o 議長(土屋 陽一君)次に、日程第2、一般質問を行います。
まず、質問第1号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)皆さん、おはようございます。平成28年6月定例会一般質問トップバッターを務めさせていただきます。これで4回目のトップバッターとなります。今回私からは、運賃低減バスの検証と今後の運行方針についてと、新潟薬科大学上田キャンパス設置構想について質問をしてまいります。
まず初めに、運賃低減バスの検証と今後の運行方針について質問を進めてまいります。路線バスの利用者の減少とともに行政から運行業者への補助金の増大から、都市機能として不可欠なバス路線を確保、維持、活性化を目的とし、平成25年10月1日から3年間を期間として、市内17路線の路線バスの運賃を軽減し、運賃低減バス実証運行を行っているところであります。私は、昨年12月定例会一般質問において、実証運行の検証方法と運賃低減バスの実証運行期間終了後の運行方針につきまして質問をいたしました。その際検証方法については、実証運行期間中の乗降調査による輸送人員の推移のほか、利用者アンケートによる意向調査や利便性の向上等を確認するとのご答弁をいただきました。また、運賃低減バスの実証運行期間終了後の運行方針については、昨年度末をめどに運賃低減バスの今後の運行方針を示すとのご答弁もいただきました。
そして、今定例会初日終了後の全員協議会において、運賃低減バス運行計画の結果報告と今後の方針について報告があり、運賃低減バス輸送人員は実証運行前と比較して、平成28年3月末において1.22倍まで増加したものの、目標であった実証運行前1.5倍には至っていない状況であるが、実証運行前右肩下がりの状況から輸送人員増加に転じ、一定の効果を出すとともに、今後高齢化が進むにつれ公共交通の必要性がますます高まり、公共交通の維持、確保が重要であるとの観点から、実証運行を当面3年間をめどに継続する方針が示されました。
そこで、詳細について質問をしてまいります。まず、運賃低減化された市内17路線についてそれぞれの路線の詳細な輸送実績が示され、平成27年度の輸送実績として、室賀線については実証運行前と比較し2.573倍と大きく輸送人員が増加するなど輸送人員の増加が著しい路線がある一方、信州上田医療センター線、信州の鎌倉シャトルバス、佐久上田線などについては実証運行前の輸送人員を下回る結果となる上、これらの路線については平成26年度までは輸送人員が実証運行前を上回っていた路線もあったにもかかわらず、平成27年度から減少に転じた路線も見られます。
そこで、まず1点目として、市内17路線での輸送人員の増加した路線、減少した路線、それぞれの違いについてどのような要因があると考えているか。
2点目として、これまでの実証運行により輸送人員が減少した路線あるいは増加が見られない路線について、料金を実証運行前に戻すなどの措置も考えられたと思いますが、他路線と同様に実証運行を継続することとした要因は何か。
3点目として、バス利用実態調査はどのように行われ、どのくらいの人数に対し調査が行われたのか。
4点目として、全員協議会の中でも触れられておりましたが、バス利用実態調査の総括についてより詳細にお聞きするとともに、実証運行継続にこれらをどう生かしていくか。
以上4点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)おはようございます。運賃低減バス今後の運行方針等についてのご質問にお答えいたします。
まず、市内17路線で輸送人員の増加した路線、また減少した路線、それぞれの違い、その要因ということのご質問にご答弁いたします。まず、全体の状況でございますが、実証運行を開始しました平成25年10月から平成26年3月までの6カ月間の輸送人員の状況につきましては、実証運行前に比べ5.2%の増ということでありましたが、平成26年度の1年間では19.6%の増、平成27年度の1年間では、先ほどもございましたけれども、21.9%の増と年々増加している状況になっております。
路線別では、実証運行前と27年度を比べますと、室賀線が157.3%、鹿教湯線が59.8%、傍陽線が33.2%それぞれ増となっておりまして、全路線のうち14路線におきましては輸送人員が増加している状況にございます。議員ご指摘の3路線については、輸送人員がふえてはおらないという状況でございます。
