令和2年3月定例会一般質問

○議長(小林隆利君) 次に、質問第11号、有害鳥獣対策と地域おこし協力隊制度の活用について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 本日最後の質問となりました。皆様かなりお疲れのようでございますが、しばらくお付き合いいただきたいと思います。

 それでは、議長よりお許しを頂きましたので、さきの通告のとおり、有害鳥獣対策と地域おこし協力隊制度の活用について質問をしてまいります。

 まず、有害鳥獣対策について質問を進めてまいります。私の所属会派新生会は、少し前になりますが、昨年の3月に政務活動費を活用し、小諸市の永続的な対策を目指す野生鳥獣対策の取組を視察させていただきました。小諸市では有害鳥獣対策を行う猟友会員の減少に対処するため、平成23年に市に専門員と狩猟免状を所有した市職員から成る鳥獣被害対策実施隊を結成し、有害鳥獣対策に取り組み、その取組の中から発生した問題解決に向け、猟友会に依存していた有害鳥獣対策から脱却し、捕獲従事者負担軽減捕獲報償費の増額を図るなどして、捕獲数を顕著に増加させました。

 一方、捕獲増加により当然のことながら捕獲報償金、個体処分費が増加いたしましたが、これに対処するため、平成27年度に小諸市野生鳥獣商品化施設を整備いたしました。この施設は、県の遊休施設を改修し、財源は地方創生交付金を活用して整備され、施設整備に併せ小諸市野生鳥獣商品化事業として、ペットフードの原料として鹿肉の加工、販売が開始されました。事業発足後もさらなる収益性の改善への取組は行われ、なおかつ施設では地域おこし協力隊員が活躍されております。昨年度は上田市からこの施設に10頭のニホンジカが持ち込まれ、上田市産ニホンジカペットフードとして商品化されたところであります。

 小諸市での先進的な取組を視察し、上田市の今後の有害鳥獣対策に非常に参考となることが多いと感じました。ただ単に同様の取組をするのではなく、近隣での取組を見ながら、上田市の地域性などにより、この取組を生かす観点で上田市の有害鳥獣の現状についても併せて質問してまいります。

 まず、有害鳥獣捕獲報償金についてです。1点目として、有害鳥獣捕獲報償金の捕獲個体別の単価と単価の推移はどうか。

 2点目として、平成30年度決算に係る成果報告書では、有害鳥獣対策ではニホンジカ、イノシシ、ハクビシンについては従来の捕獲報償金のほか、国の鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業により、報償金を加算して捕獲対策の強化に努めたとしておりますが、具体的な加算の金額はどうか。

 3点目として、報償金支給対象として捕獲数に応じた支給以外の対象となる事項はあるか。

 4点目として、昨年度の報償金の内訳と近年の報償金の推移はどうか。また、報償金から有害鳥獣の捕獲の傾向をどのように分析しているか。

 5点目として、報償金の支給方法はどうか。

 6点目として、周辺自治体と比較した場合の1個体当たりの支給額はどうか。

 7点目として、上田市は有害鳥獣捕獲に対して報償金として支給しており、補助金などと違い補助要綱がないわけでありますが、報償金として支給している根拠は何か。

 8点目として、今後の報償金をどのような方針のもとで支給する考えか。

 以上8点お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。

          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕

◎農林部長(工藤秀樹君) 初めに、有害鳥獣を捕獲した際の報償金の単価と単価の推移についてお答えいたします。現在上田市ではニホンジカ、イノシシなどの大型獣については1頭当たり1万5,000円を、中型獣のうちハクビシンは1匹当たり4,000円を、タヌキ、キツネ、アナグマは1匹当たり3,000円を捕獲報償金として捕獲者の皆様へ交付しております。

