を散布、敷きならしするといった継続的な整備を行っておりますが、これとは別に、議員ご指摘の例年7月に当施設で実施されておりますデンソー女子ソフトボールチームの合宿に合わせまして、真田町体育協会や関係団体の皆様に、グラウンド整備を行っていただいております。このデンソー女子ソフトボールチームの合宿につきましては、平成23年から真田運動公園グラウンドを会場として、真田町体育協会や関係団体の皆様が中心となった実行委員会が受け入れ態勢を整えることで実施されております。

 また、合宿を受け入れる際のグラウンド整備に関しましても、実行委員会の皆様に主体的に行っていただきまして、グラウンド環境の改善を図っていただける状況にあることから、大変ありがたいことでございます。このため、市といたしましては合宿の受け入れに際しまして、主に練習会場となる施設の確保やグラウンド整備の機材の貸し出し及び黒土など、原材料を支給させていただいております。

 次に、真田地域での整備を参考とした他施設での市民協力による整備の展開の考えはないかとのご質問でございますが、ただいま申し上げました真田地域の事例につきましては、利用者の皆様の取り組みと、これに対する市側の支援がほどよくマッチングした事例の施設であると考えておりますが、合宿を受け入れる際に組織された実行委員会の皆様の中に、議員ご指摘の重機の運転や測量など、専門的な技能や知識を有する方がいらっしゃりまして、このような方々に率先してグラウンド整備を担っていただいた結果であるとお聞きしております。

 今後も真田地域の事例を参考としながら、他の施設における市民協働による施設の効率的な維持管理について検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) それでは、最後の質問に移らせていただきます。

 毎年真田運動公園グラウンドで行われるデンソー女子ソフトボールチームの合宿は、真田体育協会が中心となって受け入れが行われております。トップチームがこの地を合宿地として訪れていただけることは、地域にとって大きな財産であります。数年前には、地元の中学生が合宿に参加させていただき、これをきっかけに高校ではインターハイまで出場したこともございました。トップアスリートの育成などにも大きな期待が持てます。

 ラグビーイタリア代表チームの合宿が注目を集めている中ではありますけれども、市としてこのデンソー女子ソフトボールチームの合宿も地域の大きな力となると捉え、さまざまにかかわっていくべきと考えます。今後、デンソー女子ソフトボールチームが合宿のために訪れた際のかかわりをどのように考えるかお尋ねし、私の最後の質問といたします。

○議長(小林隆利君) 中村教育次長。

          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕

◎教育次長(中村栄孝君) デンソー女子ソフトボールチームの合宿との今後のかかわりについてお答えいたします。

 このデンソー女子ソフトボールチームは、日本女子ソフトボール1部リーグで活躍しているトップチームでございます。合宿の際には、所属しますトップアスリートのプレーを身近で見学できる貴重な機会でもございますが、この合宿の大きな特徴の一つとして、合宿期間中に地元の選手を対象とした講習会、クリニックを開催いただいていることが挙げられます。この講習会、クリニックには、実行委員会の皆様の呼びかけで、地元の小学校、中学校、高校の各チームを初め、一般の皆様にも参加をいただいておりまして、トップアスリートから直接質の高い指導を受けることができる、大変有意義な催しとなっているとお聞きしております。

 このように、真田運動公園グラウンドで実施されておりますデンソー女子ソフトボールチームの合宿につきましては、単なる合宿の受け入れにとどまらず、スポーツ振興や選手の育成にもつながる、大変有意義な催しもあわせて開催されておりますことから、市といたしましても、これまでと同様支援を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員の質問が終了しました。

平成30年12月定例会一般質問

○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第5号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 議長より許可をいただきましたので、通告いたしましたとおり、職員定数管理と小中学生の健康と基礎体力向上について質問をしてまいります。

 まず初めに、職員定数管理について質問いたします。上田市では平成18年の市町村合併以降、行財政改革の一環として職員定数の削減を着実に進め、平成17年には1,334人であった職員数を10年後の平成27年には1,186人にまで削減を図ってまいりました。さらには、平成37年目標を1,152人とし、さらなる職員定数の削減を進めているところであります。これまでの取り組みと今後の目標設定は行財政改革として非常に評価できる一方、社会情勢の変化、業務の多様化などさまざまな要因から職員定数の削減は限界を迎えているようにも感じております。まして職員定数の削減により市民サービスなどに支障があってはならないということは言うまでもございません。

 そこで、まず職員定数の管理状況についてお尋ねいたします。まず1点目として、平成29年度までの各年4月1日現在の定員管理については既に公開されておりますが、平成30年における定員管理の推進状況はどうか。また、合併以降の定員管理による人件費の削減効果はどうか。

 2点目として、定員管理の数値目標となる職員数の考え方と算定方法では、部局への聞き取りによる事業動向を踏まえた要因を積み上げ積算したとありますが、内容はどうか、また部局の特徴はどうか。

 3点目として、人口が減少する中、人口に応じて職員定数を削減するのは一般的な流れである一方で、業務の多様化により現在の職員数では限界に達していると考えますが、平成27年までの職員の削減により業務に支障は生じていないのか、また平成28年以降職員数をふやしているのは職員の削減により生じた支障を改善するためか、職員数をふやしている要因は何か。

 以上3点をお尋ねいたします。

○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

◎総務部長(神代芳樹君) 職員定数管理について何点かお尋ねをいただきました。

 まず、職員の定員管理に係る計画でございますけれども、平成19年7月に上田市定員適正化計画を策定いたしまして、平成17年度から27年度までの10年間において187人削減する計画といたしました。平成25年2月にはこれまでの計画期間中に目標を上回る減員を図ってきたこと、第一次上田市総合計画後期基本計画の開始や交流・文化施設の開設等増加する業務に対応するために、当初の187人の削減計画を140人と変更をして適正化に取り組んでまいりました。

 平成28年3月には第二次上田市総合計画のスタートに合わせまして、時代の趨勢に合った職員数の確保と管理を行っていくために定員管理計画を策定して、平成37年度における標準とする職員数を1,152人と定めたところでございます。

 平成30年4月1日現在の職員数は、広域等への派遣職員を除きまして1,218人でありまして、平成17年4月1日と比較して116人の削減となっております。また、これに伴う人件費は、普通会計ベースで平成17年度と平成29年度を比較いたしますと5億4,800万円余の削減で、平成17年度からの削減額の累計は84億8,800万円余となっております。一方で、非常勤職員の賃金については増加傾向にありますので、職員の人件費と非常勤職員の賃金等を含めた総額人件費の抑制の観点から努めてまいります。

 次に、定員管理の数値目標となる職員数の考え方でございますけれども、平成28年2月に策定した定員管理計画は、少子高齢化、人口減少社会を迎える中で、施策の実現や持続的な行政サービスの提供に向けて、職員数について単に削減を主眼とするものではなく、必要な人員の確保を基本とした計画といたしました。各課の人員体制や事務量、事業動向の把握につきましては、毎年度全ての課所を対象に組織ヒアリングを実施しております。計画の策定時には移住定住促進や婚活支援等の人口減少社会への対応や、公有財産の利活用促進、福祉、医療関連事務等の高齢化社会への対応に人員が必要であるとした一方で、真田丸関連や合併10周年記念といった当面の課題の終了に伴う人員の減など、真に必要な人員を積み上げ、将来の職員数にも反映をさせてまいりました。

 今後も地方創生のさらなる推進、高齢化社会への対応等、各部局において人員が必要と見込まれる事業があることから、継続して組織ヒアリングを実施しまして、限りある人員の適正な配置と効果的な組織体制を目指した見直しを常に行ってまいりたいと考えております。