増加した路線につきましては、利用実態調査から推測いたしますと、高校生の通学での利用が主な増の要因と考えられます。一方、減少した3路線のうち信州上田医療センター線、信州の鎌倉シャトルバスの2路線につきましては、もともとの運賃設定上の関係で運賃低減前と低減後で運賃に変わりはなく、低減の効果がない路線となっております。また、当該2路線は病院または観光目的の路線となっておりまして、高校生等の新たな利用には結びついておらないということも要因の一つと考えられます。佐久上田線につきましては、他市町村をまたぐ路線で、運賃低減はしない区間のみに限られているため、低減の効果が少ない路線となっております。また、輸送人員減少に伴いまして、土曜、祝日の運行休止も一つの要因と考えられます。
次に、輸送人員が減少した路線、あるいは増加が見られない路線について、料金を実証運行前に戻すということを考えなかったかというご質問でございます。運賃低減バス実証運行計画は、これまでのバスの運行に対する補助から乗車する人に対する補助という発想に転換し、低価格運賃の導入を図り、より多くの市民に乗ってもらうことで将来に向かってバス路線を乗って残すことを目指して始まった施策でございます。実証運行を継続する次の3年間では、利用が低調な路線については運行に関する傾向や特性について詳細な調査をし、乗って残すための新たな取り組みも実施しながら、1年ごとにその結果の公表や見直しを行い、路線の維持、確保が可能であるかを検証する期間と位置づけております。したがいまして、今後も低価格の運賃設定により利用者増を図るという本来の趣旨に沿って、料金を実証運行前に戻すことなく継続してまいりたいと考えております。
次に、バス利用実態調査の概要でございます。バス利用実態調査の方法につきましては、交通計画が専門のコンサルタント業者に委託をいたしまして、市内を運行する全ての路線バスを対象に、1日をかけて各路線、各系統各便に同乗し、実態調査及び利用者のヒアリングを行いました。それによりまして利用の目的、利用頻度、運行への要望、改善点等を実施いたしました。実施日でございますが、平成27年11月25日、12月1日、12月3日、12月8日でございます。アンケートに対しましては1,005人の方から回答をいただいております。
次に、バス利用実態調査の詳細な総括と実証運行継続にこれらをどのように生かすかということでございます。バス利用実態調査につきましては、1つとして運賃低減による利用機会の変化、2つとして利用時間帯による利用者数の変化、3つとしてバス停間の変化、4つとして利用者満足度の変化、5つとして利用者による運賃低減施策の継続希望、6つとして利用者アンケートによる改善要望の6つの項目により検証しております。
詳細でございますが、運賃低減による利用機会の変化の項では、全体では33%の方が運賃低減施策により利用機会が増加しています。年齢別では特に高校生の通学利用、高齢者の外出機会の増加に結びついています。一方で、運賃低減を知らないという方も一定数おりますことから、低減を知らない方の掘り起こしがこれからの輸送人員増加に必要と考えております。
利用時間帯による利用者数の変化の項では、全体ではどの時間帯でも利用が増加しておりますが、通勤、通学での利用がふえていますことから、朝夕の通勤、通学時間帯の利用が特に増加しております。
バス停間の変化の項では、主に上田駅周辺を起終点といたしまして、真田周辺、丸子周辺、川西周辺からの通勤、通学の多い区間で利用者増に結びついております。
利用者満足度の変化の項では、満足と少し満足を合計した値は、平成19年の調査時の64%から22%増加し、86%となっております。
運賃低減施策の継続希望につきましては、97%の方から継続希望の回答を得ております。
最後に、改善要望の項では、バス路線全体の増便の要望が最も多く、次いで定時運行となっております。一方で、特になしとする回答も多くございまして、現行の運賃形態で一定程度満足している状況もうかがえます。
以上のことを踏まえまして、実証運行継続に当たりましては、利用実態調査の結果を市民の皆さん及びバス事業者と共有し、利用者増に向けた施策についてともに検討するための資料として活用してまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それでは、次に実証運行継続について質問してまいります。
1点目として、運行状況について継続的に検証する必要があると考えますが、今後の運行の検証の必要性と実施の方針についての見解はどうか。
2点目として、運賃低減バスの検証を踏まえ、運行に関する見直しも周期的に必要と考えますが、周期的な見直しの必要性と実施の方針についての見解はどうか。