 次に、報償金の単価の推移でございますが、平成18年3月の合併時には旧市町村単位に有害鳥獣駆除対策協議会が組織され、単価は協議会ごとに定められており、地区ごとに差異が生じておりました。このため、上田市統一の報償金額を定める必要があったことから、平成22年度に旧市町村ごとに組織していた協議会を統合し、新たに上田市有害鳥獣駆除対策協議会を設置、上小猟友会と協議、調整を踏まえ、ニホンジカ、イノシシの報償金を1頭当たり1万円とし、その後平成24年度にハクビシン、タヌキなどの中型獣の報償金を1頭当たり3,000円として追加してきたところでございます。その後、平成26年度から国の鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業を活用し、現在の報償金の報償金額となっております。

 次に、国の事業を活用した報償金の具体的な加算額についてお答えいたします。鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業の導入以前は、上田市が計画を策定するイノシシやニホンジカなどの大型獣の捕獲計画頭数は年間500頭でしたが、被害が拡大したため、平成27年度から捕獲計画頭数を年間1,600頭といたしました。これに伴い捕獲対策を強化する必要があったことから、鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業を活用し、報償金の上乗せを実施し、捕獲を推進しました。報償金の加算額は、ニホンジカ、イノシシが5,000円、ハクビシンが1,000円となっております。

 次に、捕獲頭数に応じた支給以外に支給の対象となる事項はあるかにお答えしたいと思います。ニホンジカやイノシシなど獣類による被害のほか、カラスなどの鳥類による農業被害が発生している塩田地区と豊殿地区にそれぞれ1基ずつカラスおりを設置して捕獲を実施していただいており、この管理費といたしまして1基当たり年間15万円を支給しております。管理内容といたしましては、カラスおりの修繕などを含む維持管理やカラスを捕獲するための餌や水の補給、清掃、周辺の草刈り、捕獲したカラスの処分などとなっており、平成30年度はこのおりで158羽のカラスを捕獲しております。

 次に、昨年度の報償金の内訳、報償金の推移、捕獲の傾向をどう分析するかにお答えいたします。まず、昨年度の報償金の内訳でございますが、報償金の総額は2,588万3,000円、そのうちニホンジカが1,832万円余であり、約70%を占めており、イノシシが536万円余で約21%、ハクビシンなど中型獣が219万円余で約9%となっております。また、捕獲頭数につきましては、平成30年度実績でニホンジカが1,231頭、イノシシ356頭、中型獣が合計691頭となっており、市内においては報償金額、捕獲頭数共にニホンジカが大きな割合を占めております。

 次に、近年の報償金の推移でございますが、平成25年度は約1,000万円、平成26年度は約2,200万円、平成27年度は約2,400万円でございまして、平成28年度から30年度までの3年間は、各年共に年間総額が約2,600万円と高止まり傾向が続いております。平成26年度は25年度と比較いたしまして2倍を超える2,200万円となったわけでございますが、大型獣の捕獲頭数においても平成25年度は880頭だったのに対し、平成26年度は1,375頭と約1.5倍の捕獲を実施していただいております。

 報償金額が2倍、捕獲頭数が1.5倍を超える実績となった要因といたしましては、1つは国の事業を活用したことによりニホンジカ、イノシシの捕獲報償金が1万円から1万5,000円に引き上げられ、捕獲者の捕獲に対する意欲が高まったことが挙げられると思われます。また、平成23年度から25年度にかけまして集落を鳥獣被害から守る侵入防止柵の設置が進み、3年間で約80キロメートルが設置されました。これにより獣が侵入防止柵沿いを歩くようになり、その動きが把握しやすくなったことから、くくりわなによる捕獲が効率的に行われたことも要因していると考えられます。

 また、ここ3年ほど報償金が約2,600万円であることにつきましては、捕獲を担っていただいている猟友会員の高齢化や会員数が横ばいであること、現在の捕獲方法での限界などが考えられます。そのため、より多くの捕獲を目指すためには、猟友会員の若返りや新たな人材の確保、ICT技術などを応用した様々な捕獲技術の導入が必要な時期になっているものと考えております。