 次に、職員の削減による業務への支障はないかということでございますけれども、事務の委託化、効率化により職員数を削減する一方で、社会経済情勢の変化に伴い新たに生じた行政需要や重点課題に対応するため、組織体制や職員配置の見直しを行うことにより対応をしてまいりました。とりわけ市民サービスにつきましては、人員の削減により低下を招くことがないよう、各課においては事務事業の見直しによる効果的な事業の推進に努めるとともに、組織として効率的に機能できる職員配置を行ってサービスの維持、向上に努めてきたところであります。

 平成28年度以降職員数が増加した要因につきましては、第二次上田市総合計画や上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げる人口減少への歯どめや、地域社会の維持、活性化に向けた施策を初め多様化する市民ニーズにスピーディーかつ確実に対応するため必要な要員を確保した点が挙げられます。また、給食調理員等の退職を見込んだ採用の平準化、職員の年齢構成の偏在を是正するための社会人経験者採用、再任用職員の活用などにより職員数が増加となっております。

 以上でございます。

○副議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) それぞれご答弁いただきました。これまでの状況を踏まえ、今後市の業務がさらに多様化していくことが見込まれますので、職員定数削減の中における業務の多様化について続きましてお尋ねいたします。

 職員定数を削減するのに当たっては業務の効率化を図ることは最優先事項であります。そのような中、マイナンバー制度が導入され、平成28年からマイナンバーの利用が始まりました。これにより市の業務量はふえている状況にあり、加えてマイナンバーカードの普及が進まない状況で業務の効率化につながっていない状況であります。そこで、第二次上田市総合計画ではICTの利活用により質の高い行政サービスと業務システムの適正化を進めるとしており、主にマイナンバー制度導入により業務効率の向上を図るとしておりますが、先ほども申し上げましたとおり、導入以降業務量は増加する一方で、マイナンバーカードの普及が進まない現状をどのように捉え、今後どのように効率化を図っていくのか、お尋ねいたします。

○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

◎総務部長(神代芳樹君) マイナンバーカードの普及についてのご質問でございます。

 マイナンバー制度の開始から3年が経過する中で、市におけるマイナンバー関連の業務につきましては、ご指摘のとおり、カードの交付を初め情報の安全管理、システム関連、制度等の市民への周知などさまざまな対応を行ってきたところでございます。

 マイナンバーカードの交付状況につきましては、国、県と比較できる数字としては、本年6月末現在でありますが、全国が11.5%、県が9.4%、上田市が10.4%でありまして、全国平均より低く、県平均より高いという状況であります。また、上田市の直近の交付状況でありますが、10月末現在で率にして10.8%となっております。議員ご指摘のとおり、上田市に限らず全国的にマイナンバーカードの普及が余り進んでいないといった状況でありますが、市としては国の方針に従いましてカードの普及を促進する立場として、市民の皆様のカード取得に関し、証明書のコンビニ交付を初めできる限りの施策を講じて普及促進を図ってきたところであります。今後もマイナンバーカードには民間も含めさまざまな機能、サービスをつけることが予定をされておりまして、これに伴ってカードの利便性も向上して普及も促進されるものと予想をしております。

 業務の効率化については、昨年11月からマイナンバーの情報連携が開始をされまして、各種手続においてマイナンバーを申請書等に記載することで住民が提出する必要があった一部書類が省略できるなど効率化が図られ始めております。人口減少社会を見据えて、限られた職員数のもとで業務を効率的に行っていくためにも、マイナンバーだけではなく、ICTの高度な活用は大変重要であると考えております。その中でも近年多くの自治体で研究、検討を行っているRPAやAIについては、上田市も積極的に取り組む必要があると考えておりまして、他市町村の事例やシステム事業者からの提案等も参考にして、庁内のどのような業務で導入ができるのか、検討を行っていきたいと考えております。よろしくお願いします。

○副議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 次に、今後の職員定数管理についてお尋ねをしてまいります。

 これまで状況、部局ごとの特徴等をお尋ねいたしましたが、これらを踏まえまして、今後の職員定数管理についてお尋ねいたします。まず1点目として、計画終期である平成37年の目標職員数を1,152人としておりますが、市の業務の変化などを踏まえ早期に見直しをする必要はないか。

 2点目として、働き方改革が進む中、今後は定数の削減のみに着目するのではなく、1人当たりの就業時間の見直しを図る必要も出てくると考えますが、見解はどうか。

 以上2点お尋ねいたします。

○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

◎総務部長(神代芳樹君) 今後の職員定数管理についてのお尋ねでございます。

 平成28年に策定いたしました定員管理計画は、終期となる平成37年度における目標の職員数を1,152人としておりますけれども、増大する行政需要に加えて、今後予定されている定年の引き上げや会計年度任用職員制度の導入など、公務員を取り巻く環境も変化している状況でございます。こういったことから、民間活力の導入も進めながら、新規採用者数や退職者数、組織ヒアリング等の実施による事務事業の動向、非常勤職員も含めた総額人件費等の観点も含めまして、必要に応じて適切に計画を見直していきたいと考えております。

 次に、働き方改革が進む中での見解ということでありますが、定員管理計画の推進に当たりましては、これまでも限られた人員で最大の効果が上がるように、事務事業や組織体制の見直し、民間活力の導入、多様な人材の確保と活用等に取り組んでまいりました。今後もこの取り組みは継続的に進めていくわけでありますけれども、一方で職員が個々の能力を最大限に発揮し、生き生きと仕事ができる環境づくりが必要であると考えております。とりわけ長時間労働の是正につきましては、働き方改革の推進の中で市におきましてもこれまでに特定事業主行動計画第二次計画と女性職員の活躍の推進に関する特定事業主行動計画を策定しまして、超過勤務の縮減や休暇の取得促進に取り組んできたところでございます。引き続き働き方改革の視点からも事務事業の見直しや業務の効率化を進めるとともに、適正な人員配置と効率的な組織体制の構築に努めまして、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○副議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 職員定数管理は行財政改革を推進する上で職員の過度な負担につながってはならないことも考慮するべきであると考えます。今後業務量の変化や社会情勢に合わせ職員定数管理が必要と考えるところでございます。

 次に、業務効率化への取り組みについてお尋ねいたします。これまで職員定数の削減を着実に推進し、職員定数が少なくなった中で市民サービスを担保し、さらには向上を図らなければならないという相反する状況下において、今後さらに業務効率化への取り組みが重要になると考えるところであります。

 そこで、まず1点目として、先ほどもご答弁でございましたが、民間委託や指定管理者制度への移行をさらに推進する必要があると考えますが、見解はどうか。

 2点目として、庁舎改修、改築におけるハード整備により業務効率を上げることができると考えますが、庁舎改修、改築による職員定数への影響をどのように考えるか。また、職員定数削減を進める中、庁舎改修、改築を行うことで市民の利便性向上にどのような効果があると考えているか、あわせてお尋ねいたします。

○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。

          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕

◎総務部長(神代芳樹君) 業務効率化への取り組みについてお尋ねをいただきました。

 民間委託や指定管理者制度への移行などの民間活力の活用につきましては、市では民間活力導入指針を定めまして、これに基づいて民間にできることは民間に委ねるといった基本的な考え方に立ってこれまでの行政と民間の役割分担の見直しをいたしまして、積極的な民間活力の導入を進めてまいりました。この考えのもとで現在147施設についての指定管理者制度の導入を行ったり、平成27年度からは上下水道局において料金徴収や窓口業務の包括的な業務委託を実施してきたところでございます。