3点目として、全員協議会の説明において、さらなる利用促進策の検討といたしまして、1、ダイヤの増便及び見直し、2、地元観光組合とのタイアップした利用促進、3、高校生、高齢者に対しての利用促進、4、従業員数の多い企業に対する利用促進、5、運転手の接客マナーの向上、6、運転免許証自主返納者支援事業の導入の検討が挙げられておりますが、これらの多くのものがこれまでも実施されてきた経過がございます。さらなる利用促進について具体的にどのように進めていくのか。
4点目として、この運賃低減バス導入の経過として、真田地域において検討されていたものが上田市全体の取り組みとして始まった経緯がございます。そのため、真田地域には現在真田地域公共交通利用促進協議会が存在し、地域の公共交通についてさまざまな検討や取り組みが行われており、地域の公共交通を考える上で非常に重要な協議会となっております。そこで、公共交通が抱える問題を地域の問題として検討する場がそれぞれの地域で必要であると考えますが、真田地域公共交通利用促進協議会のように、各地域において地域の問題として検討する場を設置する考えはないか。
以上4点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)今後の運行の検証の必要性と実施の方針についての見解ということでお答えをいたします。
今後の施策の取り組みを進める上で現状を把握することは必要であることから、運行の検証につきましては、毎月交通事業者から報告される輸送人員の推移のほかに、定期的に路線バスの乗降調査等を行い、実証運行継続後の利用状況の把握に努めてまいりたいと考えております。
今後の運行に関する周期的な見直しについての考え方でございますが、公共交通の利用率向上のためには周期的な見直しが必要であると考えます。特に評価数値の低い路線について、路線ごとの傾向や特性等を把握するために、詳細な調査を実施してまいります。その結果については1年ごとに公表し、乗ることが路線の存続と補助金の削減につながることへの理解も深めていただき、改善されない路線については、路線の見直し等の可能性があることを周知してまいりたいと考えております。
次に、さらなる利用促進策について具体的にどのように進めるかということでございます。継続して取り組む方策の中でダイヤの見直しにつきましては、ただいまご説明いたしましたが、新たな路線を特定した詳細な調査を行い、増便や減便も含めた運行の効率化を図ってまいります。また、利用者の掘り起こし策といたしまして、高校生に対しての取り組みといたしましては、これまで新入生のみを対象としていたものを在校生にも重ねて周知を行うこと、また高齢者の取り組みといたしましては、新たに病院、スーパー、公共施設など目的別時刻表の作成にあわせまして、バスの乗り方についてわかりやすく掲載したチラシを作成し、高齢者が多く集まる施設に配置し、利用者の掘り起こしを行いたいと考えております。また、運転手の接客マナーの向上につきましては、これまでも事業者と協議を重ねてまいりましたが、引き続き指導をしてまいりたいと考えております。
次に、新たに取り組む方策といたしまして、地元観光組合等とタイアップし、バス利用の向上につながる施策について協議してまいります。また、従業員数の多い企業に対する利用促進では、企業の総務担当者と個別に協議をし、利用啓発やチラシの配布の依頼もしたいと考えております。
運転免許自主返納者支援制度の導入につきましては、高齢者の運転免許返納者にタクシーの利用補助券を配布することでタクシー利用による外出しやすい環境をつくり、その後の交通手段として公共交通を利用するきっかけとしてもらいたいと考えておりまして、長野県タクシー協会上小支部の皆様と現在協議を進めているところでございます。
次に、真田地域公共交通利用促進協議会のように各地域においても取り組みができないかということでございます。議員ご指摘の真田地域公共交通利用促進協議会は、自治会連合会、健康福祉団体、商工観光団体等の各種団体のほか、地域内の事業所、学校関係者で構成された協議会でございまして、路線バスの利用率向上のためにさまざまな取り組みを平成23年度から実施をしております。今回の実証運行の結果を見ますと、真田地域を運行する路線バスの利用実績は市内17路線の中でも上位に位置しているものが多くありまして、協議会の果たす役割は大きなものがあると考えております。
市といたしましては、まずこれまでの3年間の実証運行の結果を市が交付する補助金額等も含めて広報等で公表いたします。特に利用率が低い路線の状況につきましては、沿線にある地域協議会を中心に報告させていただき、市内の路線バス及び自分の住む地区のバスの現状を認識していただきたいと考えております。その中で行政や事業者側の取り組みだけではなく、真田地域のように促進協議会の取り組みも紹介させていただく中で、地域が主体となって公共交通を守り育てるという機運が盛り上がってくることを期待しております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)実証運行継続につきましては、これまで以上に見直しも検証もきめ細かく行う必要があると思います。地域でのそれぞれの問題として多くの方がこの問題についてかかわることが重要ではないかなと考えるところであります。