 次に、報償金の支出方法についてお答えいたします。現在市内には上小猟友会支部が8支部ございますが、支部ごとに毎月捕獲頭数を取りまとめていただき、捕獲した鳥獣の大きさや捕獲日時、雌雄の別、雌、雄ですね、雌雄の別などを記載した調査票に捕獲状況が分かる写真を添付した有害鳥獣捕獲確認書とニホンジカ、イノシシ、ハクビシンの場合は、捕獲の証拠となる尻尾を市に提出いただきます。市ではそれらの提出物により捕獲個体がそれぞれの別の個体であることを精査、確認した上で、上田市有害鳥獣駆除対策協議会宛てに報償金を交付し、その後協議会から上小猟友会の各支部宛てに交付されるという流れになっております。

 次に、周辺自治体と比較した1個体当たりの支給額についてお答えいたします。上小地域で1頭当たりの報償金を比較した場合、長和町ではニホンジカ、イノシシが1万8,000円、ハクビシン、タヌキなどの中型獣に対して報償金はございません。東御市ではニホンジカ、イノシシが1頭当たり1万6,000円、ハクビシン、タヌキについては、長和町と同じく報償金はなしとなっております。また、東信地域で見ると、佐久市はニホンジカ、イノシシが1万3,000円、ハクビシン、タヌキなど中型獣は報償金なし、小諸市ではニホンジカ、イノシシが1万8,000円、ハクビシン、タヌキなどの中型獣が2,000円となっております。

 東信も含めた周辺地域で比較いたしますと、ニホンジカやイノシシの大型獣の報償金の水準はほぼ平均的でありますが、周辺地域では中型獣の報償金を支給していない自治体も多い中、当市では中型獣の報償金も設定しておりますことから、幅広い捕獲についての支援ができているものと考えております。

 次に、報償金を支給する根拠についてのご質問にお答えをしていきたいと思います。他市町村では報償金について条例等で定めている自治体もございますが、上田市では報償金を支給する対象が上小猟友会に所属している捕獲従事者に限定されております。このため、報償金を交付することに関し必要事項を定めた上田市有害鳥獣捕獲報償金交付要領を平成26年度に制定し、これに基づき交付しているものでございます。

 次に、今後の支給方針についてお答えいたします。市では来年度から有害鳥獣駆除について新たに上田市鳥獣被害対策実施隊を組織し、捕獲従事者の皆様には特別職非常勤職員として捕獲に従事していただく予定になっております。これにより公務災害補償の対象となること、また狩猟税の全額免除などの優遇措置などあることなどから、安心して長く捕獲に従事していただくことができるものと期待をしているところでございます。

 なお、報償金につきましては、これまでどおり引き続き捕獲頭数に応じて交付していきたいと考えておりますが、平成26年度から鳥獣被害防止緊急捕獲活動支援事業を導入し、捕獲報償金が1.5倍になったことにより、捕獲頭数が大幅に増加した経緯がございます。報償金の増額が捕獲従事者の大きな動機づけになり得ますことから、今後も周辺市町村の状況も調査しながら研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) まず、捕獲報償金についてそれぞれお答えを頂きました。また後ほど小諸市の関係でちょっと触れますが、上田市においても非常に捕獲報償金を上げたことによりまして、限界を迎えている中でも非常に費用がかかっているということをお聞きいたしました。

 それでは、次に有害鳥獣捕獲に対する支援についてお尋ねいたします。全国的に猟銃免許所持者が減少する一方、わな免許所持者については増えている状況にあり、上田市でも同様の状況であります。わなは種類によっては1回の使用で破損してしまうものも多く、非常に費用がかかります。上田市では捕獲おり、わな購入の費用を上田市有害鳥獣駆除対策協議会事業負担金として支給しておりますが、現在上田市内でも捕獲おり、わなが一部で足りず、融通し合っている状況でありますが、上田市での捕獲おり、わなの需要をどのように捉えているか。また、今後捕獲おり、わなに対する支援を厚くするべきと考えますが、見解はどうかお尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。