 民間活力のさらなる推進につきましては、総務省から地方自治体に対して地方行政サービス改革の推進に関する留意事項についての通知の中でも、1つとして、BPRの手法やICTを積極的に活用して業務の標準化や効率化に努めること、それから民間委託等の積極的な活用等によるさらなる業務改革の推進が必要であること、そしてそこで捻出された人的資源を公務員みずからが対応すべき分野に集中することが肝要であることとしております。市におきましても庁舎建設計画を進めている中で、新庁舎における窓口業務の民間委託などについても検討に取り組むことが必要と考えております。新たに民間委託や指定管理者制度へ移行することが可能な業務の洗い出しやICTの活用を図る中で業務の効率化を進めていきたいと考えております。

 また、行政サービスの外部委託だけではなく、市民の皆様や自治会のほか、NPOなどの多様な主体と行政とが役割を分担して、連携した市民協働によるまちづくりの推進を図ることも重要であると認識をしておりまして、市民力や地域力、行政力の協働による事務事業の再構築に取り組む中で、効率的な行政運営に努めていくことも必要であると考えております。

 次に、庁舎改修、改築による職員定数の影響、それから市民の利便性向上への効果というご質問でございます。庁舎の改修、改築によりまして、これまで建物の形状によって分散をしていた窓口業務を新庁舎低層棟へ集約して配置をすることで、関連する事務処理に係る作業時間の短縮や業務の連携などにおきまして効率化が図れるものと考えております。職員定数に関しましても一定の効果が期待できるものと捉えております。

 一方で、高齢者福祉や障害者福祉などにおける相談業務のように、市民に寄り添い職員が対応することが必要な業務もございますので、職員の適正な配置にも十分留意する必要があると考えております。

 また、ICTの有効活用等を進め、従来の業務を見直して一層の業務効率化を図っていく必要があると考えておりまして、庁舎改修、改築は業務見直しの絶好の機会になるというふうに捉えております。

 庁舎整備の実施に当たりましては、基本計画において市民が利用しやすく、市民サービスを向上させる庁舎、これを第一の基本方針に掲げておりまして、ハードとソフト両面から市民の皆様の利便性が向上する庁舎の実現を目指して、基本設計と実施設計の中で検討を進めている状況でございます。

 ハード面につきましては、ユニバーサルデザイン化の推進やプライバシー保護への配慮、案内表示の設置などにより、わかりやすく、安心、快適に利用ができる庁舎を目指しております。また、ソフト面につきましては、特に市民の皆様の利用が多い転入、転出や出生などといったライフイベントに関連する手続や証明書の発行などといった業務に関して、庁内の関係部署の若手職員によるワーキング会議を設置いたしまして、分散している業務の集約やICTの活用などにより、新庁舎における総合窓口化に向けた研究を進めているところであります。取り扱い窓口が庁内あるいは他庁舎に分散をしている現状の改善を図ることで利便性の向上につなげてまいりたいと考えております。

 これらの取り組みとともに、市民をお迎えする職員の意識改革、接遇向上にも努めまして、新庁舎において市民の皆様に利便性の向上を実感していただけるよう取り組みを進めてまいります。

 以上でございます。

○副議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) ご答弁をいただきました。さまざまな機会を捉えてさらに業務効率化を推進していただければと思うところでございます。

 ここまで職員定数管理についてお尋ねをしてまいりました。行政改革として削減を推進することは確かに必要ではありますが、ただ単に減らすだけの改革では改革とは言えません。現状では、繰り返しになりますが、限界に達してきているのではないかなと私は実感しております。今後もさまざまな観点から注視させていただきたいと思います。

 次に、小中学生の健康と基礎体力向上について質問を進めてまいります。まず初めに、健康をつかさどる上で重要な食育についてであります。上田市では給食のセンター化が市民の皆さんの大きな関心事となっておりますが、少子化社会の中、センター給食か自校給食かの問題は、財政的な観点も含めまして本当に難しい問題であります。しかしながら、今後上田市においてどのような方向性で施設整備が進められたとしても、健全な食生活を実践することができる人間を育てることは上田市として当然の義務であり、上田市は先進地となっていかなければならないと感じております。

 恥をしのんで私のお話を少しさせていただきますと、旧真田町の元教育長であります食育アドバイザーである大塚貢先生は私の中学時代の恩師であります。先生は当時から食育の大切さ、自校給食の大切さを重んじられておりました。私は中学2年生のときに、今からはちょっと想像もつかないかもしれませんが、体を壊しまして、常に微熱がある状況で、ほとんど学校を休んでいる状況で、最も悪いときは自立歩行ができないほどでありました。大塚先生はそのとき私の自宅を何度も訪れ、病院を紹介してくださったり、栄養面の心配をしてくださいました。そんな中でもよく覚えておりますのが、煮干しを粉末にし、みそ汁のだしとして使い、煮干しを全て食べられるように私の母に指導してくださり、私の母も毎日先生の指導のとおり食事をつくってくれたことを印象的に覚えております。そのせいもありまして、今ではこのように大きな体に成長したわけでございますが、大塚先生の食育への取り組みにつきましては、とかく自校給食が注目されがちでありますが、家庭での食事、家庭での食育がきちんとなされた上でのものであります。

 そんな経験から、私は食育について学校での食育も非常に大切でありますが、それ以上に家庭での食育が非常に重要であると考えております。学校給食は平成30年度の「上田市の教育」によりますと、小学校では年間の給食日数が25校の平均で202日、要するに年間で1人202食、中学校では年間の給食日数が11校の平均で200日、要するに年間で1人200食となっております。これは、1年365日3食とした場合、年間で1,095食となりますが、そのうち給食の割合は、小学生、中学生ともに約18%強の割合となります。家庭での食事の割合が82%近くとなるわけであります。このことからも家庭における食育を重視することが健全な食生活を実践することができる人間を育てる上で重要と考えます。

 これまでも上田市では家庭における食育に向けたさまざまな取り組みを進めていたことは承知しておりますが、さらに家庭における食育の推進により上田市を食育の先進地とすべきと考えますがどうか、お尋ねいたします。また、小中学校における食育について教育長は今後どのような方針で取り組んでいくのか、お尋ねいたします。

○副議長(土屋勝浩君) 峯村教育長。

          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕

◎教育長(峯村秀則君) 食育の推進についてでございますが、食は人が生きていく上で基本的な営みの一つでありまして、健全な食生活は健全な生活を送るために欠かせないものでございます。しかし、近年食生活を取り巻く社会環境の変化などにより、児童生徒の食生活の乱れや健康に関して懸念されるところが多いものでございます。特に成長期の子供たちにとって健全な食生活は健全な心身を育むために欠かせないものであり、また食習慣の形成に大きな影響を及ぼすことから非常に重要なものでございます。子供のころに身についた食習慣を大人になって改めることは難しいことから、健やかに生きるための基礎を養うことを目的として市では食育を推進しているところでございます。

 また、食に関する問題は家庭が中心となって担うものであり、家族での食事は家庭教育の第一歩であるとともに、家族のコミュニケーションやしつけの大切な場でもございます。しかしながら、近年の核家族化、共働き世帯や外食機会の増加など、食生活が大変変化しております。

 このような中で、子供に対する食育は自身の健康管理をする上で、自分の判断で何を食べたらよいか考える力を身につけることが必要で、家庭を中心としながらも、学校においても積極的に取り組むことが重要と考えております。ここに食育の大事なポイントがあるように思います。