次に、輸送人員の少ない路線について質問してまいります。まず1点目として、実証運行を継続した後も輸送人員がふえない路線、少ない路線について、その後の運行方針の見解はどうか。
2点目として、運転免許証自主返納者支援事業の導入検討として、高齢者等の運転免許証返納者にタクシーの利用補助券を配布し、交通事故の防止と外出しやすい環境をつくり、その後の交通手段として公共交通を利用するきっかけをつくるとしておりますが、今後具体的にどのように検討し、どのように公共交通を利用するきっかけとするのか。
3点目として、路線バスの及ばない地域や路線バスの運行が困難な地域において、乗り合いタクシーや公共交通空白地タクシー補助などの事業を実施している自治体が多く見られます。特に高齢者の皆さんについては、タクシーの活用によりドア・ツー・ドアでの交通が確保できることから、大きな成果を上げているケースもあるとのことです。上田市においても利用者の少ない路線、あるいは運賃低減効果の見られない路線などについては、利用者の利便性の検証を行った上、路線バスへの補助金額、利用者数などと乗り合いタクシーやタクシー補助を実施した場合などの費用対効果について比較を行い、今後の公共交通施策に生かすべきと考えますが、路線バスにかわる交通手段の確保の検証と検討の考えはないか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)実証運行を継続した後も輸送人員がふえない路線、少ない路線について、その後の方針ということでございます。
まず、今後の実証運行に当たっての検証の考え方でございますが、単純に輸送人員の増減のみだけで判断するのではなくて、1便当たりの輸送人員や1人当たりの補助金額なども加味し判断していくということでございます。1年ごとに路線ごとの検証を行い、結果の公表をしながら、市民の皆さん、事業者と課題を共有し、利用者増と運行の効率化を図る必要があると考えております。それでも改善されない路線については、減便、代替手段等見直しもやむを得ないという認識も持っております。
運転免許自主返納者支援事業の具体的な取り組みということでございますが、先ほど申しましたとおり、現在長野県タクシー協会上小支部とも協議を進めておるところでございます。具体的な補助の内容及び方法についても検討してございます。あわせて警察署とも協議しながら、免許証が返納される警察署並びに運転免許センターの窓口等で公共交通利用促進のチラシや時刻表の配布など、公共交通利用のきっかけとなる有効な手段について検討を重ねてまいりたいと考えております。
次に、今後路線バスにかわる交通手段の確保の検証と検討の考え方ということでございます。市内バス交通につきましては、事業者が主体となり運行している路線バス、市で委託運行しているバス、武石地域で運行しているデマンドバス、また地域の皆さんが主体となり運営している豊殿地区自主運行バス等のコミュニティバスがございまして、それぞれ地域の住民ニーズや地理的、地形的な条件等もあり、地域の実情に合わせた運行がされております。中でも豊殿地域のコミュニティバスは、地域内にお住まいの高齢者等の移動制約者の通院や買い物などを支援するために、地元の振興会や自治会連合会が中心となり自主運行をしております。毎年2,000人の方の利用がございまして、地域住民の皆さんがみずから経費を負担しているものであります。地域の移動手段を守る取り組みとして全国的にも注目されているところでございまして、このように地域が主体となった取り組みが他の地域にも波及し、地域の皆様がみずから守り育てる公共交通の構築が進むことが重要であると考えております。
市といたしましては、人口減少や少子高齢化が進展する中で、地域の活力の維持、向上を図るために、コンパクトなまちづくりと連携して面的な公共交通ネットワークを構築していく必要があると考えております。今後持続可能な公共交通網の形成について検討を進める中で、先ほどのデマンドバスや自主運行バスも含めた地域の実情に合った公共交通のあり方について検討を重ねてまいりたいと考えております。
また、議員からご提案がございましたドア・ツー・ドア型の地域交通づくりにつきましても、競合する既存のバスやタクシーの事業者の経営に与える影響等も考慮しながら、地域のニーズや費用対効果、さらにはシステムのあり方も含めまして慎重に検討する必要があると考えております。