          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕

◎農林部長(工藤秀樹君) 有害鳥獣捕獲の支援について、捕獲おりとわなの需要をどう捉えているかにお答えいたします。イノシシの捕獲に用いる大型の捕獲おりについては重量があることから、設置、運搬に制約があり、設置可能な場所が限定されるため、ここ数年は毎年3台程度を市で購入しております。1つのおりで複数頭の捕獲が可能なため、農地を集団で荒らす親子連れのイノシシなどの捕獲に適しているものと考えております。一方、くくりわなにつきましては1頭ずつの捕獲になりますが、捕獲おりに比べ設置場所にある程度自由度があるため、山林内の獣道などに仕掛けることができます。しかしながら、大型の個体がかかった場合、わなが破損する可能性が高く、くくりわなについては消耗品と考え、毎年100から150基程度を市が購入し、猟友会の各支部へ配布をしております。また、破損箇所によっては補修も可能なため、補修資材についても市が購入し、支給をしております。

 次に、捕獲おりとわなへの支援を手厚くすべきについてのお答えをしたいと思います。捕獲おりとわなは捕獲の重要な道具であるため、可能な限り支援を行ってまいりたいと考えておりますし、継続的な捕獲おり、わなの購入とともに、補修用の資材などについてもできる限り市で対応し、最新の捕獲機器の導入などについても検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 支援については可能な限り支援をしていただくというご答弁を頂きました。猟友会の皆さんのお力が非常に大きいところでありますので、できる限り支援をお願いしたいところであります。

 次に、上田市産ニホンジカペットフード事業についてお尋ねいたします。冒頭でも申し上げましたとおり、上田市は昨年度より上田市産ニホンジカペットフード事業を実施しており、昨年度はニホンジカを10頭小諸市野生鳥獣商品化施設に持ち込み、上田市産ニホンジカペットフードとして商品化しております。この事業に関して質問いたします。

 まず1点目として、今年度前期と後期でそれぞれ10頭のニホンジカを小諸市野生鳥獣商品化施設に持ち込み、上田市産ニホンジカペットフードとして加工する予定としておりましたが、昨年の東日本台風の影響で後期の10頭の持込みが遅れておりますが、今年度末の見込みはどうか。

 2点目として、小諸市では捕獲数を増やす対策を取ることにより捕獲数が向上すると焼却費用などの鳥獣対策費用が高騰することから、野生鳥獣商品化施設の建設に至りました。捕獲対策を強化している上田市としても、対策費用の高騰については留意しながら捕獲対策の強化を図らなければなりません。そこで、平成30年度から実施した上田市産ニホンジカペットフード事業について、これまでの実績から費用対効果はどうか。

 3点目として、小諸市では市内のニホンジカについてはほぼ捕り尽くした状態であり、現在では軽井沢町からも多く受け入れております。視察に伺った際には上田市からもさらに多くの個体を持ち込んでいただきたいとのお話でございましたけれども、上田市として今後小諸市野生鳥獣商品化施設への持込みについてどのように考えるか。

 4点目として、持込みに関しては、捕獲の状況にもよりますが、捕獲から1日ないしは2日以内ぐらいで持ち込まないと商品化ができないという制約があるとお聞きしておりますが、このような制約が持込み上の妨げとなっているのか。また、持ち込む場合のこの制約について上田市として対策を取れる見込みはどうか。

 以上4点お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。

          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕

◎農林部長(工藤秀樹君) ニホンジカペットフード事業について、小諸市へのニホンジカの持込みはどうかにまずお答えいたします。小諸市では野生鳥獣商品化事業を平成28年度から開始しております。事業開始当初、小諸市から上田市にニホンジカ搬入の依頼がございましたが、個体の処分費用など新たな財政負担が発生するなどの課題があったことから、参加を見合わせておりました。市といたしましては、小諸市への捕獲個体の提供で終わるのではなく、ジビエ振興の第一歩として市内で捕獲されたニホンジカの有効活用の見える化をしたいということで、小諸市とは引き続き協議を重ねてきたところでございます。