 家庭への助言や働きかけ、学校、家庭、地域が連携して子供たちの食環境を整えることも必要であると認識しております。大塚先生の実践につきましては私も何度かお聞きをしております。今も真田地区の給食には小魚が提供されております。議員お尋ねの先進地にするかどうかということとは別にいたしましても、なすべきことをしっかりと取り組み、地味ながらもこつこつと食育を推進してまいりたいと考えております。

 現在市では栄養教諭や栄養士が給食や授業を通して食と健康の指導などを実施するとともに、保護者に向け懇談会や給食試食会を開催し、食事のバランスや成長期の栄養について等の食の大切さをお伝えしております。また、「給食だより」、「食育だより」の発行、出前講座などにより、学校のみならず家庭においての食の大切さを啓発しているところでございます。

 公民館におきましても、食物アレルギー講座や子育てセミナーの中でも食育にかかわる講座やイベントを開催しておりまして、引き続き食育に関する部署と連携しながら、家庭における食育の理解を深められるよう努めてまいりたいと考えております。

 今後の方針、取り組みについてでございますが、学校給食の基本的な意義には、不足がちとなる栄養素や適正な栄養量を与え、健康生活を営むために必要な栄養を確保すること、学校給食の体験を通して望ましい食事のあり方と食習慣を身につけること、全ての食材が自然の恩恵を受け、生産者を初め多くの人々の苦労や努力に支えられていることに感謝する心を持つこと、地元食材を取り入れることで地元愛や伝統的食文化を理解することなどがございます。

 このような基本的な意義を受けまして、具体的な児童生徒の取り組みといたしましては、例えば昼食時に給食の献立を校内放送で紹介をしております。その内容は、食物を3つの分野に分けまして、主としてエネルギーになるもの、体のもとになるもの、体の調子を整えるものというように紹介し、きょうの給食の食材の何がそれに当たるかというようなことを子供たちみずからが放送して、自分たちで食育に、また栄養をしっかりとることに目を向けさせていくことが大事だというふうに考えております。

 第2期上田市教育支援プランの支援策の一つにございますように、学校における食育を推進し、児童生徒が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけられるよう、引き続き学校給食を生きた学習の場と捉え、学校教育の中で計画的かつ体系的に食の大切さなどの指導の充実に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○副議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 教育長にご答弁をいただきました。峯村教育長はご就任以来議場においてさまざまなことに対しましてご答弁をいただいておりますけれども、これまでの経験を踏まえ、子供たちにとって何が大切なのかという観点で答弁されていることは私本当に感銘を受けております。ぜひ峯村教育長のもとで、子供たちの将来を見据えた食育をさらに着実に推進していただきたいと思うところであります。

 それでは、次に小中学生の基礎体力向上についてお尋ねいたします。スポーツ庁がことし2月に発表いたしました平成29年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果によりますと、児童生徒の体力、運動能力の状況で体力合計点の推移が平成20年度の調査開始以降の推移で見ますと、男子児童生徒については横ばい傾向で、女子児童生徒については向上傾向で、調査開始以来最高値となりました。

 しかしながら、昭和60年度の調査と比較いたしますと、昭和60年度の平均値以上の児童生徒の割合を調査したところ、小学校5年生の反復横跳び及び中学校2年生男子の50メートル走を除き、児童生徒の半数以上が昭和60年度の平均値を下回る状況でありました。また、分析では小学校から中学校の進学に伴い運動時間が増加する生徒と減少する生徒に二極化しており、女子は男子に比べ運動時間が減少する生徒の割合が高いと分析をしております。朝の部活動などが禁止されるなど子供たちがスポーツをする環境が目まぐるしく変化する中、上田市としては日常生活でのけが防止、将来の病気予防、健幸都市の構築の観点からも小中学生の基礎体力の向上を図る施策を推進する必要が高いと考えるところであります。

 そこで、お尋ねいたしますが、1点目として、市内の小中学生の基礎体力をどのように把握しているのか。また、基礎体力の特徴や傾向をどのように分析しているのか。

 2点目として、基礎体力の分析結果をどのように生かしているのか。

 3点目として、基礎体力の向上はさらなる工夫が必要と考えますが、取り組みを強化してはどうか。

 以上3点をお尋ねし、私の最後の質問といたします。

○副議長(土屋勝浩君) 峯村教育長。

          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕

◎教育長(峯村秀則君) 児童生徒の基礎体力につきましては、スポーツ庁が毎年小学校5年生と中学校2年生を対象に全国体力・運動能力、運動習慣等調査を実施しておりまして、教育委員会及び各学校ではスポーツ庁から示される学校ごとの調査結果を共有し、分析等に活用しております。

 調査内容について参考までに申し上げますと、小学生は握力、上体起こし、長座体前屈、50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール投げ、20メートルシャトルランの7種目です。中学生は、20メートルシャトルランと持久走のどちらかとハンドボール投げを加えた8種目となっております。

 調査の結果は、スポーツ庁から種目ごとに平均値や全国平均に対する比較値が公表されておりまして、その結果を見る限り、上田市でも議員ご指摘のように昭和60年度の平均値を下回る傾向があらわれており、また国や県の平均値を下回る結果となっております。

 また、中学校で運動する時間が二極化するという要因といたしまして運動部活動が考えられます。本年9月の市内の全中学校に対する運動部活動の参加者は60.9%、男女別では男子が74%、女子は48.5%という結果でございました。このことから、部活動に参加していない生徒の基礎体力の向上が課題であると考えております。

 続いて、結果の生かし方についてでございますが、スポーツ庁の公表する調査結果は教育委員会を通して市内の各小中学校に対し、当該校の状況及び児童生徒一人一人の調査結果が提供されております。各小中学校では提供された調査結果を踏まえ、それぞれの具体的な取り組み目標を設定し、基礎体力の向上に取り組んでいるところでございます。

 例を申し上げますと、毎朝登校後に校庭を1周している学校や、全校集会の折に月に一、二度全校で運動を行う学校もございます。また、週に1度掃除の時間を転用しまして、外で思い切り遊ぶ時間に充てている学校や、体育の授業時間に調査結果による苦手種目について力を入れている学校、生徒自身が自分の苦手種目を克服するように目標をつくって実践する学校などがございまして、それぞれの学校で調査結果をもとに体力向上につなげるさまざまな取り組みをしております。

 体力向上にかかわる工夫についてでございますが、小学校では2020年から完全実施される外国語教育の先行実施をしておりまして、10分から15分ほどの時間を単位として短時間取り組むモジュール学習を取り入れ授業時間を工夫している学校があるなど、日課として運動や体力づくりに費やす時間がなかなか確保できない状況もございます。

 しかしながら、運動に親しみを覚えるような取り組みは必要であることから、各校での基礎体力の向上に向けた取り組みを継続するとともに、体育の時間に新しいスポーツを取り入れ、児童生徒が体を動かすことに興味が持てるように授業内容の改善に努めております。一例として、教育委員会としてタグラグビーの体験授業や指導者向けの講習を行いまして、タグラグビー体験用具の貸し出しも行うなど、学校での取り組みを支援しております。また、運動部活動がある中学校では、教育委員会が昨年制定した上田市立中学校に係る運動部活動の指針の中で、朝の部活動の禁止や平日の活動時間の基準を定め、学校教育の一環として部活動が適切に行われるように各中学校を指導しているところでございます。

 今後は決められた時間の範囲内で、より内容の濃い運動部活動を目指すとともに、運動が苦手な生徒や運動部活動に参加していない生徒が気軽に体力づくりに親しむことができるような環境整備を進める必要があると考えております。