今後も利用の低調な路線につきましては、「乗って残す、乗って活かす」ことの重要性を市民の皆様に改めてご理解をいただき、地域、事業者、行政が一体となった利用促進を図ることにより輸送人員の増加につなげるとともに、市の支出軽減にも努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁をいただきましたけれども、やはり「乗って残す」ということを大前提というお話をお聞きいたしました。この継続期間を経て非常に厳しい判断をしなければならない事態もあるかと思います。ここまでの3年間の実証運行の結果を今後の輸送人員増につなげていただくよう、活用していただくよう期待をいたします。
次に、新潟薬科大学上田キャンパス設置構想について質問してまいります。昨年8月24日、新潟薬科大学から上田市内にキャンパスを設置したい意向が示されました。これまで新潟薬科大学側から具体的な支援要望が示されないとのことでありましたが、新潟薬科大学が開設時期を平成30年4月と予定しており、開設予定時期まで2年を切った中、キャンパス設置に向け具体的な動きが見えず、市民の皆さんの関心も高いところです。そのような中、本年3月25日には上田商工会議所、上田市商工会、真田町商工会、長野県経営者協会上小支部、長野県中小企業団体中央会上小支部、信州うえだ農業協同組合の6経済団体より、新潟薬科大学長野薬学部上田キャンパス設置に向け誘致推進委員会が組織され、4月1日には同委員会より学園都市、健幸都市を目指す上田市に新潟薬科大学長野薬学部上田キャンパスを誘致し、地域社会経済の活性を図るよう、市長と市議会議長に対し陳情が行われたところであります。
そこで、まず初めに上田キャンパス開設に向けての動向として、新潟薬科大学より意向が示され10カ月がたとうとしておりますが、現在の大学側の状況についてお尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)新潟薬科大学上田キャンパス設置構想について、現在の状況ということでございます。
新潟薬科大学長野薬学部の上田キャンパス設置構想につきましては、平成27年9月議会の全員協議会で報告をしたところでございます。それ以降大学の設置に当たり大学みずからが用地の選定、医療関係団体や県、市への協力要請を行いながら、資金計画を策定するために校舎の基本設計に着手するなど、大学として意思決定に向けて鋭意取り組んできたとお聞きしております。大学では平成30年4月の開設を目指しておりまして、本年4月には市内の経済団体で構成する新潟薬科大学長野薬学部誘致推進委員会から、長野薬学部設置の実現とそのために市からの財政支援をしてほしいという要望書が市長にも提出されたところでございます。また、大学ではことしに入り長野県とも話し合いを重ねてきておりまして、県全体で協力をいただくために、再度医療関係団体への協力要請を行っているとお聞きしております。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)次に、新潟薬科大学上田キャンパス設置にかかわる条件について質問してまいります。
まず1点目として、新潟薬科大学上田キャンパス設置に必要な敷地面積と建物面積はどのくらいの規模が必要と想定されるのか。
2点目として、新潟薬科大学側から示された設置場所の条件として、上田駅から徒歩圏内とされておりますが、条件の圏内で建設用地の確保は見込めるのか。
3点目として、建設用地については、先ほどご答弁の中でも少し触れられましたけれども、あくまでも新潟薬科大学側の責任において用地を決定するものなのか、市としてかかわるべきことではないのか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)上田キャンパス設置に係る条件、必要な敷地面積、建築面積ということでございます。文部科学省の大学設置基準におきましては、学部の種類や収容定員数に応じて配置しなければならない教員数、学校の敷地や校舎に備えるべき施設、収容定員数に応じた敷地や校舎の面積などについて細部まで定められております。長野薬学部上田キャンパスは、1学年の入学定員は100人とすることを検討されておりまして、6年制であることから収容定員は600人ということになります。収容定員600人の場合、敷地の基準面積は6,777平方メートルであります。また、校舎の面積につきましては、1人当たり10平方メートルとされておりますことから、6,000平方メートルということになります。