 上田市で捕獲されたニホンジカをペットフードとして加工、製造していただき、商品は上田市が販売する、いわゆるOEM、相手先ブランド製造という形での協議が調いましたことから、野生鳥獣商品化研究事業を立ち上げ、平成30年度から上田市産ニホンジカペットフードの委託製造、販売を始めたところでございます。

 昨年度は10頭のニホンジカを活用し、1袋30グラム入りのペットフード500袋を委託製造し、税込み1袋540円で販売いたしました。順調な売上げであったことから、今年度につきましては前期、後期に分けそれぞれ10頭ずつ計20頭のニホンジカを搬入し、1,000袋の製造を計画いたしました。前期分につきましては、昨年の7月に猟友会塩田支部のご協力を頂き10頭のニホンジカを小諸市まで搬入し、500袋を製造し、2月末までにほぼ完売しております。

 このような中、昨年の東日本台風により多くの林道が被災したことにより、後期分の個体を確保、搬入することができませんでしたが、猟友会武石支部のご協力によりまして2月後半から搬入を始めたところであり、3月中旬までには計画どおり10頭のニホンジカを小諸市へ搬入し、今年度の委託製造は完了する予定となっております。

 次に、ニホンジカペットフード事業の費用対効果についてお答えいたします。上田市産ニホンジカペットフードを製造販売する野生鳥獣商品化研究事業の平成30年度の収支でございますが、歳出は小諸市への製造委託費として個体の搬入費など約45万円で、歳入は観光会館売店での販売やふるさと納税の返礼品として活用いただき、売上げが約20万円でございました。収支は赤字でございますが、この事業はあくまで研究事業でありまして、この事業の目的の一つは捕獲個体の有効活用の見える化でもあります。先ほど申し上げましたように、現在は観光会館売店などでの販売が中心でありますが、より多くの皆様にご利用いただき、収支を改善していくため、さらなる販路の拡大が必要と考えております。このため、今後は農産物直売所や量販店での販売についても検討してまいりたいと考えておりまして、また現在「上田紅もみじジャーキー」と銘打って販売しており、売行きは堅調でありますが、新たな商品開発なども研究していく必要があると考えております。

 さらに、製造数を増やすためには、捕獲、運搬等について猟友会のご協力が必要となるため、今後も猟友会の方々などに有効活用への理解を深めていただくとともに、事業実施上の課題なども調査をしながら、有効活用に向けさらなる展開を研究してまいりたいと考えております。

 次に、小諸市は多くの個体を持ち込んでほしい意向だが、上田市の考え方についてお答えいたします。市内では年間約1,000頭以上のニホンジカが捕獲されている中で、ペットフードとしての活用は20頭と僅かな数量でありまして、市といたしましてもより多くの個体を活用していきたいと考えているところでございます。搬入頭数を増加することにつきましては、上田市ブランドのペットフードの販路拡大、小諸市へ支払っている加工委託料、上田市が現在負担している猟友会による搬入費用、猟友会サイドの捕獲体制の整備など検討課題はございますが、いずれにいたしましても捕獲個体の有効活用につながれば、市町村を超えての協力体制はむしろ推進すべきものと考えております。

 また、現在は小諸市との連携はペットフード中心でありますが、今後は人が食するジビエの連携についても事業展開ができるかなど、小諸市とは前向きに協議を重ねてまいりたいと考えております。

 次に、商品化には捕獲個体を速やかに持ち込む必要があるが、支障はあるか、またその対策についてお答えいたします。人が食するジビエについて厚生労働省が定めた野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針では、捕獲した個体は速やかに食肉加工施設へ搬入することとなっております。ペットフード利用につきましては、これほどまでの衛生管理は必要ありませんが、小諸市へ搬入しているニホンジカは主にわな猟によって捕獲された個体でございます。また、野生獣であることから計画的に捕獲できる保証はなく、猟友会の皆さんには毎朝わなを見回りしていただき、捕獲した個体は速やかに小諸市の施設へ搬入するなど大変なご苦労を頂いておりますことから、今後は捕獲から搬入までの効率的な仕組みを研究していく必要があると考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 小諸市との連携につきましてはまだスタートしたばかりであり、課題も多いようであります。今後の小諸市とのよい連携に期待するものであります。