 いずれにいたしましても、基礎体力は健康に生活していくための基本であることから、教育委員会としてこれからも体力向上につながる取り組みを研究するとともに、実践していくことで体力向上、生涯スポーツにつなげること、将来のけがや病気の予防に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○副議長(土屋勝浩君) 佐藤論征議員の質問が終了しました。

平成30年9月定例会一般質問

○議長(小林隆利君) 次に、質問第3号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 議長の許可を頂戴いたしましたので、通学路の安全確保についてと平成29年度決算と上田市の財政について通告いたしましたとおり質問を進めてまいります。

 まず初めに、通学路の安全確保について質問いたします。去る6月18日、大阪府北部を震源とする大阪北部地震が発生いたしました。発生時刻が午前7時58分という通学時間帯で、通学中の女児が通学路脇のプールのブロック塀が地震の影響で崩壊し下敷きとなり、とうとい命が失われてしまいました。通学路上、しかもグリーンベルト上、その上学校施設が発端となりこのようなことが起こってしまったことは絶対にあってはならないことであります。

 これを受け今回の9月定例会にさまざまな市内のブロック塀の除去などにかかわる予算が補正予算として計上され、これまで上田市ではブロック塀除去の補助金として、もともとは景観向上を目的とした生け垣設置補助制度を推奨しておりましたが、補助条件等が実態に合わず、安全面の観点から利用するには非常に利用しにくい状況にありました。先ほど私と同じ会派の斉藤達也議員からは、ブロック塀除去の補助制度について質問がなされたところであります。今回の定例会で私も補助制度の創設を提案させていただこうと考えておりましたが、今回補正予算として上程されました。この短期間で迅速な対応がされたことは、危機管理上大変評価できることであります。

 今回の大阪北部地震の発生後、市民の方からご自宅の前に以前いつの間にかグリーンベルトが設置されたが、自宅にはブロック塀があり、子供たちにとって危険ではないか不安であるとのご相談を数件私のところに寄せられました。ご相談いただいた方は、いずれも子供たちのことを心配する思いから私のところへ相談に来られたわけですが、学校などへどう伝えてよいかわからず私のところにいらっしゃったそうです。グリーンベルトは以前PTAの作業などで歩道が設置できない場所などに手作業で塗装を行っておりましたが、手作業での塗装は劣化が著しいことなどの理由から、現在は業者により塗装がされております。私の子供が小学校のころはやはりPTAで塗装作業を行っておりました。その際はグリーンベルトを設置する通学路沿いのお宅に事情を説明した上で設置をしておりました。その効果もあり、グリーンベルトに対する理解、子供たちの通学路の安全確保が地域で顕著に広まりました。今回グリーンベルトの設置時に設置箇所に隣接する住民の皆さんに説明がなされていなかったこと、あるいは周知が徹底していなかったことは非常に残念なことであります。グリーンベルトの設置に当たっては、ただ単に視覚的に安全を確保するだけではなく、周辺住民の理解が深まることとなり、不審者への対応なども含め、子供たちの安全をさらに担保できると考えますし、今回ブロック塀除去補助金を創設するのに当たり、ブロック塀の除去の促進にも寄与するのではないかと考えるところであります。

 そこで、グリーンベルトの設置に当たり、設置場所沿いの住民への周知を現在行っているのか、また設置場所周辺の住民に理解と関心を持っていただくために、市内における統一的な周知などが必要と考えますが、見解はどうか、お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 翠川都市建設部長。

          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕

◎都市建設部長(翠川潔君) 通学路の安全確保、グリーンベルトの設置に関するご質問をいただきました。

 路肩のカラー舗装、いわゆるグリーンベルトにつきましては、歩道と車道が区別されていない道路におきまして、路側帯をグリーンに着色し、ドライバーが車道と路側帯を視覚的により明瞭に区分できるようにするもので、車両速度の抑制による歩行者の安全確保と交通事故の防止を目的に設置をしております。グリーンベルトは、歩道設置が困難な箇所における交通安全対策として、通学路を初めとした生活道路を中心に平成19年度から設置を始めておりまして、設置当初は地域の交通安全事業、コロペタ大作戦と申しておりましたが、として地域住民やPTAの皆様などにご協力をいただきながら、市民協働により実施をしてきておりました。しかし、施工後の耐久性の問題もあり、現在は市の発注により業者が施工をしております。

 グリーンベルトの設置につきましては、自治会や学校から多くのご要望をいただく中で、予算の範囲内で順次対応をしておるところでございます。

 また、施工の際の周知につきましては、その都度関係自治会と相談をさせていただきながら行っておりますが、グリーンベルトの設置は道路の掘削などによる一定期間の通行どめを伴う工事とは異なりまして、交通規制もなく、短期間で完了することや、施工範囲が数キロメートルに及ぶ場合もあることから、回覧等による周知を行うかどうかにつきましてはそれぞれの自治会の判断によりさまざまでありまして、必ずしも沿線住民全ての皆様には周知されていない状況でございます。市といたしましては、グリーンベルトに対する市民の皆様のさらなる理解や関心を高めていただくことの必要性は認識をしておりまして、今後工事の実施段階における周知方法につきましては、これまで回覧でお知らせした内容について、施工時期や施工箇所のほか、グリーンベルトの目的や効果等についてもあわせてお知らせをするなど、周知する範囲も含めまして自治会や学校関係者の皆様と相談をさせていただきながら検討してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) グリーンベルトは車歩道が分離できない道路に設置し、安全性の向上を図るものであります。一方で、設置することによりまして周辺住民はより通学路として強く意識することとなります。したがって、自身が所有するブロック塀などがグリーンベルト沿いにあることにより不安を抱くことは当然のことであります。グリーンベルトの設置は、自治会、PTAなどからの要請に市が対応していることは十分理解をいたしますが、教育委員会等も含め、設置するに当たり、設置場所、周辺の住民の意識がどのように変化するかということを市は課題として捉える必要があるのではないかと考えるところであります。そういった思いから今回グリーンベルトについてお尋ねをいたしました。

 次の質問に移ります。平成29年度決算と上田市の財政について質問してまいります。平成29年度決算については、決算特別委員会各分科会において審議されますので、概略についてお聞きをしたいと思います。まず初めに、平成29年度の歳入の状況と今後の見通しについてお尋ねをいたします。

 1点目として、平成29年度当初予算に対する決算の状況はどうか。また、傾向と特徴はどうか。

 2点目として、平成29年度決算を踏まえた今後の歳入見込みはどうか。

 以上2点をお尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 山口財政部長。

          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕

◎財政部長(山口武敏君) 平成29年度決算と上田市の財政についてのご質問でございます。

 初めに、歳入に関してでございますが、一般会計全体で当初予算と決算との比較を申し上げますと、当初予算662億4,820万円に対し、決算では歳入総額673億2,881万円余、当初予算との比較で10億8,061万円余の増となっております。当初予算の編成過程では歳入の約3分の2を占める一般財源について、地域の景気動向や総務省が策定する地方財政計画、また前年度の決算見込み等から通年での収入見込みを算定し、歳出予算額から特定財源を差し引いた所要一般財源の調整を行っております。当初予算を編成する上では、補正予算で必要となる一般財源を留保する必要があることや、歳入予算に対して収入が不足するいわゆる歳入欠陥といった事態を避けるため、確実に収入が見込める金額の範囲で予算を計上しており、その結果不足する一般財源については財政調整基金や減債基金から繰り入れて予算を編成しております。