次に、上田駅から徒歩圏内とされております建設用地の確保についての考え方でございます。上田キャンパスの設置場所については、大学側が上田駅から徒歩で歩ける範囲の中で探しておりまして、地権者と交渉中であるとお聞きしております。上田駅から徒歩圏内にという条件に合致する用地がないか市に問い合わせをいただいたことがございますが、上田市といたしましては、大学側においてみずから用地を確保していただくものと考えております。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)次に、新潟薬科大学から上田キャンパス設置の意向が示された段階において、既に上田キャンパスの特徴と地域への貢献について具体的に示されており、期待すべき内容となっております。まず上田キャンパスの特徴として、1、上田薬剤師会会営薬局をキャンパス内に開設し、教育効果の向上とモデル的な薬局とする、2、薬剤師生涯学級センターを開設し、全国から薬剤師が上田市に集う、3、住民を対象として健康、医療、食、環境などをテーマに生涯学習講座を開講、4、大学と薬剤師会の海外提携先から先進事例の提供を受け、国際的な教育拠点化、5、情報通信技術、いわゆるICTを利用した遠隔医療及び災害薬学の実践拠点の整備として、情報インフラを活用し医療機関、大学が連携して遠隔医療を実施し、遠隔医療の実践拠点として上田キャンパス内に診療所を設置検討中、以上5点が示されております。地域の貢献につきましては、1、豊かな健康生活推進支援として、社会連携教育を通して地域住民の健康状態の調査と健康指導の実施、健康寿命を平均寿命に近づける施策の創出と啓蒙活動、2、食育、6次産業の創出支援として、機能性食品の開発支援、3、薬草研の復活支援として、品質の一定した薬草の提供、4、医療機器の開発支援として、検査機器、服薬援助機器等の開発支援、以上4点が示されております。これらを踏まえ、上田市としてどのように捉えているか、お尋ねいたします。
まず1点目として、新潟薬科大学の掲げる上田キャンパスの特徴について、上田市にどのような効果があると捉えているか。
2点目として、新潟薬科大学の掲げる地域への貢献について、上田にどのような効果があると捉えているか。
3点目として、上田市に新潟薬科大学上田キャンパスが設置されることによるそのほかの効果についてどのように捉えているか。
以上3点お尋ねいたします。
o 議長(土屋 陽一君)西入政策企画部長。
〔政策企画部長 西入 直喜君登壇〕
o 政策企画部長(西入 直喜君)上田キャンパス設置に伴います上田市への効果について、幾つかの観点から市の考え方について申し上げます。
上田キャンパスが設置されることによりまして期待される効果は数多くございますが、ここではまとめて5点について述べたいと思います。まず1つ目は、薬剤師生涯学習センターの開設でございます。これは、全国から薬剤師が上田に集まってまいりまして、この地におきましてさらなる知識や技術の向上といった自己研さんが行われるということでございます。これによりまして従来から医薬分業の先進地として地位がさらに向上するとともに、上田地域の病院や薬局などに必要な知識や技術の蓄積、優秀な人材の育成や集積が期待できるものと考えております。
2つ目に、住民を対象とした生涯学習講座の開講についてでございます。健康づくり、食生活、環境問題といったテーマが想定されておりまして、市民の皆さんが健康で有意義な暮らしを送る一助になると期待をしているところでございます。
3つ目、健康寿命を平均寿命に近づける施策の創出を掲げております。長野県は男女ともに平均寿命が日本一長い長寿県でございますが、いわゆる健康寿命との乖離が大きいという状況にもございます。健康寿命を延伸させるには適正に医薬品を提供する薬剤師の存在も不可欠であり、市との連携による健康寿命を延ばすような施策の創出が期待できると考えております。
4つ目といたしまして、機能性食品や検査機器など開発支援を掲げられておりますが、地元企業との共同研究や技術開発、雇用創出といった効果や、健康食品、健康機器などの開発メーカーが上田地域に拠点を構えていただくことなど、企業誘致も期待できるところであると考えております。
5点目といたしましては、大学がもたらす経済波及効果や活力の創出が挙げられます。新たに大学の校舎が建設されることと大学が行う教育研究などの運営により、消費活動や多くの学生や教職員が上田地域に住んだり通勤をする中で発生するさまざまな消費活動がもたらす経済波及効果は非常に大きいものがあると考えております。また、上田駅から徒歩圏内に大学があることによりまして、上田市の顔である駅前や中心市街地に若者がふえ、にぎわいが生まれることにもつながります。