 次に、先ほどもちょっと部長のほうから触れられておりましたが、ジビエの取組についてお尋ねいたします。お隣の長野市において、中条地区にジビエ加工センターを整備し、令和元年7月から本格稼働が開始されました。また、同市若穂地区においても野生鳥獣専用の食肉加工施設信州わかほジビエを若穂猟会が運営を行い、地域おこし協力隊が加わり、ジビエ振興による地域おこしを推進しておられます。全国的にもジビエ振興を推進している地域が多くなる中、上田市でも地域おこしも兼ねたジビエ振興の検討が必要ではないかと考えます。

 そこで、1点目として、ジビエ振興をどのように考えるか。

 2点目として、小規模で猟友会等に利用していただけるような有害鳥獣のジビエにも対応した解体施設の設置について、運営していただける団体との話合いをしながら検討は必要ではないか。

 以上2点お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。

          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕

◎農林部長(工藤秀樹君) ジビエ振興をどのように考えるかにつきましてお答えをいたしていきます。

 県内にはジビエ解体処理施設は33施設ございますが、このうち約20施設が南信地方に集中し、ジビエを食す文化が伝統的に根づいております。南信地方では捕獲した個体を安定的に供給でき、解体処理施設で加工し、販売していくといういわゆる川上から川下までの一貫したサイクルが確立されているということでございます。鹿などの野生鳥獣を地域の資源として有効活用できるかは、まずはその地域で需要が見込めるのか、具体的にはジビエ料理店の拡大や家庭での鹿肉料理の普及などを通じていかに需要を確保できるかということが一つの課題であると考えております。

 次に、供給について目を向けますと、品質の良い捕獲個体を安定的に提供できるかが課題と考えます。個体の提供については猟友会のご理解やご協力がなくては成り立ちませんので、安定的な供給の確保が2つ目の課題と考えております。ジビエの振興には安定的な供給と需要の確保が課題であり、これは上田市だけで解決できるものではございません。したがいまして、上小地域、さらには東信地域といった広域的な視点での取組が何より必要であります。このため、猟友会のほか、農業、林業関係者などを対象として、今後も研修会、先進地視察を開催するとともに、加工施設建設に対する国の支援策などの情報提供にも努めてまいりたいと考えております。

 次に、猟友会などが管理運営するジビエにも対応した解体施設の設置についてお答えいたします。さきにも申し上げたとおり、安定的な供給と一定の需要がないと加工施設の運営は成り立つものではございません。特に供給については猟友会の方が中心となるものでございますので、今後も猟友会の意欲のある方々を対象に加工施設について運営の意思があるかなどの情報の掘り起こしに努めていきたいと考えております。また、意欲ある団体などの皆様と情報交換を行いながら、ジビエ振興策について研究してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) それでは、次に近隣市町村との連携についてお尋ねいたします。

 上田市産ニホンジカペットフード事業はまだ始まったばかりでありますが、これは先ほど申し上げましたとおり、小諸市との連携のスタートであります。ジビエに関しても近隣市町村とも連携が図れる可能性がございます。先ほど部長の答弁にも一部触れられておりました。有害鳥獣対策は単市で対策を講じるのは財源的な面からも厳しくなるのは明らかであります。近隣市町村との連携については財政面から見ても大変重要と考えますが、今後の近隣市町村と連携した駆除体制の確立をどのように考えるか、お尋ねいたします。