 合併以降当初予算はこういった手法で一般財源を確保しながら予算編成を行っておりますが、結果的には当初予算計上額よりも収入額が超過をして基金を取り崩さなくても済む、こういった状況が続いてまいりました。平成29年度におきましても、当初予算で財政調整基金と減債基金の合計で15億円の繰り入れを計上しておりましたが、市税等の一般財源が想定よりも伸びたことにより全額繰り戻しをすることができました。

 個別に29年度当初予算と決算との比較を申し上げますと、市税では、給与所得の増加等により個人市民税が3億2,000万円余の増となったほか、企業業績の回復により法人市民税が2億7,000万円余の増、固定資産税におきましても、新増築家屋や償却資産が増加したことにより2億1,000万円余の増と、市税全体で8億8,000万円余の増となっております。

 市税以外でも地方交付税では、基準財政需要額が増加したこと等により普通交付税が3億5,000万円余の増、個人消費の伸びを反映して地方消費税交付金が1億8,000万円余の増と、景気回復の影響を反映して多くの項目で予算と比べますと増額の決算となっております。

 一方、特定財源では、耐震化への対応として実施しました小中学校の改築事業の多くが終了したこと等に伴い普通建設事業費が大幅減となったことから、その財源となっております国庫支出金、また市債が減となっております。特に市債の発行額につきましては、43億5,000万円余という決算額でありまして、合併後2番目に少ない額という状況でございます。

 続いて、平成29年度決算を踏まえた今後の歳入見込みでございますが、政府が発表しております景気の現状や地域の経済動向を踏まえますと、当面は市税等の一般財源は堅調に推移するものと見込んでおります。7月下旬に決定された平成30年度普通交付税大綱による本年度の当市の普通交付税額は135億465万円余、臨時財政対策債発行可能額は24億2,329万円余となり、普通交付税は29年度の決算額と比べますと1億4,810万円余、1.1%の減、臨時財政対策債も4,342万円余、1.8%の減となっております。30年度当初予算計上額と比較をいたしますと、普通交付税が4億465万円余の増、臨時財政対策債が2,329万円余の増の決定額となっており、この上回り分は補正予算の所要一般財源として活用してまいります。

 一方、今年度の市税の調定額を見ますと、個人市民税、法人市民税とも前年度の同時期を上回っており、平成29年度と同様に景気の上向き傾向が続いていることによるものと判断をしております。

 次に、今後の見込みでございますが、市税につきましては、このように短期的には一定の伸びは見込めますものの、普通交付税の合併算定替えの段階的な縮減が平成33年度まで続くことなどから、一般財源の全体としましては大幅な増額は見込めないものと見込んでおりまして、基金等を活用しながら予算を編成していく状況、こういった状況がしばらく続くものと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) ただいま歳入についてご答弁いただきましたので、次に平成29年度の歳出の状況と今後の見込みについてお尋ねをいたします。

 1点目として、平成29年度当初予算に対する決算の状況はどうか。また、どのような評価をしているか。

 2点目として、医療、福祉関係の歳出額は年々増加し、今後も少子高齢化、人口減少社会の中でさらなる増額が見込まれますが、上田市における傾向と特徴はどうか。また、今後どのような見通しを持って財政運営に当たるのか。

 以上2点お尋ねをいたします。

○議長(小林隆利君) 山口財政部長。

          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕

◎財政部長(山口武敏君) 歳出についてご質問を頂戴いたしました。

 初めに、一般会計全体で29年度当初予算と決算額との比較を申し上げますと、当初予算662億4,820万円に対しまして、決算では歳出総額652億7,374万円余、当初予算額と比較しまして9億7,445万円余の減となっております。予算額と決算額との差額の主な要因でありますけれども、工事請負費等で入札により予算額から減額となることや、住民の皆様への補助金や給付等が決算においては不用額が生じること、また市債の借り入れ金利が想定よりも低利に抑えられたことなどがございます。また、天候の影響や関係者との交渉に時間を要するなどの不測の事態によりまして、平成29年度中に工事等が完了せずに事業の予算を平成30年度に繰り越して実施しなければならなくなった、こういった要因もございます。当初予算編成段階で市民の皆様方から寄せられる多くの要望により多く応えるためには、経費を的確に見積もり、予算配分をすることが非常に重要となりますので、今後も予算査定におきましては、金額、内容の精査に一層努めてまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、平成29年度決算におきましては、実質収支で17億8,913万円余の黒字、こういった内容で決算できましたことから、健全財政を維持できたものと、このような評価をしております。

 続きまして、医療、福祉関係の歳出額の傾向と特徴、また今後の見通しでございます。一般会計におきましては、障害者自立支援法に基づく自立支援給付費が年々増加をいたしておりまして、平成29年度決算におきましても平成28年度と比較して、金額にして1億9,000万円余、率にして5.9%の増となっております。障害者自立支援制度が通年実施となりました平成19年度と比較をいたしますと、22億5,000万円余、約2.9倍の大幅な増となっております。

 また、お尋ねの国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、介護保険事業特別会計のいわゆる医療3会計の歳出決算額でございますけれども、3会計の合計で平成29年度は28年度と比較いたしまして6億1,000万円余、1.8%の増となっております。直近の5年間の推移を見ましても、高齢化の進行に伴う保険給付費の増加や制度の改正等によりまして年々増加をいたしております。平成24年度の決算と比較をいたしますと、38億9,000万円余、12.5%の大幅な増という状況でございます。これら特別会計の保険給付費等の増加に伴いまして、国の基準に基づく一般会計からの繰出金も増加をしておりまして、この5年間で6億円余、18.6%の増、こういった状況でございます。今後も自立支援給付費や保険給付費等の増加は避けられないものと考えておりまして、ルール化をされております国、県からの補助、負担金が確実に確保されるよう国の動向を注視してまいります。

 また、これらの給付費等の増加に伴う一般財源の負担の増加、これが市全体の財政に与える影響も年々大きくなるものと見込んでおります。この負担増につきましては、国の制度に対する地方負担額として全額が地方財政計画、これに計上されるべきものであるということから、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額が確保されるよう、市長会等を通じて国に要望をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) ここまで歳入と歳出についてお答えをいただきました。

 次の質問に移ります。1市2町1村の合併以降、上田市の財政は合併特例債を有効活用した効果も大きく、着実に健全化が進められてまいりました。この間、東日本大震災を受け小中学校の耐震化も図るなど、大きな歳出に対しても着実に対応してまいりました。今後は庁舎改修、改築、公共施設の改修、改築などを初めとするさまざまな大規模な歳出を少子高齢化、人口減少社会の中で着実に進めていかなければなりません。

 そこで、平成29年度の財政指標と今後の財政指標についてお尋ねをいたします。財政指標については資料として平成29年度一般会計、特別会計、企業会計決算の概要の中に付されておりますが、財政力指数、経常収支比率、実質公債費比率、公債費負担比率、将来負担比率、起債残高について詳細をお尋ねいたします。

 まず1点目として、平成29年度の財政指標の特徴と評価はどうか。また、今後の財政指標の見込みについてはどうか。

 2点目として、平成29年度末における基金の状況はどうか。また、平成29年度末における基金状況から今後の基金の方向性をどのように考えるか。

 以上、財政指標に関し2点お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 山口財政部長。

          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕

◎財政部長(山口武敏君) 平成29年度の財政指標に関するご質問でございます。

 まず、財政力指数は、各団体の財政力を示す指標として一般的に用いられております。毎年7月に決定します普通交付税の算定結果から導かれるものでございます。具体的には、標準的な地方税の収入見込み額である基準財政収入額を標準的な財政需要に必要な一般財源である基準財政需要額で除した値の3カ年の平均値でございます。いわば標準的な行政経費を税収等でどの程度賄えるかといった指標でございます。1に近く、あるいは1を超えるほど財源に余裕があり、単年度の財政力指数が1を超えますと、普通交付税の不交付団体であることを意味します。平成29年度は基準財政収入額185億4,695万円余を基準財政需要額312億1,225万円余で除した単年度数値で0.594となり、平成27年度から29年度までの3カ年の平均では0.597で、平成28年度から0.001ポイントの低下という、横ばいの状況でございます。