なお、長野薬学部の設置が地域に与える経済波及効果につきまして、先日新潟薬科大学から発表がございました。波及効果は大きく分けて2つございまして、1つは大学の運営に伴うもの、もう一つは新しくキャンパスが建設されることによるものでございます。大学が運営されることに伴う効果といたしましては、年間12.1億円というものが試算されております。新しく大学のキャンパスが建設されることによる経済波及効果でございますが、長野県の建設業者が元請となった場合、その経済波及効果は県内全体で115億2,000万円と試算されているとお聞きしております。
以上でございます。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員。
〔2番 佐藤 論征君登壇〕
o 2番(佐藤 論征君)それぞれご答弁いただきましたけれども、ご答弁にありましたとおり、地域の貢献度、経済効果非常に大きいようであります。私のもとへもキャンパスの推進していただくようにという声が届いております。私といたしましてもぜひ実現するべきと考えるところであります。
そして、市民の皆さんは、市長がキャンパス設置構想についてどのような思いをお持ちなのか、関心の高いところでもございます。そこで、新潟薬科大学上田キャンパス設置構想に対する市長の考えと方針、思いも含めましてお尋ねし、私の最後の質問といたします。
o 議長(土屋 陽一君)母袋市長。
〔市長 母袋 創一君登壇〕
o 市長(母袋 創一君)上田キャンパス設置構想に関する概要とか、またさまざまな期待できる効果については今ほど質問があった中でございましたので、そのとおりかと思います。大学が新しく設置されることによって何が変わるか。それは1つには、若者が上田市に確実にふえて活力が生まれるもととなることもありましょうし、また大学が持っている知的資源が新たに加わってくるという大きな要素もありましょう。とりわけ今まで薬学という分野においては長野県内になかった学問領域でもございます。上田市が掲げる「健幸都市うえだ」を推進していく上でも重要なパートナーとなり得るものではないかと、このようにも考えております。
当初進出の意思を示された際私から申し上げたことは、単なる薬剤師という資格を得るためのキャンパス、学校であるということではなく、それ以上の新たな役割に期待をいたしますが、もっと健康とか、あるいは介護、医療、そういった分野での役割というものはないのでしょうかと率直に申し上げました。その後先方においてはさまざまなご検討いただいたことは承知はいたしております。つまり大学側には薬剤師を輩出していただくだけではなく、先ほど議員からもお話があったように、地域への貢献、こういった面で大いに期待をしているということでもございます。しかもその範囲は上田市に限らず、なるべく広い範囲での貢献、そういったものも目指すことが理想ではないかとも考えます。今後市が構築を目指す地域包括ケアシステムにとって薬剤師の存在、これも重要な役割を果たすと予想されます。薬学部がこの上田市にあるということにおいて、より一層その推進が図りやすくなるのではないかと考えます。
また、2つには、市内の高等教育機関との連携によることへの期待もございます。例えば、信州大学繊維学部との連携、あるいは共同研究によって新たなシーズが生み出されるなどの展開、こういったものも期待できるのではないかと考えます。
さらに3つに、中核病院たる信州上田医療センター等との連携、これも視野に入れれば貢献度というものも高まってくるのではないかなと思います。
4つには、先ほど申しました、県内には薬学部がなく、そして結果、薬剤師を目指す学生は県外の大学に進学せざるを得ない状況でございましたが、その傾向として、そのまま県外の病院とか薬局などに就職をしてしまう方が多いともお聞きしておりました。薬学部が県内にできることによって県内の学生の進学先となれば、就学時の県外流出も一定程度は食いとめられるものと、このように期待もできます。逆に県外から入学してきた学生、あるいは県内や上田地域で就職をして活躍いただく、そういったことも予想されますし、新たにその家族を築くなど、まさに地方創生とか、第二次上田市総合計画で位置づけた学園都市づくり、これの目指す方向にも合致するものとも考えております。
以上、上田キャンパス設置構想ということに対する私の考えを述べましたが、一方で進出に際する当市とか、あるいは県からの支援というあり方も要望がございます。これは課題として受けとめてはおりますが、それらも含めて今後大学の意思決定がなされた段階において、上田市が大学側に対してどのような協力とか支援ができる得るのか、今後の課題、協議をしてまいりたいと考えております。
o 議長(土屋 陽一君)佐藤論征議員の質問が終了いたしました。