○議長(小林隆利君) 工藤農林部長。

          〔農林部長 工藤 秀樹君登壇〕

◎農林部長(工藤秀樹君) 近隣自治体と連携した有害鳥獣駆除体制確立の考え方につきましてお答えいたします。

 鳥獣の生息域は流動的であり、市町村単位での鳥獣対策では対応し切れない部分もありますことから、有害鳥獣駆除に係る広域連携は猟友会が中心となり、市町村境を越えて行っております。具体的には、青木村境の山林では猟友会青木支部と川西及び塩田支部が合同での一斉捕獲を実施しております。また、上小地域全体の一斉捕獲では、美ヶ原高原を中心とする国有林において上小4市町村の猟友会各支部が毎年合同で実施をしております。また、ジビエ振興の面からは、広域的な連携が財政的な負担軽減や個体の有効活用につながると考えます。第2次上田地域定住自立圏共生ビジョンにおいても、有害鳥獣駆除対策の推進としてジビエについて調査研究を進め、事業化を推進するとされておりますので、引き続き連携市町村や県などの関係機関と協力して進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。

          〔10番 佐藤 論征君登壇〕

◆10番(佐藤論征君) 近隣市町村との連携についてお尋ねいたしました。近隣市町村との連携については重要と考えていらっしゃるということのお答えだったと思います。また、よりよい連携についての取組を期待するところであります。

 それでは、次に地域おこし協力隊制度の活用について質問いたします。まず1点目として、地域おこし協力隊については地域からの要望に基づき募集を行っておりますが、小諸市では野生鳥獣商品化施設の円滑な運営が地域おこし協力隊の活躍が大きな力となっていますし、長野市若穂地区でも地域おこし協力隊が活躍されております。また、他の自治体においても有害鳥獣対策や地域の狩猟後継者として活躍されている事例も多くお聞きするところでございます。地域並びに猟友会などの関係団体へこのような地域おこし協力隊の制度、地域おこし協力隊の他地域での実績を紹介し、有害鳥獣対策に関わる地域おこし協力隊が必要かどうか検討していただくことが考えられないか。地域振興の観点からも有効と考えます。

 2点目として、午前中井澤議員から地域交通に関して運転手確保策として地域おこし協力隊の活用ができないかという質問ございましたけれども、有害鳥獣対策、地域交通対策だけではなくて、上田市の地域課題について地域おこし協力隊制度の説明を関係団体などと行うなどし、ある程度市主導で地域おこし協力隊制度の活用を推進することが有効と考えますが、どうかお尋ねいたします。

 3点目として、上田市においては地域おこし協力隊について平成27年8月から導入し、5年が経過しようとしておりますが、これまで地域で活躍してくださっている方、残念ながら地域に定着しなかった方様々でございました。この5年間近い実績をどのように分析し、これまでの総括と今後の地域おこし協力隊の活用の考えはどうか。

 以上3点につきまして、長きにわたり上田市民のために尽力されました小宮山市民まちづくり推進部長に私からの小宮山部長への最後の質問として答弁を求めます。

○議長(小林隆利君) 小宮山市民まちづくり推進部長。

          〔市民まちづくり推進部長 小宮山 剛君登壇〕

◎市民まちづくり推進部長(小宮山剛君) ありがたく答弁させていただきます。

 地域おこし協力隊制度の活用について3点ご質問を頂きました。まず、関係団体に地域おこし協力隊の活用を提案してはどうかとのご質問でございます。地域おこし協力隊制度は、都市部から人材を誘致し、地域で協力活動を行いながら定住、定着を図る制度でございまして、国の財政措置を活用して全国に浸透してまいりました。上田市は平成27年度からこの制度を導入し、地域の実情を把握している各所属において地域や関係団体からの要望をお聞きしながら必要性を判断した上で各地域での具体的な業務内容を提示するとともに、隊員が日々の活動の中から見いだした新たな業務も追加して行えるようにしております。

 議員のご質問にもありましたとおり、小諸市では野生鳥獣の商品化施設の運営を隊員が担い、また長野市では任期を満了した隊員がジビエ解体施設と自ら立ち上げたゲストハウスの運営を行うなど、退任後も定住し、引き続き活動していると伺っております。