 基準財政収入額は景気の回復を受けて市税や地方消費税交付金が増加した、このような状況を反映して増額となった一方、基準財政需要額におきましても、合併市町村の財政需要を反映する市町村の姿の変化に対応した交付税算定、これが拡大して増額となったことによって、結果としましては財政力指数は横ばいとなった、こういったものと分析をしております。

 この市町村の姿の変化に対応した交付税算定額は、合併市町村が合併前には想定しなかった財政需要、これを交付税算定に反映する趣旨で導入されたものでございまして、上田市といたしましても国に対しこういった算定を働きかけてきた経過がございますので、平成29年度の算定におきましても基準財政需要額に適切に反映されたものと一定の評価をしておるところでございます。

 合併後の財政力指数の推移を見ますと、平成22年度の0.660をピークにしまして、平成24年度に0.582まで低下をいたしましたが、平成25年度から上昇に転じておりまして、直近の3年間は、先ほど申しましたように、ほぼ横ばいの状況、こういった状況が続いております。これは、骨太の方針2015で示された地方の一般財源総額について、平成27年度の水準を平成28年度から平成30年度まで維持するとされた、いわゆる一般財源同水準ルールがきちんと守られた結果であると、このように考えております。

 本年6月に閣議決定された骨太の方針2018でも同様に、地方の一般財源総額について平成30年度の水準を31年度から33年度まで維持するとされまして、一般財源同水準ルールが継続となりました。今後3年間はおおむね同水準の財政力指数が維持されるものと考えております。

 続きまして、経常収支比率、公債費負担比率、実質公債費比率、将来負担比率につきましては、各年度の決算を受けて算出をされるものでありまして、平成29年度決算における状況を順次申し上げます。経常収支比率でございますが、各団体の財政構造の弾力性を示す指標で、経常的な経費に充当した一般財源が経常的に収入される一般財源に占める割合であらわされ、低いほど弾力性があることを示します。29年度は前年度と比較して分子となります経常的経費充当一般財源が増加したものの、分母であります経常一般財源の増加がそれを上回り、0.3ポイントの減、88.8%となっております。未確定の速報値ではありますが、県内19市の平均値は89.5%となっておりまして、一定の弾力性が確保されているものと考えております。

 次に、公債費負担比率ですが、公債費に充当した一般財源が一般財源収入額に占める割合であらわしたもので、経常収支比率と同様に、低いほど財政運営の弾力性が確保できていることを示します。平成29年度は分子である公債費が増加したことに加え、分母である一般財源収入額が減少しましたため、0.2ポイント増の16.2%となっております。こちらも速報値となりますが、県内19市の平均は15.4%となっており、現時点では弾力性に大きな問題はないものと判断をいたしております。

 次に、財政健全化判断比率の一つである実質公債費比率でございますが、団体の借入金返済額の大きさを財政規模に対する割合であらわしたもので、市債の元利償還金に公営企業や一部事務組合等が発行した地方債の元利償還金に対する一般会計からの負担金や補助金等を加えた額を団体ごとの標準的な一般財源の規模をあらわす標準財政規模で除した値の3カ年の平均でございます。平成29年度は市債の元利償還金の増加等により前年度から0.6ポイント増の5.3%となりましたが、財政健全化計画の策定が義務づけられる早期健全化基準の25%を依然として大幅に下回っている状況でございます。

 もう一つの財政健全化判断比率であります将来負担比率でございますが、借入金など現在抱えている負債の大きさを財政規模に対する割合であらわしたストック指標でございまして、地方債現在高に債務負担行為に基づく支出予定額等を加えた額を標準財政規模で除した値でございます。平成29年度は地方債現在高の減少等により前年度から6.4ポイント減の35.8%となりました。早期健全化基準の350%をこちらも大幅に下回っており、実質公債費比率も含めまして財政の健全性が維持されている、こういった状況と判断をしております。

 今後の見込みでございますが、いずれの指標も地方債の発行額やその元利償還金の額に大きく左右されますことから、現在進めております市庁舎改修・改築事業で発行する見込みの地方債の影響で一時的に数値が悪化することが予想されます。このため、将来に大きな負担を残すことがないよう、これらの財政指標の推移にも留意しながら、計画的な財政運営に努めてまいります。

 財政指標の最後に、普通会計における平成29年度末の起債残高でございます。小中学校の耐震化に係る改修、改築事業や、交流文化芸術センター整備といった普通建設事業の実施に伴って発行されます合併特例債や緊急防災・減債事業債などの起債額に応じてこの起債現在高は増減をしてまいります。特に最近は臨時財政対策債の残高が増加をしてきておりまして、平成29年度末の地方債残高に占めますこの臨財債の割合は45.5%、額にして299億円余まで増加をしてきております。29年度の起債残高は前年度と比べ26億円余の減少となりまして、657億5,774万円余となり、合併以降最小の値となっておりますが、今後庁舎整備事業等普通建設事業の増加が見込まれますことから、現時点では起債残高も一時的に増加をするものと試算をしております。

 次に、基金の状況でございますが、平成29年度では平成30年度の市民債の一括償還に備え減債基金に1億円、ふるさと寄附金を財源としてふるさと上田応援基金に5,000万円余、公共施設の耐震化事業分として公共施設整備基金に2億円を積み立てるなど、将来の財源確保のために計画的な積み立てを行いました。一方、地域の振興に資する事業に充当するため、地域振興事業基金から1億3,000万円余を取り崩すなど、基金の設置目的に沿って活用を図ったところでございます。その結果、29年度末の一般会計の基金残高は、28年度と比較して1億3,000万円余増の200億2,000万円余となり、特別会計まで含めますと8億3,000万円余増額の218億6,000万円余という状況でございます。

 基金につきましては、昨年度国の経済財政諮問会議で有識者議員から地方自治体の基金残高の増加を問題視する趣旨の発言がなされ、総務省が全自治体の基金の積み立て状況について調査し、結果を公表した経過がございます。上田市でも合併から平成29年度までに108億円余の基金を積み増してきておりますが、先ほど申し上げましたように、将来の財政需要を見込む中で行財政改革等で生み出した財源を使い、目的を持って積み立てているものでありまして、経済財政諮問会議においての地方財政計画の歳出が過大であり、地方財政に余裕があるかのような指摘は的を射ていないものかと考えておるところであります。

 今後の方向性でございますが、市庁舎改修・改築事業が今年度の南庁舎の耐震化事業を皮切りに本格実施を迎えまして、基本計画では総事業費約74億円と見積もっております。その多くに充当率90%の市町村役場緊急保全事業債、これを活用する予定でおります。また、起債の対象とならない什器類の購入額も多額になるものと見込んでおり、これら起債対象外の経費や、先ほどの起債の充当残に充てる一般財源の確保、これが財政運営上の大きな課題となってまいります。このため、23年度から積み立ててまいりました公共施設整備基金のうちの公共施設耐震化分、これは平成29年度末残高が23億円となっておりますけれども、この基金から必要額を取り崩し市庁舎改修・改築事業に充てる方向で財源を検討しております。

 また、合併後の新市の一体感の醸成に活用してまいりました合併特例債も発行限度額までの残りが少なくなっており、今後はより充当率の低い起債への切りかえを進めていく必要がございます。このため、起債の充当残に充てる財源の確保策として特定目的基金を設置目的に沿った事業へ積極的に活用することも検討してまいりたいと考えております。

 また、30年度におきましては、交流文化施設建設のために25年度に発行しました市民債、この一括償還を迎えますが、この財源として減債基金から4億円を取り崩す予定となっております。

 今後につきましては、将来を見据えた基金への積み立ては継続してまいりますが、これまで申し上げましたように、基金の活用が見込める事業が多くなる状況を考慮しますと、当面基金残高は減少していくものと見込んでおります。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 次に、会計年度における主要施策の成果報告書についてお尋ねをいたします。

 会計年度における主要な施策の成果を説明する書類、上田市においては会計年度決算に係る主要施策の成果等報告書として議会に会計年度ごとに提出されておりますが、これはご存じのとおり、地方自治法第233条において議会に提出が義務づけられている書類であります。しかしながら、一方で内容については規定がなく、各自治体の判断に委ねられているものであります。私は、この会計年度における主要な施策の成果を説明する書類については、議会機能を向上させる上で非常に重要な書類であると考えるだけではなく、市民の皆さんにとっても市の状況を見える化できる有効な書類であると考えております。できる限りこの書類を機能的なものとすることは市民益をも向上させるものであります。私も会派、所属委員会などで実施いたします行政視察の際などはできる限り伺った先で図書室や主要施策の成果報告書を見せていただくようにしておりますが、やはり自治体によってかなり内容に違いがあることを実感しております。

 さらには、公表についてもホームページ上に掲載している自治体、していない自治体があり、公表の考え方についても差があるように感じております。公開については上田市では既に会計年度決算に係る主要施策の成果等報告書をホームページに掲載しており、非常に評価できるところであります。

 そこで、上田市の会計年度決算に係る主要施策の成果等報告書について、現在の様式としている考え方はどうか、お尋ねをいたします。

○議長(小林隆利君) 山口財政部長。

          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕

◎財政部長(山口武敏君) 主要施策の成果報告書に関するご質問でございます。

 地方自治法の規定に基づきまして市長が決算を議会の認定に付するに当たりましては、議員ご指摘のとおり、地方自治法第233条第5項の規定によりまして、会計年度における主要な施策の成果を説明する書類、その他政令で定める書類を提出することが義務づけられております。これら決算に関する書類のうち歳入歳出決算書につづられております会計別歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書、これらにつきましては地方自治法施行規則に様式が定められておりますため、全自治体で基本的に共通の様式が用いられているものと承知をしております。

 一方、ご質問の主要な施策の成果を説明する書類につきましては、規則等で様式が定められておらず、各団体が議会での説明がしやすいよう創意工夫して様式を決定しており、記載する内容等は団体ごとに異なっているのが現状でございます。

 上田市では合併後最初の決算となりました平成17年度決算の主要施策等の報告書を作成する段階で、合併前の旧市町村や類似団体の様式を参考に検討を重ね、旧上田市の様式をベースに、よりわかりやすい説明資料とする観点から変更を加えまして、新上田市としての新しい様式を作成し、その後大きな変更をせずに現在に至っております。

 これまで大きな変更がなかった理由といたしましては、作成に係る事務効率や前年度決算との比較のしやすさを重視してきたことがございますが、市議会への説明資料であること、また一般の市民の皆さんへの公表資料であることから、決算内容を知るために必要な情報として、よりわかりやすく掲載できる様式について今後も引き続き研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 今回市の考え方をお聞きいたしましたが、このことにつきましては議会としても研究を進めていく必要が非常に高いと考えるところであります。

 最後に、今回の質問の総括として市長にお尋ねをいたします。土屋市長が市長に就任され早いもので5カ月が経過いたしました。平成29年度の決算についても当然のことながら前市長時代の予算に対する決算でありますし、本年度の予算についても前市長のもとでの予算編成であります。今回の決算結果を受け、いよいよ土屋市長のもとでの初めての来年度の予算の編成に挑むのに当たり、市長は財政運営の方針をどのように考えているか、お尋ねいたします。財政運営方針については、前回の6月定例会の私の所属会派新生会代表質問において尾島代表より同様の質問がなされておりますが、今回はここまで質問してまいりました平成29年度の決算結果を踏まえ、予算編成に挑む観点で詳細についてご答弁をいただきたいと存じます。

 以上、私の一般質問最後の質問とさせていただきます。

○議長(小林隆利君) 土屋市長。

          〔市長 土屋 陽一君登壇〕

◎市長(土屋陽一君) 平成29年度決算状況については先ほど財政部長が詳細に答弁申し上げたところでございますが、各種指標が示すとおり、平成29年度においても健全財政が維持されているものと考えており、私といたしましても、合併後の堅実な財政運営については一定の評価をいたしているところでございます。そういった評価を念頭に置きまして、来年度の予算編成に臨むことになるわけでございますが、まずもって申し上げておきますのは、第二次上田市総合計画の実現が予算編成の最大の目標であるということであります。第二次上田市総合計画は私が市議会議員時代に市議会といたしましても策定に関与したものでございますし、市の方向性を示すということで最大限に尊重し、その実現に全力を尽くすことが私の責務であると認識し、日々市政経営に当たっております。

 平成31年度当初予算の編成に当たっては、第二次上田市総合計画に掲げました将来都市像の実現に向けたさまざまな施策を打ち出せるよう、上田再構築の視点で庁内議論を重ねてまいります。一方で、平成29年度決算を踏まえますと、今後も一般財源の大幅な増収が見込めるような状況にはないと判断しております。したがいまして、平成30年度予算編成で掲げました予算の重点化、行財政改革の推進の2つは平成31年度予算編成におきましても引き続き取り組むべき大きな柱と考えております。

 平成31年度予算編成方針は、来月予定いたしております予算編成会議に向けて策定することとなっており、詳細についてはこれからの部分も多くございます。第二次上田市総合計画の推進と健全財政の維持の両立が図れるよう、職員一丸となって予算編成に臨んでまいります。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員の質問が終了しました。

菅平高原アリーナ オープン

地元ならびにアスリートからの高い要望により、平成28年度から整備が進められていた地域振興施設『菅平高原アリーナ』が平成30年9月1日(土)にオープンいたしました。2019年ラグビーワールドカップ、2020年オリンピック・パラリンピックなどの合宿にも対応できる施設です。

pdf上田市菅平高原アリーナ

 

 

都市農村交流推進事業(クラインガルテン整備)について

平成30年6月定例会初日nお全員協議会において上田市より「都市農村交流推進事業(クラインガルテン整備)について」議会に報告・説明がありました。この事業は、長野県と役割分担により整備するもので、棚田に近い上田市豊殿岩清水地区に都市住民が農業体験、農村生活体験をするための農地を併設した簡易宿泊施設を建設し、有料で貸し出すものです。議会に提出された資料を掲載いたします。

pdf都市農村交流推進事業(クラインガルテン整備)について

 

上田市庁舎改築基本設計案について

平成30年6月定例会が6月4日開会し、初日終了後に開会された全員協議会において上田市より「上田市庁舎改築基本設計案について」議会に対し報告がなされました。詳細については、全員協議会において配布された資料を掲載いたします。

pdf上田市庁舎改築基本設計案(概要書)