 上田市で活躍する隊員の日々の活動につきましては市のホームページでも紹介しておりますが、今後さらに他地域で活動する隊員の有害鳥獣対策の状況なども地域や猟友会にも紹介し、事業の研究とともに隊員の活躍できる場について、有害鳥獣対策の担当課や猟友会などに意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えております。また、有害鳥獣対策だけでなく、地域振興の観点からも全庁的に働きかけながら、各所属で制度が活用できるよう進めてまいります。

 次に、地域の課題解決に関係団体等が協力隊を活用することの見解についてでございますが、これまで地域協議会や住民自治組織、また農業や観光など課題解決に向けて取り組まれている関係団体からご意見、要望を受ける中で必要性を判断した上で隊員の募集、配属を決めてまいりました。隊員の熱意と行動力は地域に大きな刺激を与えるものと考えておりますが、団体の活動を維持するための臨時的な人の配置でないこと、地域の温かいフォローや組織的支援が欠かせないこと、また隊員、受入地域、行政の3者が良好な関係で隊員が活動を進められることが隊員が生き生きと活躍できる大変重要な要素でございます。今後につきましては、これらのことを十分理解いただく中で、議員おっしゃるとおり、地域振興の観点からも住民自治組織や各種団体などの活動の課題をお聞きするとともに、最長3年の任期満了後は地域に定住、定着が図られるよう、必要とする隊員の地域協力活動の内容を十分精査し、積極的に隊員の募集を検討してまいりたいと考えております。

 最後に、これまでの活動実績と今後の活用についてのご質問でございます。当市では平成27年度から地域おこし協力隊の制度を導入し、これまでに13人の人材を隊員に任命してまいりました。隊員に任命した13人の中にはご家族の事情や被災した地域の復興を支援したい、また上田に来る前に抱いていた展望と異なるなどということでお辞めになった隊員も残念ながらいらっしゃいます。3年間の任期を終了した後もNPO法人を立ち上げ、地域の新たな活力として活動している者や、個人事業主として起業し、引き続き地域に居住している先輩隊員が3人おりますことは、地域おこし協力隊の趣旨であります定住、定着につながり、一定の効果があったものと考えております。

 現在各地域で活動しております地域おこし協力隊員は、豊殿地域、川西地域、塩田地域、丸子地域に各1人で、現役の隊員は4人おります。それぞれの地域において地域振興し、地域課題の解決に向けて活動をしているところでございます。この4人の隊員のうち3人の隊員が令和2年度中に任期満了となります。任期満了後も地域に定着し起業することを目標に準備を進めておりまして、起業あるいは商店や農家の事業継承する際に要する経費として今議会の当初予算で計上させていただきました。これら特別交付税で措置される上限100万円の補助金の活用も含め、具体的な相談に対して市としても対応をしているところであります。

 隊員が任期満了を迎える地域では、これまでの活動と定住、定着することに対し高く評価を得ており、引き続き隊員の受入れについて強く要望があることから、一定の効果があったものと考えておりまして、後任の隊員の着任に向け募集も行っていく予定でございます。

 令和2年度から地域おこし協力隊員は会計年度任用職員に位置づけられ、年間40万円を上限とする期末手当相当額の支給が特別交付税措置されることから、市といたしましては、今後も地域おこし協力隊制度を活用しながら協力隊志望者に選ばれる新たな魅力ある活動内容について、関係団体等の意見をお聞きしながら設定してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員の質問が終わりました。

プロフィール佐藤のりゆき

昭和45年7月21日生まれ
平成元年/上田東高等学校卒業
平成3年/信越電子ビジネス専門学校システムエンジニア学科卒業
元・証券会社勤務
現在/会社役員
上田市議会環境建設委員
議会機能強化特別委員
NPO法人ほこほこコネクト副理事長
元上田市消防団ラッパ長
元長小学校PTA会長
元真田地域協議会委員
元真田地域公共交通利用促進協議会監事
元上田市スポーツ推進委員
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